正しくTogetter / min.tにログインできない不具合が発生中です。X側の修正をお待ちください(詳細はこちら)

「ラン・アンド・キル」

「ヒストリー・リピーツ・ヒムセルフ」の合間に連載していた短編です。
1
ジュセー @shiroboshi2

「エエ?おい、イヨミ=サンよぉ。テメェはもう後がないってんだ。後がないってことはつまり死ぬってことだ。殺されるんだ俺に!決定事項だ!だがすぐさま殺すのは惜しいので楽しみたいということだーっ!イヤーッ!」再び壁を打つ!「アイエエ!」イヨミは悲鳴をあげた。 14 #S57Ninja

2015-06-16 00:17:39
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

なんたるサンシタ特有の獲物を前に舌舐めずりするような説明的脅し文句か! #S57Ninja

2015-06-16 00:18:24
ジュセー @shiroboshi2

イヨミは恐怖に打ち震える。その肢体は縄によってキツく縛られており、身体の自由がきかない。「アイエエ!アイエエ!お父さん、助けて……」「テメェの父親は助けに来ねぇよ!来ねぇってことはつまり死んだんだ!俺たちが殺した!イヤーッ!」打つ!「アイエエ!」 悲鳴! 15 #S57Ninja

2015-06-16 00:21:47
調岩笠 @granbell_S

モータルを虐めると死神がやってくるのでやめよう! #S57Ninja

2015-06-16 00:24:11
ジュセー @shiroboshi2

「テメェの父親はよぉ、このマッポーのご時世の中、自分がいつ死んでも家族にカネが残るよう保険に入りまくってやがったんだ。感動的だろう?そしてそれを俺たちが奪う!なんせマッポーのご時世だからな!」ニンジャはカードをちらつかせながら高圧的にイヨミに言い放った。 16 #S57Ninja

2015-06-16 00:24:39
ジュセー @shiroboshi2

「そんな……そんな。お父、さん」イヨミは涙を流す。彼女の父ミゴノは、男手一つでイヨミを育ててきた。マッポーの世の中、カロウシと隣り合わせの労働環境に必死に耐えながら。そんな父が、なぜ死なねばならなかったのか?イヨミには理解できなかった。したくなかった。 17 #S57Ninja

2015-06-16 00:28:20
ジュセー @shiroboshi2

『いいかいイヨミ。父さんな、ちょっとな、悪い奴らに狙われてるかもしれないんだ』『なにそれ。ドラマの影響?』『あはは……うん、まぁ。だから、父さん、探偵さんにな、頼むからな。だから少し遠出しなきゃな』『せっかくの休日なのに?』『うん、うん……ごめんな』 18 #S57Ninja

2015-06-16 00:31:59
ジュセー @shiroboshi2

『お父さん。サムライ探偵サイゴはフィクションだよ?』『ははっ、そうかもな。でもな、探偵さんはな、いるんだよ。サイゴは居ないかもしれないけれど……』それから先の会話をイヨミは覚えていない。ついぞ先日の事であったのに、思い出はセピア色だ。 19 #S57Ninja

2015-06-16 00:34:55
ジュセー @shiroboshi2

「おい!なにをボケッとしてやがる!」ニンジャがイヨミに掴みかかる。彼女は現実へと、今の状況へと引っ張り出された。「アイエ……」「ファックだ!そしてサヨナラだ!マッポーのご時世だからな!お前だけではないぞ、俺の仲間がもっと女を連れてくる!」 20 #S57Ninja

2015-06-16 00:38:40
ジュセー @shiroboshi2

ニンジャは下劣な顔をイヨミに向ける。荒い息が彼女の顔にかかる。イヨミは目を閉じ、グッと堪えた。「テメェは選べるぞ。今ここでヨロシクするか、俺の仲間達とヨロシクするかだ。選んでいいぞ!」 21 #S57Ninja

2015-06-16 00:42:45
ジュセー @shiroboshi2

ニンジャがイヨミを苛んでいたその時。彼のポケットでIRC端末がスカム音を鳴らした。ニンジャは苛立たしげにそれを取り出し、チャット画面を開く。そこにはウィーブル、イアウィッグ、スティングバグという名前が映し出されていた。22 #S57Ninja

2015-06-16 00:45:39
ジュセー @shiroboshi2

「なんだ?あいつら。もう上玉を見つけたってのか?ハヤイな」ニンジャはIRCチャット会話を行う。《見つけたのか》すると瞬く間に返答が送信されてきた。《上々だ》スティングバグだ。「こんなにタイプ速かったかあいつ……さては相当興奮してやがるな。期待できそうだ」 23 #S57Ninja

