５月某日　狭間と風音　中断まで

狭間 駿 @c_yu_n

@asasmamama1 狭間】図書館を出た先、ロビーのむこうにある、館に併設された喫茶店のスペースを示してみる。

ブライアン @asasmamama1

@c_yu_n 風音】少し面をくらったような顔を数瞬してから、口を指で押さえながらつい小さく笑ってしまう。ごめん、と笑ったことに謝罪して 「大丈夫だよ、それくらい払えるし……、じゃあ行く？」 言いながら足を一歩踏み出す。

狭間 駿 @c_yu_n

@asasmamama1 狭間】「こういうのはさ、ナンパした側にミエ張らせて、な？」 肩を竦めるように軽く笑い、同じように足を踏み出す。 「もうそれ、借りた？」 抱えている本を示してみる。

狭間 駿 @c_yu_n

狭間】自分が既に大事な存在を得ていなかったら、返事をするのに顔くらいは近づけてみたかもしれない。あるいは、相手の額にかかる髪をそっと掻き上げてみたかもしれない。やはり魅力的な子だな、と、表情の移り変わりを見て思う。意味もなく近づきたくなる少女だ。

ブライアン @asasmamama1

@c_yu_n 風音】「ナンパって自覚してるんだ」 そう言えばまたくすくすと笑ってしまう。考えていたことが見抜かれたようだ。まぁ今のは分かりやすかっただろうが 「まだ。直ぐ終わるから、まってて」 彼を追い抜かし、受付の方へ気持ち早足で向かおう。

狭間 駿 @c_yu_n

@asasmamama1 狭間】「ん、」 くすくす笑う少女に肩を竦めて短く答え、貸し出しに向かう彼女を見送りながら、自分は図書館の出入り口のほうへ向かう。受付けカウンターから見える位置。

ブライアン @asasmamama1

@c_yu_n 風音】受付のお姉さんに利用者カードを渡したら直ぐにそれは終わる。探す手間もなく相手を直ぐに見つける。 「ごめん」 大きいエコバックに本を入れつつそう言って歩み寄りながら

狭間 駿 @c_yu_n

@asasmamama1 狭間】「んーん、行こ」 自分はまた、後で借りにくればいい。彼女が歩いてくるのを待って、並ぶように目的の場所に向けて歩きだす。 「…俺にスゲー好きな相手がいなきゃ、本気できみのことナンパしてるよね。わりとマジで」 さっきの言葉に返すように、少し笑って言い、

ブライアン @asasmamama1

@c_yu_n 風音】唐突な言葉に目を瞬く。そういう事を言う相手とは知らなかった。 「……何かそう真正面から言われると嫌でも動揺するから」 けれど表情は今だ平静だ。 「すごい好きな相手がいるんだ？」

狭間 駿 @c_yu_n

@asasmamama1 狭間】「いるよ。すげえすき、」 へへ、と肩を竦める。 「動揺すんだ、へえ、慣れてるんじゃないかなあと思ったけど」 ちら、と、歩きながら横目を向ける。

ブライアン @asasmamama1

@c_yu_n 風音】「その人、だいぶ幸せ者だね」 一連の相手の言動を見て素直に思ったことを率直に述べる。 「慣れ………、どうだろ。シロくんが意外性ありすぎ」 特に目は合わさずそう答えて 「…てか、君って呼ばれるより、苗字とか名前でもそっちで呼んでくれたほうが嬉しいんだけど」

狭間 駿 @c_yu_n

@asasmamama1 狭間】「どうだろね。俺のほうは幸せもンだけど」 言って、きみは…と続けようとした矢先の言葉に瞬く。 「じゃあ…ん、どっちがいいかな。榑松さん？風音さん？」 名前でも、とは言われたが、名前を呼ばれることに抵抗のある人間は多いと思う。選んでもらうように訊く。

