労基法改正案は残業代ゼロ法案で廃案にすべきか?

派遣に関する3個のまとめの回答で出た会話から作りました。 私は労働基準法改正案も基本は賛成しています。不十分な点もありますが、プラスと評価しています。その辺を書いています。
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山内 栄人 @kaizenyamanouch

派遣法ネタもあれこれ書いたので、もう1件言いたいことがあります。それが労働改革全般。在国会で労働基準法の改正案」が出ていますが、野党はこれを「残業ゼロ法案」と呼び廃案にすべきと言っています。今回はこのテーマを大胆に切ります。 pic.twitter.com/3Ys1l1ciiW

2015-07-12 22:21:00
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山内 栄人 @kaizenyamanouch

年々、非正規労働者の割合が増えています。実際は高齢者の再雇用分が増えているのと、主婦などのパートが増えているので正社員がどんどん減っているというわけではありません。んじゃ、OKか?というとそんなことは無いのです。

2015-07-12 22:22:31
山内 栄人 @kaizenyamanouch

もし、日本の雇用が上手く回っているのであれば、ここまで少子化が問題化することも無かったと思います。安保の問題などもありますが、自国の問題とした場合に、「少子高齢化」これが最大の懸念だと私は思っています。

2015-07-12 22:24:00
山内 栄人 @kaizenyamanouch

少子化が進んだ背景などは複数あると思いますが、雇用に区切って考えた場合に、問題はバブル崩壊後に起こっていると思います。いろんなご意見があろうかと思いますが、バブル崩壊時に本当は日本の雇用制度の見直しを徹底して行うべきだったと私は思うのです。

2015-07-12 22:26:11
山内 栄人 @kaizenyamanouch

派遣の問題の際にも書きましたが、とにかく「2極化」というものが進んでいるように感じております。中流の国ではなく、2極化の国になりつつあるのではないか?これが私の現場での肌感覚です。

2015-07-12 22:28:09
山内 栄人 @kaizenyamanouch

酷い図かも知れませんが、私の感覚です。バブル崩壊までは正社員という働き方が主であり、パートなどの非正規はサブでした。そして、正社員という働き方は、企業・業種により差はあっても終身雇用で、年功序列で40歳くらいになればそれなりの年収に。 pic.twitter.com/O2kjcOu9qE

2015-07-12 22:29:52
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山内 栄人 @kaizenyamanouch

現在もエリートと言われる人は社畜ではあるものの、年々給与は上がり、年功序列は残り、年収からいって、専業主婦と子供を養うだけの余裕がある層とも思えます。超長時間残業があっても専業主婦なので安心です。

2015-07-12 22:31:46
山内 栄人 @kaizenyamanouch

並みの人、いわゆる中流階級は、超長時間残業を含む社畜はそのままに、年功序列は崩壊しつつあり給与が上がっていかない状況になりつつあるように思います。年収が思うように上がらないので共働きが基本。でも長時間残業があるし、休出も転勤もあり育児は参加しにくい。これがボリュームゾーンかと。

2015-07-12 22:33:30
山内 栄人 @kaizenyamanouch

なので、年々、共働き層は増えいるということからも導きだされますし、労働者の平均賃金、正規雇用を区切ってみても年々下がってきています。正社員の平均賃金は年収467万円です。平均ですから・・・。上も下もいるわけですが。

2015-07-12 22:35:10
山内 栄人 @kaizenyamanouch

先ほどの平均年収は国税のページにありますので、良ければ見て下さい。ちなみに、正社員でも男性520万、女性349万 この辺も問題だとは思いますが。nta.go.jp/kohyo/press/pr…

2015-07-12 22:37:45
山内 栄人 @kaizenyamanouch

そして、踏み外した人は残念ながら、非正規ゾーンに。勿論、本位型の人は良いですが、本当は正社員を希望するもなれない不本意型の非正規。これが問題ですよね。

2015-07-12 22:39:30
山内 栄人 @kaizenyamanouch

ただ、非正規ゾーンは賃金が上がりにくい反面、社畜からは開放されるというメリットもあります。ブラック企業は嫌だとあえて非正規に留まる人がいるのもこの辺です。事実、正社員下流と非正規の時間賃金を計算すると非正規の方が上なんてケースは多いはずです。

