環境情報科学44巻2号 特集:原発事故にともなう放射能汚染と除染 ceis.or.jp/magazine_lates… 「除染の課題と環境回復に向けた方向性」を寄稿。 残念ながらオープンアクセスではないので、無料で読めるのは目次だけです。
2015-07-15 20:36:51(抜粋)除染の「適正化」とは 編集委員会からの寄稿依頼の際には,除染の適正化という表現が仮題に含まれていたが,いざ表題を英訳する段階になってその訳語に迷い,結局は和文表題を改めた。除染の適正化について論じるためには,そもそも何が「適正」なのか,という基本に立ち戻る必要がある。
2015-07-15 20:39:53(承前 抜粋その2) 2013年の年始にいわゆる「手抜き除染」が全国紙で報道され,この報道は新聞協会賞を得るに至った。この報道に対し,除染適正化推進本部の設置,除染適正化プログラムの策定,除染適正化推進委員会の設置などの対応がとられてきた。
2015-07-15 20:47:00(承前抜粋その3) 原発事故そのものやその後の対処に関して政府への不信感がある中,除染作業における不正行為の排除や除染に対する信頼回復が重要であることはいうまでもない。(中略)報道されたような,集めたものを環境中に放置ないし投棄するような行為は,除染に対する期待を裏切る行為である
2015-07-15 20:49:44(承前 抜粋その4) その一方で,除染作業を粛々と行うことが,環境の回復においてどれだけの実効性をもつのか,という無力感が現場にあったことも報道に垣間見える。すなわち,マニュアルどおりの除染を行えば「適正」なのかどうか,という点にも踏み込んだ議論が必要である。
2015-07-15 20:52:47(承前 抜粋その5) 除染適正化推進委員会においても,監視強化に反対するわけではないが,空間線量を下げるという目的に叶った除染を適切に実施する仕組みの担保が必要であるとの指摘がなされた。(中略)こうした指摘を踏まえ,各々の現場で除染作業をより効果的に実施することはむろん重要である
2015-07-15 20:55:05(承前 抜粋その6) しかし,適正化の議論はそれにとどまらない。被災地の環境回復や復興,避難者をはじめとする被災者の生活の回復にとって効果的な除染のあり方とは何かを再検討し,知見の蓄積が十分にない段階から拠り所としてきた除染の目標や方針を今後も継承することが適切かどうかまでを
2015-07-15 20:57:39(承前 抜粋その7) 問い直すこと、すなわち,制度上の適正さだけではなく,目的に照らした適正さこそが,除染の適正化の重要な論点であると考える。 (まだまだ続くのですが、今日はここまでにしておきます)
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