野球列伝「赤い彗星・赤星憲広」

源々(げんげん) @genmaru_

えー、それでは深夜ですが…… 次回があるかわからない野球選手列伝。 野球列伝 プロ野球「赤い彗星 赤星憲広」

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赤星選手は1976年、愛知県刈谷市の生まれました。 小さい頃から運動神経抜群で、特に後に彼の代名詞となるその"足"に関しては、誰にも負けた記憶がない、と言うほどだったそうです。

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元々は野球とサッカーを掛け持ちしており、サッカーではフォワードとして愛知県代表に選ばれたこともあるほどだったのですが、小学校６年の時、野球チームのキャプテンに選ばれたことで、野球に専念するようになります。

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高校へは強豪の私学ではなく、公立の大府高校に進学。 運動神経が良かった赤星選手には、運動神経の良さから生まれた考えで「あらかじめ与えられた能力で簡単に勝つ」という考えが嫌いであり、それゆえの公立進学だったといいます。(でも一応大府高校も甲子園出場経験がある強豪といえば強豪です。)

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甲子園へは93年と94年の2回に出場。 その後、亜細亜大学へ進学。プロになれるという自信はなく、教員免許が欲しかったという赤星選手は野球部に所属しながら社会科の教員免許を取得しています。

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亜細亜大では東都大学1部リーグ通算78試合、219打数61安打、打率.276 3本塁打 27打点。ベストナイン3回。 そして通算45盗塁。これは野村謙二郎の52。鈴木香の51に次ぐ歴代3位記録であり、その俊足を見せました。

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しかし、高校時代から指名対象から除外される理由となった「背が小さい」という理由で声がかかりませんでした。 赤星選手の身長は公式で170cm。おそらく本当は167～168くらいだろうと言われ、プロ野球選手にしてはかなり小柄な方だったのです。

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しかし、大学で東都大学リーグに貢献し、亜細亜大の地獄の猛練習に耐えたこともあり、プロを意識するようになっていた赤星選手は諦めきれず、11の社会人チームからの声がかかっていましたが、チームの強さではなく就職先の安定性を優先し、JR東日本へ進みます。

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ひょっとすると、他にももっと強いチームもあった中、JR東日本を選んだのは、小さい頃からの思いである「あらかじめ与えられた能力で簡単に勝つことが嫌い」ということもあったのかもしれません。(JR東日本も野球部のいざこざはともかく野球部自体は（以下略

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JR東日本入社後、シドニーオリンピックの指定強化選手に選ばれ、シドニーオリンピック代表に選出。 シドニー五輪終了後、ドラフト会議で野村克也監督の鶴の一声で4位指名。しかし、打撃は非力でスカウトには野村監督に苦言を呈されていたといいます。(諸説あり)

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入団会見で赤星は、それまで中堅手のレギュラーだった新庄剛志選手のFA移籍が決まった直後であり、「新庄さんの穴を少しでも埋められるように頑張ります」と言うつもりだったそうですが、緊張して「新庄さんの穴はボクが埋めます」と宣言してしまうのです。

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いい間違えた宣言に笑いが生まれる中、この時は誰がそう予測できたでしょうか？ 本当にそれを実現するのです。

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阪神入団後は周りにも「活躍するなんて思わなかった」と言われるほど、本当に打撃は非力だったそうです。 しかし、野村監督に「出塁率を上げろ。三遊間に転がせ。内角も逃げるな」と教えられ、「自分の教えたようにやれば使える」と励まされ、その教えが後年に生きたと言っています。

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1年目は打率.292 1本塁打 23打点。そして39盗塁。阪神の選手としては1956年の吉田義男以来45年ぶり、阪神入団1年目の選手としては呉昌征以来となる盗塁王に輝き新人王も受賞。 盗塁王と新人王のダブル受賞は史上初の快挙、そしてゴールデングラブ賞と華々しいデビューを飾ります。

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2年目となり、監督は野村克也監督から星野仙一監督へと変わります。 しかし、このシーズンの赤星選手は自打球により骨折。3ヶ月以上も離脱することになりますが、78試合の出場で26盗塁。

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2年連続の盗塁王を獲得こそしましたが、打率は.252、出塁率も前年の.372から大きく下げ、.311と大きく成績を落としてしまうことになります。

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3年目の03年。FAにより移籍してきた金本知憲選手、そして阪神の古株である桧山進次郎選手はスタメン確約。濱中治選手と外野の残り一枠を争うことになります。 しかし、多くのファンや首脳陣は打撃で勝る濱中選手がその枠を掴むだろうと考えていたそうです。

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しかし、赤星選手は「体で劣る自分が人と同じ打ち方をして打てるわけがない」と、粘り強く四球を狙ったり、打球を叩きつけゴロにし内野安打やエラーでの出塁を狙うといった努力を重ね、スタメンを勝ち取ります。

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1番今岡、2番赤星、3番金本…という並びは03年の阪神優勝を見た方の記憶には強く残っていると思います。 ……実は星野監督はセンター赤星は既に構想の中に入れており、負けん気の強い赤星選手に発破をかけた、ということもあったそうですｗ

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03年はリーグ優勝。赤星選手自身も打率.312 1本塁打 35打点と、自身初の3割超えを達成。出塁率も.374とかなり高い数値を残せました。 そして、盗塁数は61とぶっちぎりの盗塁王。球団新記録を樹立し、新人から3年連続の盗塁王とその盗塁技術は、ファンたちにも広く広まりました。

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この年頃からでしょうか。 普通は打者に対する声援が送られるのですが、赤星選手が一塁ランナーになると、「走れ！走れ！赤星！」というランナーへの声援が飛ばされるということが起き始めます。

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多くの相手投手が口にしていましたが、「赤星が一塁にいると打者に集中できない。いつ走るかわからない」と、その足で見事に優勝へと貢献したのです。

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04年はスランプになった時期こそあったものの、打率.300 0本塁打 30打点。出塁率.356。盗塁数は64で自身の球団記録を更新し、新人から4年連続盗塁王を成し遂げます。

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さらに04年の日米野球ではメジャーリーガー相手に、日米野球の期間だけで7つの盗塁を決め、ボストンレッドソックのデイヴィッド・オルティズ選手に「スーツケースに入れて連れて帰りたいよ」と、ジョーク混じりにその高い盗塁技術を賞賛されました。

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05年のリーグ優勝にも打率.316 1本塁打 38打点 出塁率.392と3年連続の3割を達成。 さらに盗塁数は60で福本豊選手以来となる3年連続60盗塁を達成し、リーグ史上初の5年連続盗塁王を獲得。新人からの5年連続盗塁王は無論赤星選手以外成し得ていない前人未到の記録です。