【艦これ連載SS】秋雲さんと東方小説書き提督　その４

浅木原忍@31日西う25ab @asagihara_s

「……」 「そりゃ私だって恥ずかしかったわよ！　でも那智が堅物だから仕方ないじゃない！　人前でいちゃいちゃできないんだから、せめて夜ぐらい恋人らしいことしたいじゃない！　なのにあの唐変木！　人の精一杯の努力を完全スルーよ！　許されないわ！」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「……」 「秋月ちゃぁん……解ってくれる？　朴念仁の那智を押し倒して夜戦に完全勝利した足柄さんＵＣのつもりがコスプレ誘惑を完全スルーされた足柄さんＵＣになってしまった私の気持ち……部屋の外に出られない気持ちも解ってくれる？」 「は、はあ……」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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正直なところ、足柄さんが何を言っているのかその時の私はよく解っていませんでした。 ただ足柄さんは、単純に姉妹艦以外にぶちまけたかっただけのようで、私が「わ、解ります」と答えると、「ああっ、秋月ちゃん！」と私を急に抱きしめてきました。 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「ありがとう……解ってくれて嬉しいわ」 「はあ」 「あー、ぶっちゃけたらスッキリしたわ。那智はどこ？」 「な、那智さんなら屋上に居るそうですが……」 「むむむ、傷心の私を放って……蹴っ飛ばしてやらなきゃ」 「は、はあ」 「あっ、もうお昼じゃない！」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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時計を見てがばっと立ち上がった足柄さんは、既にいつもの足柄さんでした。 「さて、那智を蹴っ飛ばしてカツカレー食べて午後の演習よ！　勝利が私を呼んでいるわ！」 「……あ、じゃあ私は戻りますね……」 小声でそう言いますが、足柄さんはもう聞いてません。 #秋雲さんと東方小説書き提督

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パジャマを脱いで着替え始めた足柄さんを横目に、私はそっと部屋を出ました。 「秋月さん、首尾は？」 「も、もうすぐ出てくるはずです……」 私の答えに、妙高さんと羽黒さんはほーっと息を吐きました。 「ありがとう、秋月さん」 「ありがとうございますっ」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「い、いえ……特に何もしていませんから……」 私はそう首を振りながら、私は昨晩からの目まぐるしい展開に、ひとつの疑念を抱いていました。 自分は秘書艦でありながら、この鎮守府の本当の姿を知らないでいたのではないか……と。 #秋雲さんと東方小説書き提督

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（つづく） #秋雲さんと東方小説書き提督

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3週間ぶりの #秋雲さんと東方小説書き提督 呉鎮守府編第7話（通算93話） 実況・感想等は #秋雲東方提督 タグでどうぞ ログ１→togetter.com/li/702739 ログ最新→togetter.com/li/857004

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【久々なので前回までのあらすじ】 妙高と羽黒に頼まれ、引きこもった足柄の愚痴（那智が唐変木だという話）を聞いた秋月。那智と足柄が交際していたことを知るとともに、秘書艦の自分はこの鎮守府の本当の姿を知らないのではないかと悟り……。 #秋雲さんと東方小説書き提督

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さて、足柄さんの愚痴を聞いたあと、午後は空母護衛部隊の演習でした。イムヤさんとゴーヤさんに手伝ってもらって、潜水艦から空母を守る演習です。 雲龍型の3人を、私と照月、それから第17駆逐隊の皆さんの計6人で護衛するわけなんですが……。 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「秋月姉、どしたの？　難しい顔して」 「え？　あ、う、ううん、なんでもないの」 気付けば私は、先を進む雲龍型の3人、それから前路警戒の17駆の後ろ姿を見つめていました。……ひょっとしてこの中にも、初霜さんと若葉さん、足柄さんと那智さんのような関係が？ #秋雲さんと東方小説書き提督

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葛城さんは何か天城さんに話しかけていますし、前では調子に乗ってはしゃいでいる谷風さんが浦風さんに小突かれています。……まさか、それもその、そういう関係の証拠のように、疑おうと思えば疑えなくもないわけで……でもまさかそんな、誰も彼もふしだらな……。 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「ん？　秋月、私の背中に何かついてる？」 と、葛城さんが振り向いて首を傾げました。じっと見つめていたことに気付かれたかと、私は慌てて首を振りますが、 「秋月姉がさっきから変なんだよー」 と照月が言いつのります。 「あらあら、どうしたの？」と天城さん。 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「秋月姉が、なんかこー、鵜の目鷹の目でみんなをじろじろ見ててー」 「そ、そんなことないってば」 「見てた見てた、葛城さんのお尻とかめっちゃ見てた！」 「えっ私のお尻！？」 葛城さんがあわててお尻を押さえます。 「いやお尻は見てません！見てません！」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「……葛城の薄いお尻なんか見ても面白くないでしょう」 「あっ雲龍姉ひどい！」 「まあでも、お尻を眺めるなら私でも雲龍姉様かと」 「葛城は照月以下だし……胸もお尻も」 「雲龍姉ー！」 「え、秋月姉、私そんなに太いかな？」 「私に聞かないで！？」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「……ああ、そういうことね」 と、不意に雲龍さんが手を叩きました。 「秋月は葛城を脳内で男の子にして楽しんでたのね……納得」 「何の話ですか！？」 「葛城は男の子なら受けだろうから……そりゃお尻も見るわね……」 「勝手に納得しないでください！」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「秋月ぃ、私が言うのもなんだけどさぁ、ナマモノ男体化ホモはちょっと業が深いんじゃないかなぁ……というか秋月がそんな趣味だったなんて……」 「いったい何の話をしてるんですか！？」 話にまったくついていけず、私は叫ぶしかありません。 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「……違うの？　てっきり秋月も時雨あたりの影響で目覚めたのかと……」 「時雨さん？　時雨さんって確か今横須賀に……」 「じゃあ秋月が葛城のお尻を見ていたのは純粋な性欲から？　アキカツ？」 「雲龍姉様、誰が上手いことを言えと」 「解る言葉で話して！」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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慣れ親しんだ雲龍型の皆さんが、わけのわからないことを言い出して、私は混乱するしかありません。いったいこの呉鎮守府にいったい何が……。 「そうですよ雲龍姉様も葛城も、秋月さんもようやく隠れた楽しみに目覚めたばかりなのですから」 と天城さん。 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「初心者にいきなりディープな話をして引かれるのはオタクの悪い癖です」 「……そうね、反省」 「あれ、なんで私まで天城姉に怒られてるの？」 「というわけで、秋月さんはどんなものがお気に召しました？」 と天城さんに訊ねられ、私は「え？え？」と混乱します。 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「あ、あの、だから何の話を……」 「恥ずかしがらなくていいんですよ。秋月さんは真面目な人ですから、気付いてしまった自分の性癖に戸惑ってるでしょうけれど、みんな大なり小なり、おかしな性癖を持っているものですから」 「いや、ですから天城さん」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「たとえば雲龍姉様は腐女子です」 「ふ、婦女子？」 「専門はショタホモ」 「……いえ、ロリ百合でもNLでもいけるけれど。子供同士が好きなだけ」 「葛城はケモナーですし」 「け、けも？」 「あ、人×獣専門だからね！」 「あの、だから何の話……」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「ですから秋月さんも恥ずかしがらず、さあ、カミングアウトしてください」 「い、いえ、ですから、私は……」 助けを求めて照月の方を振り向くと、 「照月も聞きたいなー秋月姉の性癖ー」 「だからどうしてそういう話になるんですかー！？」 #秋雲さんと東方小説書き提督