キャラ絵の話続き

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松下哲也 @pinetree1981

その「キャラ絵」と「キャラ絵」による物語叙述の手法は近代のイギリスのアカデミーで確立し、様式化されたものであるので、いわゆる制度としての「芸術」と現代の「サブカル」的な絵の間に線引きがある、という常識的な見解は実のところ間違っている、という主旨の美術史の論文を今書いてます。

2015-07-18 17:53:20
松下哲也 @pinetree1981

産業革命時代のアカデミシャンはほとんど誰でも出版社に仕事をもらっていたので、その意味でも「イラスト」の成立に「芸術」が寄与し、または「イラスト」の様式が「芸術」に影響を与える、という密接な関係性はずっとありました。

2015-07-18 18:01:36
松下哲也 @pinetree1981

特に英語圏とドイツ語圏に顕著ですが、ロマン派の「芸術作品」がなんとなくマンガっぽく見えるのは、実際にそれらがマンガやイラストの先祖だからです。

2015-07-18 18:03:25
松下哲也 @pinetree1981

18世紀の中頃から19世紀の中頃にかけて、哲学者、文学者、美術家、演劇関係者、見世物興行師、出版社の協働関係または密接な影響関係の中で「キャラ絵」や「イラスト」の基礎となる作品や造形理論が数多く提示され、それらがやがてポンチ絵として結実したという壮大なるストーリーがあるのです。

2015-07-18 18:20:38
松下哲也 @pinetree1981

くまのプーさんがなぜ人を襲う凶暴な熊に見えず、むしろおっとりとした子供の友達にしか見えないのか、というと、そういう風な絵の描き方を理論化した奴がアカデミーにおり、そういう描き方で描いた絵が大量に発表されるので観客の目も鍛えられ、知らぬうちにそういうお約束ごとを教育されたからです。

2015-07-18 18:25:05
松下哲也 @pinetree1981

夕方に連投した「キャラ絵をアカデミーがいかに確立したか」というぼくの話の詳細については、『國學院雑誌』第117巻(2015年7月号)に掲載予定。そろそろ出版されると思います。イラストとかマンガとアート・ワールドとの関係性をそもそも論で考えようという方にはぜひ読んでほしい。

2015-07-19 01:31:03