少女漫画読んでると、可愛くてモテるヒロインを作者が描くことには「可愛い同性を描きたい、見てもらいたい」という動機があると察せられるんだけど、そこをよく分かってない人が読むと「自己投影」とか願望充足だと解釈しようとするし、「じゃあ女が好きなの?」と理解の糸口が性愛しかなかったりする
2015-07-03 03:43:19これはエロ漫画とかも同じで、「作者の願望」でしか解釈できない人というのは、自分でも他人でも利己的な発想をするとしか思ってなくて、「他人のために描く、他人のハッピーエンドを描く」という商業作家なら越えてなきゃいけないハードルも目に入ってないんだろうなと思うしよく考えてほしくなる
2015-07-03 03:50:01だったら私小説だけを読んでろ、ってことなんだけど、「私小説で自分を美化するな!」っていうのも「人間(自分の以外の)はすべからず苦労してるべき、してるはずだ」という信念が潜んでて性格悪いし、私小説にかぎるような批判のロジックを他の創作物に敷衍させる行為も全然ものの分別がついてない
2015-07-03 03:58:54@oriak9 そもそも学校のテキストに娯楽作品は好まれなくて、小説の読み方が、文学者の私小説のように読むものという刷り込みが与えられているということかもしれませんね
2015-07-03 04:02:58@izumino 確かに、国語教育では私小説に重きをおく読み方が推奨されてますね。娯楽も文学も、読み方次第とは思うのですけど。いっそ文学もその他の芸術も歴史的に時系列を辿って教えればいいのに、とよく思います。
2015-07-03 04:07:26学校の国語教育が「作者の気持ちを答えなさい」だから、という説はそんなに支持してない(本当にそんな問題ばっかり出てるのか調べてない)んだけど、「物語は作者の私小説のように読むものである」という読者だらけになったフィクション界、考えてみればまぎれもない地獄
2015-07-03 04:07:21まぁ単に「可愛い同性を描こうとする少女漫画家は神だし、絶対どうでもいい読者からつぶされてほしくない」と言いたかっただけです (男描く方に気合入ってて女主人公を可愛く描くことにはあんま興味なさそうな人も実際いるけどね)
2015-07-03 04:15:53完全に主人公と自分を同一視できるようにして創作し、物語を読むといえば本田透さんの著作がまさにそうだけど、それにしたってまさにあの人の文学的背景に私小説的なものがあるからであって、ようは「ジャンル」にかぎった話にすぎないんですよね
2015-07-03 04:20:45少年漫画でも、好かれる共感される主人公は「強くて負けない主人公」じゃなく「仲間を助けようとする主人公」で、荒木飛呂彦も「他人を見捨てる主人公を読者は絶対に好きになりません」と断言してる。つまり読者も「主人公になりたい」より「自分が主人公の友達だとしたら」くらいに感じてるということ
2015-07-03 04:28:22逆に少女漫画でも顕著だけど、ヒロインの恋愛を自分のことにように喜べる(ニマニマできる)友達と、「なんで私がお前の立場じゃないんだ」って嫉妬する女ってのが大抵出てくるけど、作者や読者が感情移入できるのは明らかに前者で、自分は脇役より主人公がいいんだってのは読者のダークサイドなんだな
2015-07-03 04:34:27しかし改めても「他の女が恋愛うまくいってる話を作者が喜んで描くはずがないし、可愛い女の子を描くのが目的なら作者は同性愛者なのでは?」という仮定から導き出される結論、明らかに「もっと単純に考えろよ」という話
2015-07-03 04:49:41twitter.com/izumino/status… この例、主人公の立場に嫉妬するライバルヒロインには大抵「その空回りを生暖かく見守る別の友達キャラ」が設置されていて読者はそのキャラに近い位置からライバルを好きになったりもする、という意味も考えてみるといいかもしれませんね
2015-07-03 04:58:23つまり主人公に対して、そのまま眺められる態度と、「そこ代われ」って態度が読者の中にあって、後者は私小説的に読みすぎなんだけど、嫉妬キャラを描き、さらにそのキャラを眺める人物も設置することで、読者の態度も客体化して見られるようになる。ライバルが可愛いと思えるのは客体化が成功した証拠
2015-07-03 05:13:53