2015-06-16 00:50:56
ジュセー @shiroboshi2

ニンジャは返事を返す。《上玉なんだな?》《三人だ》直ぐさまの返答。「ホー、三人……三人だとよイヨミ=サン。お前を合わせりゃ四人だ!実際豊作な」「……」イヨミは悲鳴を噛み殺す。先程想起した父との会話が、少しだけ勇気を与えてくれた。 24 #S57Ninja

2015-06-16 00:55:00
ジュセー @shiroboshi2

ニンジャはイヨミに向けていた視線をIRCチャット画面に戻す。新たな返信が来ていた。やはりスティングバグ。《直ぐに到着する》《そうか。イアウィッグ=サンとウィーブル=サンも何か喋れよ》《二人は片手でIRCを弄れるほど器用でない》《なるほどな》 25 #S57Ninja

2015-06-16 00:59:20
ジュセー @shiroboshi2

《もうじき着く》スティングバグからのその返信を見ると、ニンジャはIRC端末を仕舞った。「スティングバグ=サン、やるときゃやるんだな。おい!イヨミ=サン」ニンジャがイヨミの上着を乱雑に破り捨てる。イヨミは目を閉じ堪えている。「ナマイキな態度してんな!」 26 #S57Ninja

2015-06-16 01:02:55
ジュセー @shiroboshi2

「これから四人纏めてヨロシクするつもりだが、先に少しだけ楽しませてもらうことにする!マッポー!」ニンジャは下卑た笑みを満面に浮かべ、イヨミの下着を破り捨てようとした。彼女は、ただただ堪えていた。父との思い出だけを頼りに、ただただ、堪えていた。27 #S57Ninja

2015-06-16 01:06:58
ジュセー @shiroboshi2

その時。「イヤーッ!」突如として、ジゴクめいたカラテシャウトが響き渡ったのである!CRAAAAASH!冷たく閉ざされていた鉄扉がひしゃげ、吹き飛ぶ!「なに、グワーッ!?」吹き飛んだ鉄扉がニンジャに直撃! 28 #S57Ninja

2015-06-16 01:09:50
ジュセー @shiroboshi2

「え」イヨミは目前で起きた突然の出来事を理解できず、唖然とした。そして入口の方をゆっくりと見やった。そこには、赤黒の装束を着たニンジャがいた。29 #S57Ninja

2015-06-16 01:14:03
ジュセー @shiroboshi2

「ドーモ、ローカスト=サン。ニンジャスレイヤーです」威圧的なオジギ。イヨミは故しれぬ恐怖を覚えた。同時に、気が遠くなる感覚を覚えた。彼女は父との思い出を抱きながら、静かに失神した。30 #S57Ninja

2015-06-16 01:15:40
ジュセー @shiroboshi2

「イヤーッ!」濃緑のニンジャ……ローカストと呼ばれたそのニンジャは鉄扉を難儀そうに振り払った。そして死神を見、震える声でアイサツをした。「ド、ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。ローカストです」その声は先程までとは打って変わり弱々しい。「何故俺の名を」 31 #S57Ninja

2015-06-16 01:18:03
ジュセー @shiroboshi2

「ローカスト=サン。オヌシに届け物がある」死神はローカストの問いに答えず、言葉を切り出した。「受け取るがいい。餞別だ」そして何かをローカストへと放り投げる。「何……アイエエ!?」ローカストは素っ頓狂な悲鳴を挙げた。何故か?理由は死神からの餞別にあった。 32 #S57Ninja

2015-06-16 01:20:42
ジュセー @shiroboshi2

おお、ナムアミダブツ!餞別と称して放り投げられたそれは生首!ニンジャ頭巾とメンポを着けた生首である!コワイ!「アイエエ!アイエエ!」恐慌するローカスト。死神はジゴクめいた声で「三人だ」と言った。 33 #S57Ninja

2015-06-16 01:23:39
ジュセー @shiroboshi2

「アイエエ!アイエエ!」「オヌシの名と居場所を何故私が知るかは、その三人に聞け。地獄でな。イヤーッ!」ニンジャスレイヤーのスリケンがローカストへと一直線に飛ぶ。ローカストは全く反応できないまま、額にそれを受けた。「アバーッ!」貫通! 34 #S57Ninja

2015-06-16 01:26:28
ジュセー @shiroboshi2

「サヨナラ!」ローカスト爆発四散!ニンジャスレイヤーはザンシンした後、イヨミの元へと歩みを進めた。そして彼女を縛る縄を千切りとり、彼女を抱えた。 35 #S57Ninja

2015-06-16 01:28:41