@tsgrTL 知らず、足取りは人だかりから離れる様に。人の海の中では、思うように踊る事さえままならない。 「ここは、何屋?」 だから気付いた。小さな歓声に、気付かされた。それは通りから少し離れた小脇にある、ほんの少しの人の群れ。 何を催している所なのかと、覗き見れば。 #ジブンさがし
2019-10-04 20:22:18@tsgrTL [縁日]「賭博ってほど大したモンじゃねーさ、ちょいと座りなよ」小柄な男が口の端を上げる。「なあに簡単。賽子で決めるのさ」《【-100圓】/「賽子」を振り4以下は失敗、5以上の時【+200圓】》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/553567
2019-10-04 20:22:42@tsgrTL 男が一人。敷かれた粗布に、縁の欠けた茶碗が一つ。器の中には、薄汚れた骰子が、我が物顔で鎮座していた。 「賭(や)るかい?」 小柄な男が掌を向ける。握手、ではない。賭場に立つのなら、席料(ベット)しなければ始まらない。ジブンの手の内に残されているは、たった一つの硬貨の重み。 #ジブンさがし
2019-10-04 20:29:42@tsgrTL 思考は一瞬。叩きつけるも、一瞬。 「当然」 進退問わずもまた、一興。 賽が放られ宙を舞う。放物線を描いて、茶碗という水面に飲まれるように落ちる四角。澄んだ音を立てて、器と骰子が響き合う。鳴って響いて転がって、徐々に静まるそこに現れた目の数は。 #ジブンさがし
2019-10-04 20:37:28@tsgrTL [賽子]カランッ コロコロ…… おや?上面には何も書かれていない。失敗だ。 《出目は【0】、診断がどの条件であっても自動的に失敗となります。》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/553564
2019-10-04 20:38:22@tsgrTL 「……え?」 無。 器の中で止まった骰子の表面には、何も無い。 一も、二も三も、四も五も六も、何も無い。 何の『目』も、無い。 「おい、これイカサマじゃ……っ⁉」 男を見上げ、息を呑んだ。ジブンの迂闊さに、後悔した。 男の顔には、『二十一の目』が浮かんでいたのだから。 #ジブンさがし
2019-10-04 20:45:10@tsgrTL 『目』が、『目の群れ』が、ジブンを見る。視る。邪視(み)る。空いた心の空隙を、貫く視線が縫い留める。 「どーめきさまが、招いてる」 男の口から、告がれる言葉。『ドーメキ』。聞き覚えのあるその単語は、いったい何処であったか。思い出そうにも、頭はどうにも回りそうがなくて。 #ジブンさがし
2019-10-04 20:54:21@tsgrTL 「どーめきさまが、喚んでいる」 目を『回されている』。『隻(ひとつ)』では、『㐂(■■)』には敵わない。捻れる視界。捻れる意識。抗う様に伸ばした指先は、指先が、消えていく。解れて、逝く。圓は零。縁は、零。この世界が泡沫なら、硬貨(つながり)を失ったジブンもまた夢幻の如く。 #ジブンさがし
2019-10-04 21:03:46@tsgrTL ・六十九日目 状態【魂13/力11/探索3I死9】 異形 『一ツ目(力+2、探索+2)』 『獣足(探索+1、力+1)』 『鱗(水耐性、力+1) 』 『爪(力+2)』 『竜尾(力+5)』 感情【-怒哀楽】 ・ログ togetter.com/li/870248 #ジブンさがし
2019-10-04 21:08:12