叶精二 (seijikanoh) 氏による『火垂るの墓』 (1988, 監督・脚本:高畑勲, スタジオジブリ制作) に関する連続ツイート [2015-08-14]

日本テレビ系列『金曜ロードSHOW!』にて『火垂るの墓』 (1988, 監督・脚本:高畑勲, スタジオジブリ制作) が放映された際の連続ツイート
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叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

高畑勲さん、岡山空襲の体験語る 憲法9条「最後の歯止め」と訴え: 山陽新聞デジタル sanyonews.jp/article/194848… 9歳で岡山空襲に遭遇 「本当に遺体だらけ。生きているかのような姿で亡くなっていた。ガタガタと震えが止まらなかった」

2015-08-14 23:11:47
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

高畑勲監督、岡山空襲を証言 火の海、逃げ惑う 「火垂るの墓」に体験反映 毎日新聞 6月17日朝刊 mainichi.jp/shimen/news/20… 「『戦争が始まったら自分はどうするのか』と想像してみてほしい。今の世の中が道を踏み外していることが分かるはずだ」

2015-08-14 23:12:50
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

男鹿和雄さんに伺った話。『トトロ』を制作中だった宮崎監督は『火垂る』に強烈な対抗意識を燃やし、何度も偵察に行って口を出し、帰ってから「パクさん(高畑監督)が苦しんでる。山ちゃん(山本二三さん)も、コンちゃん(近藤喜文さん)も苦しそうだった。ウッシシシ…」と嬉々としていたとか。

2015-08-14 23:16:47
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

『トトロ』は『火垂る』とのコントラストを強烈に意識した作品。『トトロ』の夜の蚊帳のシーンでは蛍が登場せず。清太がトマトをかじるため、サツキはあえてキュウリ。当初メイ一人だった主人公を姉妹に変更。節子のリアルな泣き顔芝居は、メイでは行わずサツキで。単独制作なら全く違った作品に。

2015-08-14 23:17:22
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

宮崎監督は『朝日ジャーナル/1988年8月5日号』で「帰るべき所のない死」と題し、『火垂るの墓』について次のように記しています。以下、引用。⁰「飢えと栄養失調で死んだ四歳と十四歳の兄妹の二人の幽霊が、なぜ母の幽霊と出会わないのか。母と二人は別々な世界に行ったのか。生に執着し、(続

2015-08-14 23:19:16
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

恨みを残して死んだのなら、二人の幽霊は死ぬ寸前の飢餓の姿であるはずなのに、なぜ肉体的に何も損ぜられていない姿をしているのか。(中略)⁰あの二人は生きながら異界へ行ったのだ。(中略)⁰兄の甲斐性なしを指摘する者がいるが、彼の意志は強固だ。その意志は生命を守るためではなく、(続

2015-08-14 23:20:04
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

続)妹の無垢なるものを守るために働いたのだ。  二人の最大の悲劇は、生命を失ったところにはない。(中略)魂の帰るべき天井を持たないところにある。あるいは、母親のように灰となって土に化していくこともできないところにある。しかし、二人は幸福な道行きの瞬間の姿のまま、(続

2015-08-14 23:21:39
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

続)あそこにいる。兄にとって、妹はマリアなのだろうか。二人の絆だけで完結した世界に、もはや死の苦しみもなく、微笑みあい、漂っている。⁰「火垂るの墓」は反戦映画ではない。生命の尊さを訴えた映画でもない。帰るべき所のない死を描いた、恐ろしい映画なのだと思う。」

2015-08-14 23:22:12
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

宮崎監督が、自ら関わっていない高畑作品の解釈について、ここまで踏み込んで記した文章は極めて珍しいと思います。「四月以来心にひっかかかっている」とも記されています。個人的推測ですが、宮崎監督は「死しても魂の帰るべき天井」があって欲しい、描かれて欲しいと考えたのではないでしょうか。

2015-08-14 23:33:49
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

『火垂るの墓』と同時代の日本を描いた『風立ちぬ』のラストは、相手のために役目を果たして果てる「帰るべきところのある死」「他者を生かすための死」。『火垂るの墓』への25年目の答案提出か。 弁証法的な緊張関係-高畑勲と宮崎駿の50年- yk.rim.or.jp/~rst/rabo/miya…

2015-08-14 23:37:54
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

「反戦平和」を願っていた近藤喜文さんが20年前・1995年「戦後50周年」に描いた作品。阪神大震災直後、清太と節子の怒りの表情が胸に迫ります。 『ふとふり返ると 近藤喜文画文集』に再録。 amazon.co.jp/dp/4198608326/… pic.twitter.com/iUql2QcY8y

2015-08-14 23:40:44
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叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

香川)この男がジブリを支えた 近藤喜文展が開催中 asahi.com/articles/ASH84… 『火垂るの墓』の直筆修正原画、ポスター原画等を大量展示。 『近藤喜文展』情報 togetter.com/li/688418 #火垂るの墓 #近藤喜文 #スタジオジブリ

