ネ申・伊勢崎賢治 @isezakikenji 教授の「集団的自衛権collective self-defenseと集団防衛collective defenseの違いを意識すべき」#集団的自衛権 #国際政治

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伊勢崎賢治 @isezakikenji

機が熟してきたところで、集団的自衛権collective self-defenseと集団防衛collective defenseの違いを意識すべき。集団的自衛権は個別的自衛を喫緊の脅威を共有するお仲間でやることで自己保存の“権利”。集団防衛は同盟などの”条約上の義務”。➡︎

2015-09-01 09:34:17
伊勢崎賢治 @isezakikenji

➡︎「他国が攻撃されて、我が国は攻撃されていないけれども、一緒に反撃する」は、どちらかというと集団的自衛権ではなく、集団防衛。だから”権利"ではなく”条約上の義務”。

2015-09-01 09:38:36
伊勢崎賢治 @isezakikenji

➡︎だから、安保法制賛成派の「集団的自衛権の行使は国連憲章上の義務」というのは明確な間違いだが、反対派の「集団的自衛権の行使は他国防衛」というのもニュアンス的に間違い。

2015-09-01 10:06:30
伊勢崎賢治 @isezakikenji

➡︎更に、反対派の「集団的自衛権は他国の戦争に日本を巻き込む。だからダメ」というのも、その戦争に”国際化”した現代の内戦を含むなら、国連の集団安全保障を否定することになり、操作された国際人権世論を敵に回す可能性がある。

2015-09-01 11:11:50
伊勢崎賢治 @isezakikenji

➡︎要は、集団的自衛権は、善か悪かの問題ではなく、いかに”悪用”を防ぐかの問題であり、現代においては集団安全保障との垣根がなくなりつつあるという情勢下、日本が何をするかの問題。

2015-09-01 11:18:54
伊勢崎賢治 @isezakikenji

➡︎「自衛隊を活かす会」は、近未来の自衛隊の役割と法整備を具体的に提示してゆきます。kenpou-jieitai.jp

2015-09-01 11:22:40
伊勢崎賢治 @isezakikenji

➡︎つまり、必ずしも脅威の共有が無くても、他国への攻撃を自国への攻撃と見なすのが「集団防衛」であり、その履行は「条約上の義務」。国連憲章51条で規定する「固有の権利」としての集団的自衛権ではない。9条が"最も"忌諱するのは集団防衛の方ではないか。

2015-09-02 09:52:00
伊勢崎賢治 @isezakikenji

➡︎安倍政権の真意は、日本の施政領域に限られた集団防衛(集団的自衛権ではない)である日米安保の領域を拡大し、米豪、米比条約と連動して、対中国の海洋「集団防衛」体制を築くこと。集団的自衛権に囚われていると、ここが見えなくなる。

2015-09-02 10:00:52
伊勢崎賢治 @isezakikenji

9条が忌諱するものの順位。最下位の方から。自衛隊の存在=個別的自衛権<(国連)集団安全保障<集団的自衛権<集団防衛。

2015-09-02 10:13:35
伊勢崎賢治 @isezakikenji

➡︎集団的自衛権が容認されても、まだ集団防衛がある。9条はまだ完全に空洞化されてないぞ! わーい

2015-09-02 10:20:14
伊勢崎賢治 @isezakikenji

➡︎日本領海内で米艦が攻撃されたら、それに参戦するのは、他国の攻撃を自国の攻撃と見なす集団防衛である日米安保の「条約上の義務」としての個別的自衛権の行使として説明できる。集団的自衛権ではない。➡︎

2015-09-02 17:34:04
伊勢崎賢治 @isezakikenji

➡︎集団的自衛権は、米本土が再びテロ攻撃されて、「イスラム国」が犯行声明をし、「次は日本だ」って言ったような場合。これは、蓋然性というか、このくらいでは、NATO諸国でも参戦は難しいだろう。➡︎

2015-09-02 17:37:14
伊勢崎賢治 @isezakikenji

➡︎だから、安保法制の真意は、集団的自衛権ではなく、日米の「集団防衛」の施政領域を拡大したいだけ。ターゲットは、中国のみ。

2015-09-02 17:39:12
伊勢崎賢治 @isezakikenji

集団防衛、集団安全保障の時代にあって(集団的自衛権なんて時代遅れ)、日本の国防とは、アメリカを体内に宿し続ける日本が、アメリカの身代わりになって攻撃されることをいかに予防するか。こんなことを明るく論じる国防論書いてます。11月ごろ刊行予定。

2015-09-02 19:08:39
伊勢崎賢治 @isezakikenji

軍法がなかったら、”国際人道法”に則っての「武力の行使」は、日本施政領域内における個別的自衛権さえ不可能ではないか。だから、『「武力の行使」でなく「武器の使用」』論、『「武力の行使」と一体化しない』論を、護憲派もが認めてきた。これが、右・左の談合。

2015-09-02 23:03:11
伊勢崎賢治 @isezakikenji

つまり、日本領域内で敵国と交戦開始。そして日本領域内と誤認して自衛隊が敵国籍民間船を領海外で撃沈。これは国際人道法違反。しかし、この自衛官の過失を軍規/ROEの観点から裁く法が日本にはない。これは、個別的自衛権の行使で起こりうる過失。

2015-09-02 23:16:21
伊勢崎賢治 @isezakikenji

国際人道法は、交戦主体Belligerentを合法的な攻撃目標と定義し、その間の殺し合いのルールを定めたもの。これは個別的自衛権、集団的自衛権、集団防衛、集団安全保障による武力の行使すべてに適応される。9条は交戦主体になる権利を放棄する。でも日本は同法を追加議定書を含め批准。

2015-09-02 23:24:28