臭い・後編

師匠@似非 @unishisyo

時は流れ、秋になり、文化祭で演劇サークルも出し物…勿論演劇だ。 田部さんの代わりに後輩が部長になり、練習やら何やら色々順調に進んだ。 あんだけギャーギャー喚いていた留年生達も何事もなかったかのように支度をしていた。 そう、田部さんがいた痕跡を消すかのように。

師匠@似非 @unishisyo

そして当日、僕は驚いた。 何故なら、田部さんの親御さんが演劇サークルに来て演劇を観ているのだ。 終わりには留年生の一人が、この作品は田部さんに捧げるなどと言ったのだ。 嬉しそうに話しかける田部さんの親御さん。 僕は笑いを堪えるのが必死だったよ。

師匠@似非 @unishisyo

だって、田部さんの死を追いやった人間が偽善者なんだよ？ 死に追いやった事を忘れて、俺達は田部さんの事を忘れませんとか言ってるんだよ？ アレ？ アレだけ自分の所為だとか言ってた人達は何処？ 元カノさん、いつから元辞めたの？ 人間って死が絡むと自分を美談にしたがるんだね。

師匠@似非 @unishisyo

愉快な人間達だよ。 こういうのが悪意のない集団殺人鬼なんだよ？ イジメって緩やかな殺人だからね。 あまりにも可笑しかったけど、僕は田部さんのいないサークルには居場所がないからさっさと辞めたよ。 そう言えば田部さんは電車に詳しいからワザと夕方の上りに飛び込んだな。止まらない快速に

師匠@似非 @unishisyo

どうだったかな？ これで僕と田部さんの話はおしまい。 この時期になると田部さんを思い出すね。 後、幽霊には臭いがあるって事。 思考を支配するって事。 そして、人間のが残酷だって事。 さーて、質問とかあるかな？ リプでもDMでも受け付けるよ。

師匠@似非 @unishisyo

あ、大事な事を忘れてた！ 田部さんの幽霊に遭遇した時、真昼間のカンカン照りだったんだ。 田部さんの押しが強くてつい足元を見たら、影が２つあったよ。 幽霊も影が出来るんだーって妙な気持ちになったよ。