モーリー・ロバートソン「英語圏の報道は国際社会最強です。」

モーリー・ロバートソン @gjmorley

BBCが戦後70周年談話の背景を細かく解説することで、これまでの「再軍備して次の侵略を狙っている日本」といったやっつけ報道が変わってくれるなら、嬉しいです。ただ、中国政府の言い分、韓国政府の言い分、日本の左派・右派・沖縄の諸団体の声という風に多角的になると、ウェルカム2カオス。

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「なぜ日本政府の謝罪は謝罪とみなされてこなかったのか」を詳細に開設した記事＞　BBC News - Viewpoint: Japan's 'sorry' seems to be the hardest word to remember bbc.com/news/world-asi…

モーリー・ロバートソン @gjmorley

欧米の日本に関する報道を「反日」「中韓の工作員が入った」などなどという風に猜疑心で解釈する人が一定数いるので、ぼくの見解を述べておきます。まず、日本は政府からも一般人からも世界に対する発信が極めて低い状態が続いてきました。単純に言うと「ひきこもり国家」のように見られています。→

モーリー・ロバートソン @gjmorley

また、原子爆弾の使用は戦争終結のために必要だったのか、敗戦にあたってサンフランシスコ講和条約で何が取り決められたのか、なぜその後中国・韓国政府は声高に日本を非難し続けてきたのか、東南アジア諸国は日本をなぜ応援するのか…などなどに関する論が日本から積極的な発信がなされていません。→

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日本国内では左派・右派がおたがいに棲み分けて「プロレス」のような千日手の論争を半世紀繰り返してきました。日本という国が内向きなところに輪をかけて左派・右派が身内に向かって「論座」「正論」を繰り返し、普遍的なディベート・ルールで世界を巻き込んで決着をつけようとしてこなかった　→

モーリー・ロバートソン @gjmorley

その隙を突くように中国・韓国の政府がそれぞれのアジェンダにしたがって「右傾化し、危険な暴走をするだろう日本」というプロパガンダを積極的に英語で推進。日本のマスメディアから英語配信されるニュースは圧倒的に左派の「ものがたり」に沿ったもの。結果、欧米の記者が検索すると…わかるね。　→

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さらに「失われた20年」などで日本発の経済ニュースにも魅力がなくなり、国際メディアの東京支局が次々と中国・シンガポールへと移転。そもそも取材しなくなった。さらにアルジャジーラのようにスピード、身軽さ、低予算で押し出す新興メディアが台頭し、日本のブロガーや活動家をソースに報道。　→

モーリー・ロバートソン @gjmorley

結果、日本は国際ニュースの中で「relevance＝存在感、意義」を失っていき、ネタ記事の発信源とみなされるに至る。鯨類を食べる残酷な国民、ペドファイルが野放しの国、キモかわいい見世物の宝庫、東アジアを脅かすファシズムが台頭する国、放射能まみれの国…四捨五入からデタラメへ。　→

モーリー・ロバートソン @gjmorley

ところが色々な要因が相まって再度、日本が注目されるようになっています。この流れはチャンスです。詳細かつ的確な報道がなされ、その報道について日本政府や企業、一般人、知識人、アーチストなどが積極的にリプライしていけば透明度が上がります。批判も礼賛も構成なバランスを回復する。　→

モーリー・ロバートソン @gjmorley

英語圏の報道は国際社会で最強です。そこに歪みがあるのなら、能動的な発信を通じて「考え方に他の選択肢もある」という説得を日常的に続けていく必要があります。正のプロパガンダ、PRと言い換えてもいいでしょう。アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、イラン、中国はみんなやっています。　→

モーリー・ロバートソン @gjmorley

だからこそ「BBCのバカが」「中国傀儡の反日ニューヨーク・タイムズが」という主語で反発するのは良くないのです。反論するなら、英文記事の全容を把握できていて、記事のトーンや文脈も理解できた上で、国際社会が納得する質の議論が求められます。やっつけの罵倒は日本にとって自傷行為。　→

モーリー・ロバートソン @gjmorley

中国・韓国からの声を無視するのではなく、流されるのでもない。中国・韓国の声はそもそも国際社会で大きなウェイトを占めていません。成熟した態度で世界に「engage＝積極的に関わり続ければ」日本に関する報道のグレードが上がり、批判も賞賛もまっとうなものになります。以上です。

モーリー・ロバートソン @gjmorley

とにかくBBCで大井さんががんばってくださっていることがきっかけとなって日本に関する報道がより詳細で核心をついたものになっています。その「中からの働き」に多くの日本人が感謝する日が来るでしょう。日本を世界のニュースの中で「relevant」にすることは、偉業。ぼくもがんばります！