投資家よ、歴史に学べ

ファンドマネージャー・速水禎氏のツイートまとめ
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@hayamitadashi

1/4 「投資で成功するには哲学と歴史を学べ」とかつてジム・ロジャーズが雑誌のインタビューで語ってるのを読んで素直に教えに従ったのは、既に10数年前の記憶だ。投資は将来を買いに行く行為なのに、なぜ過去を学ばなければいけないのかを理解できるようになったのは数年前になってからだった。

2011-01-04 20:17:49
@hayamitadashi

1/4 これから将来世の中がどう動いていくかを考える場合、やはり歴史というものは良き導き手になると私は思う。なぜならば、結局人間は今も昔も同じように考え、同じように行動するからだろう。これは時代や社会構造が変わっても、資本主義でも共産主義でも、人間が望むことは同じということだ。

2011-01-04 20:28:10
@hayamitadashi

1/4 歴史を学ぶからと言ってはるか古代遺跡まで遡っていくのも好き好きだが、明日からの投資に実用的という意味では、この過去500年程度の近代史で十分だと私は思う。確か作家の塩野七生氏によれば、1492年にコロンブスがアメリカ大陸に到達したときから後を、世界史では近代と呼ぶそうだ。

2011-01-04 20:35:03
@hayamitadashi

1/4 16世紀初頭はスペインが世界で権勢を誇っていた時代だ。このとき、スペイン皇女と神聖ローマ帝国皇子の間に生まれたカール5世の手には世界の覇権が握られて、内外に睨みを利かせていたことになる。当然周辺の大国は面白くない。イギリス、フランス、オランダ、ロシア、トルコなどだ。

2011-01-04 20:46:37
@hayamitadashi

1/4 17世紀初頭にはオランダが台頭してくる。ガチガチのカトリックに反発し市民が蜂起して独立した国だから、手に職をもつ移民と企業家が集まりオランダ経済は急成長する。このときアムステルダムは世界の金融センターとして各国の戦費調達機能を提供。鎖国時代のオランダは世界の最先端だった。

2011-01-04 20:52:50
@hayamitadashi

1/4 そのころフランスではルイ14世が国家建設を進め、18世紀後半フランス革命経て、ナポレオンが皇帝となりヨーロッパの覇権に手をかけようとした。フランス人の知人は現在のフランスを築いた人物にナポレオン3世の名を挙げている。19世紀に入る産業革命でイギリスが経済力をつけてくる。

2011-01-04 21:00:39
@hayamitadashi

1/4 英国は産業革命と海軍、植民地、金融を結びつけることで世界を支配した。20世紀に入り英国は第一次大戦でドイツと戦い疲弊し、戦争が終わった1919年のパリ講和条約の際、既にアメリカが世界最強の国となった。駆け足で見るとこの500年間に世界の覇権は5つの国を渡ったことになる。

2011-01-04 21:09:51
@hayamitadashi

1/4 スペイン、オランダ、フランス、イギリスそしてアメリカ。500年で5つの国だから、歴史は100年のサイクルで世界の覇権が移ることを示している。20世紀は間違いなくアメリカの覇権の時代だったと言えるが、その次は中国かインドか。今という時代は、歴史的な観点で見れば覇権の狭間だ。

2011-01-04 21:15:36
@hayamitadashi

1/4 歴史的に見れば覇権と覇権の狭間の時代には、複数の大国が同時に存在する多極的な世界が存在していた。だから今我々は多極化時代に身をおいて投資をすることになる。この状態はこの先数十年から百年という時間単位で続くと考えておいて良いだろう。これが私の歴史観、世界観から見た大局観だ。

2011-01-04 21:20:06
@hayamitadashi

1/4 世界が多極化時代を迎えているとすれば、それぞれの国がパワーをもちながら世界がバランスすることになる。一国だけが好きなようにできる時代ではない。各国の技術水準も高くなるため、企業レベルで見れば 国際的な競争環境はますます厳しくなるだろう。投資先の選別もそうした観点が必要だ。

2011-01-04 21:24:33