2015-08-15 00:39:16
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

高畑勲「映画を作りながら考えたこと」(1988年講演)より抜粋。 「私は反戦のメッセージを伝えようということでこの映画を作ったわけではないのです。(中略)この物語の主人公、清太の生き方に今の若い人が共感できるはずだと思ったからです。(中略)同じ状況に立ち至ったら、隣組や意地の(続

2015-08-15 01:11:46
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

続)悪いおばさんから逃げだして、やはり清太のように生きたいのではないか(略)しかし清太は結局死ななければならない。頼みのお金に価値はなく、ましてコンビニエンスストアもない。そこから戦争と人の心、そして人々のつながりを考える糸口のようなものを、若い人たちに見出してもらえるのでは(続

2015-08-15 01:16:51
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

続)ないか、そう考えたんです。(中略) この映画には清太の幽霊らしきものが登場して、自分たち自身を見つめたり、こちら(観客)を見つめたりします。(中略)死んだ人たちも、じつは極楽のような遠くに行ってしまったのではなくて、このあたりに居て、生きている私たちを見ているのだ、(続

2015-08-15 01:19:22
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

続)と日本人は感じて来たのではないでしょうか。『安らかに眠ってください。あやまちは繰返しませぬから』という広島の原爆碑も、決して眠ることの出来ない死者たちが私たちを見つめている、そういう意識が潜在的にあって書かれた言葉だと思うのです。見つめられているという意識をもつことが、(続

2015-08-15 01:23:22
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

続)いまあらためて必要になっていると思います。そんなことも考えて、二人の幽霊を出しました。 (中略)特に二十一世紀を背負う若い世代の人に “なりゆきは変えられない" “わずらわしい人間関係はいやだ"なんて言ってないで、是非考えてもらいたいところです」

2015-08-15 01:30:55
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

死者に見守られるこの国で、子供は地域や親族とどう関係を結ぶべきか、生活の根源を根底から崩す戦争・人災・人間疎外をどう退けるべきか。感涙で濾過出来ない問題の数々。 1988年当時から全くブレのない高畑勲監督の言葉が、本当に重く響くのは、むしろこれからではないかと思えてなりません。

2015-08-15 01:42:05
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

『時代の正体 権力はかくも暴走する』 神奈川新聞「時代の正体」取材班 2015年8月31日発売 現代思潮新社 戦後70年の重大問題に焦点をあて、高畑勲、想田和弘、内田樹、高橋源一郎、辺見庸他、時代を問うインタビューを収録。予約受付中。 amazon.co.jp/dp/432900495X/…

2015-08-15 19:32:45
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

映画『戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)』公式サイト ikusaba.com 予告編 youtube.com/watch?v=zo4nzh… 8月21日(金)13:00の回上映後 高畑勲監督×三上智恵監督トークショー開催 mmjp.or.jp/pole2/

2015-08-15 20:12:00
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叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

高畑勲監督 コメント ikusaba.com/comments/ 前略「沖縄の人々のたくましい“人間力”が心に迫る。こんなにも生き生きと体を張っているのに、辺野古の新軍事基地作りは冷たく“粛々”と進む。見ているうちに、本土の私たちが連帯しないでよいのか、という思いがこみ上げる」

2015-08-15 20:16:14
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

非戦70年記念 高畑勲講演会 「いわさきちひろの絵が語るもの」 9月27日(日)15:00~16:30 主催 ちひろ美術館 *申込受付 8/27(木)開始 『火垂るの墓』と『戦火のなかの子どもたち』のエピソードなど chihiro.jp/tokyo/museum/s…

2015-08-15 20:32:52
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

空襲の経験、きちんと映画に 「火垂るの墓」高畑勲監督 : 8月12日朝日新聞 asahi.com/articles/ASH84… 「戦争中も声を立てて笑い、ふざけ合う。自然と触れあいながら遊び、日常のささいな出来事で喜ぶ。そんな姿も描いた。そういう日常を破壊する戦争は絶対に許せない」

2015-08-15 20:47:05
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

digital.asahi.com/articles/ASH84… 抜粋「日本が悲惨な目に遭ったことを語るだけのような映画は、これから戦争が起きないようにすることには無力だとも思う。戦争をしたがる人々は、悲惨なことにならないために戦争の準備をしなければならないのだと言う。積極的平和主義っていうやつ」

2015-08-15 20:53:30
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

続)「もし戦争が起きれば、おばさんのように振る舞うかもしれない。そう思いながら見てほしい。今の若者たちに空気を読んで生きている人が多いとすれば、国家の空気が変わると、その空気に同調してしまう危険性も高くなる。 (中略)平和憲法をかかげてきた日本は、まさに分岐点に立っている」

2015-08-15 20:55:26