【艦これ連載SS】秋雲さんと東方小説書き提督　その４

浅木原忍@31日西う25ab @asagihara_s

#秋雲さんと東方小説書き提督 連載一周年の第85話（第五部第9回） 実況・感想等は #秋雲東方提督 タグでどうぞ ログ１→togetter.com/li/702739 ログ２→togetter.com/li/732998 ログ３→togetter.com/li/789196

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え、丸１年？　この話初めて？　マジで？　もうそんなになるのかーそっかー。 ってか１年かけて話してきて２ヶ月ぐらいしか進んでないじゃん。この調子じゃいつまで続くんだか……。で、北方マンスリー薄い本輸送の話は終わったから、渾作戦の話かな？ #秋雲さんと東方小説書き提督

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あ、その前に紅楼夢があったか。あ、てことは秋雲の呉里帰りの話ね……。了解。 えーと、秋雲も紅楼夢は申し込んでて、また提督の本の表紙も描いて。リッカちゃんも持ってるよね？　そうそう、あの本。 その入稿が終わって10月。秋雲たちは大阪に向かったわけ。 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「いやぁー、紅楼夢初めてだから楽しみだよぉ」 秋雲たちは新幹線に乗って一路、横須賀から大阪に向かっていた。 大阪行きのサクチケメンバーは、提督、木曾さん、秋雲、菊月ちゃん。紅楼夢はサクチケ２枚だからねえ。時雨たちは向こうから直接現地入りするらしい。 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「秋雲は呉にいたんだろう。呉からなら近いのではないのか」 「いやあ、呉の提督は堅物だったからさあ。私用で遠出とか全然させてもらえなかったもん。だから出るのは地元イベントばっかり」 菊月ちゃんの問いに、秋雲は答える。あの堅物提督どうしてるかなあ。 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「私たちも紅楼夢は初めてだよー。てゆか、横須賀に転属するって解ってたら申し込んでたのにぃ」 と言ったのは、一緒にくっついてきた清霜。早霜ともども、一般で参加するらしい。 「……大湊からでは、さすがに大阪は遠いですからね」 早霜も呟く。 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「ということは、紅楼夢の経験者は提督殿と木曾殿、はっちゃん殿ぐらいでありますか？」 とこれまた一般組のあきつ丸。もちろんはっちゃんも一緒。 「ダー。提督はもう５年ぐらい紅楼夢参加してるよね？」 「ああ、初めての紅楼夢はみやこめっせだったからな」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「紅楼夢が京都……そんな時代もあったんだねえ」 東方の歴史は長いねえとしみじみ。 「紅楼夢なら私たちも経験者だよ。ね、翔鶴姉」 と、座席の向こうから顔を出したのは瑞鶴だった。 「ええ、３回目かしら？」 翔鶴も頷く。今回の遠征メンバーはこの10人。 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「てゆか、瑞鶴さあ」 「なに、秋雲」 「五航戦、二ヶ月もサボってていいの？」 「提督がいいって言うんだもん。ね、翔鶴姉」 「そうね。骨休めも大事だわ」 この五航戦、夏コミ後からずっと横須賀でゴロゴロしてるんだよねえ。いいのかそれで。 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「翔鶴と瑞鶴には次の作戦でまた働いてもらうからな」 提督が頷く。ま、南方も北方も安定した今だと、資源を食う大型艦はあんまり動かす必要ないのかも。 「おかげで瑞鶴と思う存分にゃんにゃん出来て幸せだわ」 「もう、翔鶴姉」 にゃんにゃんて。 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「ところで提督、大阪着いたらどうすんの？　お好み焼きとか串カツとか食べに行く？」 「ホテルに入ってからの行動は各自に任せる。明日のイベントに差し支えないようにな」 はーい、と全員の返事。修学旅行みたいだね。 「ホテルどこだっけ？」 「梅田だ」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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そんなわけで、新幹線は大阪に到着し、梅田に移動。 「梅田の地下はダンジョンだから、みんなはぐれるなよ」 「はーい」 とか言いながら、ぞろぞろと連れだって移動する。しかし大阪も人多いなあ。 「菊月ちゃん、大阪でどこか行きたいところある？」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「……秋雲と一緒ならどこでも構わない。秋雲は何かないのか」 ああん可愛い。でも何でもいいって逆に困るよねえ。 「秋雲も大阪はそんなに詳しいわけじゃないからねえ。通天閣とか道頓堀とかベタなところしか浮かばないんだけど。ＵＳＪに行く時間もないし」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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黒潮でもいれば案内してもらえたんだろうけど。 「まあ、適当に早霜や清霜にくっついて行こうか」 「……そうだな」 笑い合い、それから秋雲、前に向き直ったんだけど。 「……あれ？」 いつの間にか、みんなの姿が見えなくなっていた。 #秋雲さんと東方小説書き提督

浅木原忍@31日西う25ab @asagihara_s

「あ、あれ？　菊月ちゃん、みんなは？」 「……私は秋雲に合わせて歩いてただけだが」 「嘘ぉ」 ヤバイ、はぐれた！　行き交う人混みの中に目を走らせるけれど、提督も木曾さんも五航戦も早霜清霜もはちあきも見当たらない。おおうどうしよう。 #秋雲さんと東方小説書き提督

浅木原忍@31日西う25ab @asagihara_s

「ど、どうしよう菊月ちゃん」 「落ち着け秋雲。現在位置がわからなくなったときは迂闊に動かない。それから電話だ」 「あ、そうだそうだ、提督に電話すれば……」 立ち止まって壁際に寄り、スマホを取り出す。えーと、提督の番号、番号……。 #秋雲さんと東方小説書き提督

浅木原忍@31日西う25ab @asagihara_s

「あら、ひょっとして秋雲？」 ――と、そこに思わぬ方向から聞き覚えのある声が掛かって、秋雲は振り返る。 「ああ、やっぱり秋雲じゃない。久しぶり」 「――初霜？　と、若葉じゃん」 「久しいな」 声を掛けてきたのは、呉時代の同僚、初霜と若葉だった。 #秋雲さんと東方小説書き提督

浅木原忍@31日西う25ab @asagihara_s

「あ、あー、久しぶりぃ……って、なんでこんなところに？」 「それはこっちの台詞だ。横須賀から里帰りか」 「いやいや、えーとまあ、なんと言いますか……」 紅楼夢のために来たって、呉のこの２人に言っちゃっていいものかねえ……。 #秋雲さんと東方小説書き提督

浅木原忍@31日西う25ab @asagihara_s

「そちらは？」 と初霜が菊月ちゃんを見やって言う。 「菊月だ」 「ああ、睦月型の。初春型の初霜です」 「若葉だ」 自己紹介する菊月ちゃんと初霜若葉。というか菊月ちゃんと若葉ってキャラ被ってるなあ、とちょっと思った。 「秋雲の、呉での同僚か」 「ええ」 #秋雲さんと東方小説書き提督

浅木原忍@31日西う25ab @asagihara_s

初霜は秋雲と菊月ちゃんと交互に見やって、ひとつ首を傾げる。 「でも、不思議な組み合わせですね。横須賀で一緒の駆逐隊にでも？」 「あーいや、なんと言いますか……」 「……秋雲と交際している」 ぎゅっと秋雲の腕を掴んで、菊月ちゃんは言う。 #秋雲さんと東方小説書き提督