2015-07-12 22:41:12
山内 栄人 @kaizenyamanouch

では、なぜこんなことになったのか・・・これはかなり強引かもしれませんし、私の私見であることを断った上で言いますが、大きく二つ。一つは日本型雇用慣行の弊害。もう一つは日本の超成長期は終わったのだと思います。

2015-07-12 22:43:00
山内 栄人 @kaizenyamanouch

まず、簡単な方から。バブル崩壊移行の日本のGDPを見た場合に実質はなんとか右肩上がりですが、名目は横ばいからやや下降しております。ザ・デフレの20年です。極論で言えばここ20年日本はガンガン成長はしていないと言えます。

2015-07-12 22:45:09
山内 栄人 @kaizenyamanouch

で、そんな中、日本型雇用慣行は続いていくのです。厳密に言えば、一部のみ。その一部が残ることで他が崩壊していった。。。それが私の私見です。かなり強引かもしれませんが、続けて書いていきます。

2015-07-12 22:46:44
山内 栄人 @kaizenyamanouch

日本型の雇用慣行とは何か。ということですが、終身雇用、年功序列、という「いわゆる正社員」というものです。驚くかも知れませんが、日本の正社員制度は、法律の定義すら殆どないのです。ボーナスも退職金も年功序列も法律は無いに等しいです。あるのは「慣行」慣わしです。

2015-07-12 22:48:27
山内 栄人 @kaizenyamanouch

世界で見た場合に、日本の正社員というものはかなり特殊なものになります。それを考える上で良く使われるのが職能給」「職務給」です。日本は「職能給」であり、世界の基本は「職務給」です。

2015-07-12 22:49:32
山内 栄人 @kaizenyamanouch

初めてこの辺の勉強をしたのは10年以上前になりますが、「職能給」の「能」が能力主義をイメージし混乱したのを覚えていますが、簡単に説明していきたいと思います。

2015-07-12 22:50:26
山内 栄人 @kaizenyamanouch

まず、日本では一般的な雇用形態、正社員の定義とも言える職能給」ですが、簡単に言えば、年功序列による収入UP の考え方です。1年長く勤めたらその分”能力が上がった”として給与を上げることです。仕事が変わってなくとも定期昇給するというものです。

2015-07-12 22:52:28
山内 栄人 @kaizenyamanouch

全く同じ仕事をしていても、年次が古い人は給与が上というものです。確かに、営業職で仕事が同じで、売上も同じであっても10年選手と1年目で同じ給与だったら嫌という人は多いですよね。でも、この考え方は世界の非常識です。

2015-07-12 22:53:34
山内 栄人 @kaizenyamanouch

世界の基本は「職務給」です。簡単に言えば仕事の職務に応じて給与が決まるというものです。先ほどの営業の話など仕事が同じなら10年でも1年でも給与は基本同じという考えです。派遣労働者が限りなく職務給になります。プレス作業という仕事を18歳だろうが30歳だろうが同じ給与ですよね。

2015-07-12 22:55:18
山内 栄人 @kaizenyamanouch

日本では職能給なので、例えば総務だった人が経理に移っても給与が下がるケースは少ないわけですが、世界は職務給なので職務が代わり新人同様になれば新人と同じ給与となります。日本では考えにくいですよね。

2015-07-12 22:57:54
山内 栄人 @kaizenyamanouch

しかし、同一労働同一賃金が世界で標準なのも、職務給だからです。仕事と賃金が=なのです。でも日本は違います。正社員でも年次がどうか、非正規なのか。。。と同じ仕事でも給与が違うわけです。これも大きな問題ともいえます。

2015-07-12 22:59:14
山内 栄人 @kaizenyamanouch

そして、何よりも仕事を限定して雇用関係を結ぶ世界の労使関係と比べ日本の労使関係はやや特殊です。それは会社と労働者の包括的な契約で何をするか、どこでするかは会社次第という契約なのです。だから、年功序列じゃないとおかしくなるわけです。

2015-07-12 23:00:35
山内 栄人 @kaizenyamanouch

そして、「ごめん。3ヵ月後に○○に転勤の辞令が出そうだ」とか会社のいいなりになります。断ることはできません。その代わり、給与は年々上がりますし、終身雇用が半ば約束されているので辞められないのです。辞めると年功序列のスタートになり年収が下がる傾向が高いからです。

2015-07-12 23:02:10
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