ロボットもしくは虚構を表現するGMテクニック
もちろん、憶えられる範囲で。「キミたちの目の前に全高18メートル、重量70トン、核融合エンジンで動く、グリーン70%黒鉄色25%5%で調色された、二足歩行のロボットが足を互い違いに出して歩いてくるよ」と言われても、プレイヤーは何を言っているのかわかりません。
2011-01-01 22:47:13憶えておかなければならないのは、「ザク」と言っても「ザク」はプレイヤーの眼前には現われない、ということです。ここが「ドラゴン」との最大の違いです。
2011-01-01 22:48:10なぜなら巨大ロボットは! 誰も! 見たことが! なく! しかも! 個々にキャラクターとして自立しているからなのです!
2011-01-01 22:48:35最後に、小技になりますが自分が有効だと思っているテクニックは、GMが身振り手振りで、簡単にでもそのロボットのアクションを描写してあげることです。
2011-01-01 22:49:28ガンキャノンが発砲するなら、肩からキャノン砲が出る手振りを。ザクがマシンガンを撃つなら、両手でマシンガンを撃つ手振りを。そして撃破されるゲルググなら、被弾して倒れ込むしぐさを。
2011-01-01 22:50:10ロボットは、人間とは違う動きをします。指からマシンガンが出たり、羽根からレールガンが出たりします。したがって、そういう「人間ではできない部分」「ロボット個々の機能」を描写することが大事です。
2011-01-01 22:50:53小太刀右京氏公開アカウント( @u_kodachi ) による巨大ロボットマスタリングテクニックが眼から鱗すぎるのでみんな読むべき
2011-01-01 22:51:29もちろん、身振り手振りに凝りすぎてセッションが止まったらダイナシです。行動宣言やダイスを振る合間合間に、スパイス程度に入れるのがよいと思います。
2011-01-01 22:51:40重要なことは、「ロボットが活躍しているイメージ」を全員が共有することです。そのための前段階としては、イラストやフィギュア、原作のアニメ、今回予告、ハンドアウト、BGMなどさまざまなものが必要になるでしょう。
2011-01-01 22:52:48そしてもうひとつ思い出しました。ロボットをロボットたらしめるために必要なのは、それを引き立たせるNPCのリアクションです。
2011-01-01 22:53:20たとえば、主人公のロボットが初めて立ち上がるところでは、NPCの誰かが「なんだ! あのロボットは! ビルよりもでっかいぞ!」ということで、手軽にサイズを表現できます。
2011-01-01 22:53:58主人公のロボットが攻撃をして、敵のメカを破壊した時に、敵の司令官が「あの白いロボットはバケモノか!」と言うことで、その“色”を表現できます。
2011-01-01 22:54:46主人公のロボットが空を飛ぶなら、味方の防衛隊のパイロットに「とても追いつけない!」と言わせることで、客観的な早さが表現できます。
2011-01-01 22:55:13そして、敵の名もないパイロットが「うわぁ!」「脱出する!」「DCばんざい!」と叫ぶことで、プレイヤーはそれらに対して、ロボットアニメらしいリアクションを返す機会を与えられます。
2011-01-01 22:56:04ロボットという虚構は、「他のNPC」という存在に認められ、尊敬されることで、初めてその世界における立ち位置を得るのです。
2011-01-01 22:56:35小太刀右京さんのマスタリング談義が本当にイイ。興奮して元旦からTRPGしたくなって困る。いや……ここは年始からTRPGの企画を立てるべきか! わー! そうだ今年はTRPGももっと遊ぼう!
2011-01-01 22:56:57GMは巨大ロボットを扱うとき、そこでプレイヤーに抱いてもらいたいポジティブなイメージを、NPCを通して与えることができ、また、外見や機能の情報を、無理なく伝えることができるのです。
2011-01-01 22:57:13さすが、小太刀。この一連のツイートをロボットTRPGやらないから関係ないと思われると、価値が減少するので注釈しておこう。これは、存在しないものをどんな風に描写するかというテクニックの話なのです。
2011-01-01 22:57:27TRPGにおけるあらゆるガジェット、わけても架空の存在は、そこに一切の実体を持たないがために、それが存在している、という幻想を常に持ち上げ続けないと、あっというまにデータの塊になってしまうのです。
2011-01-01 22:58:13そして、そのイメージを与え、演出する責任は、もってまずGMに一任されています。なぜならプレイヤーがどれだけ妄言で自分のロボットを持ち上げても、NPCがそれを認識してくれなかったら、ただのイタい人だからです!
2011-01-01 22:58:56(これを逆用したラインバレルやダイガードのような傑作もありますが、これについてはひとまず置いておきます)
2011-01-01 22:59:23これらの視点を持って、巨大ロボットアニメを見直してみると、様々な発見があるのではないかと思います。
2011-01-01 23:00:23具体的には2/26日公開の『マクロスフロンティア~恋離飛翼(サヨナラノツバサ)~』がおすすめです。現在、劇場で前売り券が好評発売中です!
2011-01-01 23:01:01視覚情報が存在しない、という一言はクリティカルすぎてとにかく凄い。人間は多くの場合視覚からの情報に極めて大きく依存しているので、そこを上手くコントロール出来ればイメージの共有は格段にやりやすいわけで……
2011-01-01 23:01:35