ブライアン @asasmamama1

@c_yu_n 風音】どうだろねの言葉に少し口を開きかけるが直ぐに閉じて 「…じゃあ榑松で」 本当にどちらでもいいのだけれど、なんとなく苗字にしておく。

狭間 駿 @c_yu_n

@asasmamama1 狭間】「んじゃ、榑松さん。榑松さんはなあ、なんかカワイーからね…別に見た目だけじゃなく。っと、見た目もキレーだけど、」 言いさしたところで、そろそろ喫茶スペースにさしかかる。ここは間口が広く、入ったときに店員が案内に出てきたりはしない。適当に席を選び、→

狭間 駿 @c_yu_n

@asasmamama1 狭間】「席ここでいい？」 壁の一面はガラス張りで、植えられた草木やさらさら差し込む陽光が楽しめるが、あえて窓際ではない隅の席を示す。いいだろうか、というような目を向ける。

ブライアン @asasmamama1

@c_yu_n 風音】「褒めすぎ、褒めすぎ」 制止させるように小さく手を動かす。 「怖いって言われることもあるし、なんていうかこう……、」 一般的な可愛いとは違うと思う、と続ける。席については大丈夫だと答えながら鞄を下ろす。いい場所だなと思う。翠が好きだ。

狭間 駿 @c_yu_n

@asasmamama1 狭間】「怖ぇの？」 たしかにあまり可愛い可愛いと言っていても、居心地は悪いだろう…褒めているというよりも、感想を述べているに近いのだが。怖いと言われる、という言葉に、面白い気がして笑う。椅子を引いて座る。テーブルには、手書きの簡素なメニューが立ててある。

ブライアン @asasmamama1

@c_yu_n 風音】「………それに、もっと可愛い子知ってるから」 脳裏に従妹を思い浮かべつつ、笑う相手を見て思わずむすっとしたような表情になる。腰を下ろしながらメニューを見やる。飲み物だけでいいかなと考えつつ

狭間 駿 @c_yu_n

@asasmamama1 狭間】「へえ、そりゃめちゃくちゃ可愛いんだろな」 目の前の彼女も大概そうとう可愛いと思うけどなあ、と思いながら、そろそろ一応、やめておく。くつくつ小さく笑う。 「…昼まだ？　どっかで食べる予定ねえなら、ここのランチメニューわりかしおススメだよ、」 言う。

狭間 駿 @c_yu_n

狭間】１１時からのランチメニューには、パスタやワッフル、サンドイッチのような女子の好みそうなものから、ハンバーグややきそば、カレーなどもある。飲み物は、ソフトドリンクに、紅茶と珈琲。相手が食事も頼むようなら、自分もここで昼にしてもいいかもな、とも思う。

ブライアン @asasmamama1

@c_yu_n 風音】「うん。私にはすごく可愛い」 身内のそれもあるだろうが、自分には一番だ。風音ちゃんと呼んでくるのは何より可愛らしい。 「…でも、いいの？」 おススメだというのなら食べてみたいけれど、彼の財布を心配する。

狭間 駿 @c_yu_n

@asasmamama1 狭間】「んえ？」 いいの、と言われて頬杖をつきながらきょとんとしてから、『奢る』のフレーズかと思い至る。肩をすくめ、 「好きなの頼んでくれたら嬉しいよ。財布にキビシーんなら、最初っから連れてこねえから大丈夫」 フッフッフ、と竦めた肩を揺らすように苦笑し、

狭間 駿 @c_yu_n

@asasmamama1 狭間】「へーえ…、女の子？」 だよなあ、と思いつつ、一応訊いてみる。それだけ可愛いと力説する子は、いったいどんな子なのだろう。

ブライアン @asasmamama1

@c_yu_n 風音】「そう？有難う」 何だか騙されているような気分になりながら、ふ、と笑ってしまいながらサンドイッチがいいという意思を示す。 「女の子。私の従妹。私なんかより素直。ちょっと臆病なところあるけど」 可愛いよ、と目を伏せながら言う。

狭間 駿 @c_yu_n

@asasmamama1 狭間】お、と頷いて、すみませーん、と店員を呼ぶ。自分と彼女の分の食事と飲み物のオーダーを通し、店員が戻っていくのを見送ってから、 「イトコか。へえ…榑松さんは、素直じゃねえの？」 目を伏せた相手を、すこし覗き込むように、頬杖をついて面白げに見やる。