ゲームシナリオの設計-ユーザーの心を動かし、シナリオを動かす-

ゲームに限らず物語全般に応用できそうです
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生田美和 @shodamiwa

ゲームデザイナー&シナリオライター/禍つヴァールハイト/ストリートファイターVゼネラルストーリー/アセルス編/宝石泥棒編/シスタークエストシリーズ ご連絡はDMから お仕事リスト https://t.co/GWHS4IuOfk

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生田美和 @shodamiwa

RPGで、このキャラはこうです、このマップはこうです…と、設定を伝えるイベントが嫌われるのは、それがお勉強だから。人物は付き合う中で知りたいし、地域は冒険してその特徴を掴みたい。先回りのネタバレばかりでは、キャラとの会話も冒険も、前情報通り。情報が停滞、ドラマが死ぬパターン。

2015-07-06 22:15:44
生田美和 @shodamiwa

ゲームで寒い地方を表現するのに、「寒い」と言わせて終わりにしない。厚着させ、息を白く、雪を降らせ、足跡がつくようにし、雪に合うモンスターを配置する。吹雪で足跡が消えれば遭難ドラマが、暖をとれる小屋では一晩共に過ごすドラマが描ける。ゲームの設定は人物、小道具、舞台に溶かし混むこと。

2015-07-06 22:32:07
生田美和 @shodamiwa

ゲームは、ユーザーさんに体験させるためのものであって、作り手が設定を語りたい順に語る場所じゃない。FPSやソシャゲはその点、洗練が進んでいて、ユーザーさんが、「これを遊ぼう」と思ったタイミングで、必要な情報を流す。順番もある程度フリー。遊び手に親切な設計を、という意思統一がある。

2015-07-06 22:55:19
生田美和 @shodamiwa

例えば、「保護欲をそそるヒロイン」のお題でクエストを書かせる。大抵「この子こんなに可哀想なんです」「助けないともっと酷い目に合いますよ?」とやる。そうではなく、まず「その子の魅力」を描く。次に「もしかして助けが必要か…?」と思わせる。ゲームシナリオを書けるかどうかの見分け方。

2015-07-07 12:19:04
生田美和 @shodamiwa

ゲームは主役型娯楽。主人公=ユーザーなので、世界やキャラの悲壮感を煽っても、ユーザーさんがその気にならないと、主人公は動かない。そこで、1)世界やキャラに興味を持ってもらう。2)その魅力を感じさせる。3)自分が関与することで、何かを変えられそうな気配を感じさせる。この、3が大切。

2015-07-07 12:39:11
生田美和 @shodamiwa

ゲームは、変化への情報設計。例えば、初期装備を最強の武器にしないように、シナリオでも、世界を変える決定的な真実をいきなり見せたりしない。敵の動きなど、状況の激変はあっても、バトルで、より強い武器が順に解放されるように、シナリオでも、より強い事実は段階的に手に入るよう設計する。

2015-07-07 13:08:52
生田美和 @shodamiwa

ゲームシナリオは最終面に向かって、主要キャラを段階的に成長させていく。その段階において、ある者は裏切り、ある者は見直すというような、その時々の人間関係が生まれる。それが、ドラマ。最初から完成されたキャラ、完成された関係で、変化なしで行くなら、成長も揺らぎもドラマもなくなる。

2015-07-07 13:30:45
生田美和 @shodamiwa

RPGのバトルで、より強い武器やスキルを、ダンジョン解放とともに入手するように、シナリオでは、より強い想いやより重い事実を、ダンジョン解放とともに抱いていく。ダンジョン攻略が主のRPGの場合、バトルとシナリオはマップを挟んで同時に動く。理由があるから戦い、戦うから因縁が生まれる。

2015-07-07 13:35:20