「千の想いを」~最終章 クライマックス2『生還者達』~
- mamiya_AFS
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……。 いつぞやに会議を開いた会議室のテーブルを、あの日と同じく第十五支援艦隊が囲む。壁際では日向が腕を組んで壁に背を預け、愉快そうに場を眺めていた。 他にあの時と違う点があるとすれば、千代田が天龍にしがみ着いているという点だろうか。
2015-04-11 21:57:38厳罰房から2人も脱走者が出たというのに、深夜だからか、はたまた対処に当たったのが千歳や常盤であり、華麗に連絡網を遮断したからか、施設内は騒ぎにはなっていなかった。この建物の入り口の警備員から挨拶をされた程だ。 何故か不機嫌そうな千歳と龍田の視線を無視して、天龍が口を開く。
2015-04-11 22:00:39「だってだって! あたし達を助けてくれた天龍が捕まるのっておかしいじゃない! 助けに行くわよそりゃ」 ぶんぶんと手を振って千代田がのたまう。 夕張の言い分を見ても、決して天龍の『目的』を助ける為ではないようだった。 もっとも、千歳や常盤はわかってはいるようだが。
2015-04-11 22:07:10@tiyodadayo …まあ、強いて言うなら。少し前に似たような事があって何か気に食わなかった、かな。
2015-04-11 22:08:44夕張や提督の言い分に耳を傾けつつ、千代田がくっつく度に千歳の視線に険が走っている事に違和感を覚える。 千歳の語っていた千代田に対する感情には、およそ似つかわしくない。 よくよく見れば、どことなく、千歳は『自分の役目はもう果たした』かのような落ち着きが感じられる。
2015-04-11 22:12:43@tiyodadayo ですから、理不尽な出撃作戦に便乗して皆さんを沈めて千代田だけを生還させて千代田を壊そうとしていたのは、全て演技です。ああ、目がほとんど見えないのは事実です。 全ては…。
2015-04-11 22:22:00@tiyodadayo 全ては千代田と皆さんを救う為、です。信じてはもらえないでしょうけれど、全部私とあの人の計画通りです。 もっとも…、多少の犠牲は出ると計算していたので、本当に全員が無事だった事には驚いていますが。
2015-04-11 22:24:21千歳にぼこぼこにされた常盤は、流石に笑顔のまま困惑しているようだった。 千代田と伊吹がいまだに何の話かわかっていないのか、首を傾げているだけであり、千歳の企みを知っていた天龍と提督はただただ唖然とするばかりだ。
2015-04-11 22:27:18