旧帝国陸海軍の無線機話/送受信両方オンから片方オンに「改」

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TFR_BIGMOSA(首輪付きの大猫、地球長期滞在者) @TFR_BIGMOSA

日本陸海軍の戦闘機無線機について、web上で読めるまとまった文章を紹介しようかと思ったのだが流石に「陸軍無線史」や「海軍無線史」はweb公開されてないようだ。というわけで、横浜旧軍無線通信資料館のwebサイトを紹介してみる。yokohamaradiomuseum.com

2015-09-04 19:20:52
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横浜旧軍無線通信資料館のwebサイトの掲示板を溯って読んで行くと、海軍戦闘機無線機が96式空1号(送信機も受信機も常に電源オン)から96式空1号改とそれ以降の電源切り替え式(送信機と受信機のどちらか片方にしか電源を入れられない)へと変化したことが判る。

2015-09-04 19:23:12
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また、96式空1号改無線電話機それ自体は(電源仕様以外は)同時期の英米独の戦闘機用無線機よりも優れたものだと言うことも判る。また、機体側やエンジン側のノイズ対策の話も紹介されているので、諸姉諸兄にはお勧め。

2015-09-04 19:24:52
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ここで架空戦記に関する不満など呟いてみる。「大空のサムライ」等の書籍の影響か、海軍戦闘機無線は「使い物にならない」と読者に定着して久しい。これを作中で改めたいと言うのは判るのだけど、

2015-09-04 19:29:01
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「米軍機を真似てアースを取り直してみた」とか「メンテ体制を充実させた」ばかりと言うのはいくらなんでも飽きた。もっとも、「電源の給電能力が送信機と受信機の消費電力の和より小さい」と言う仕様は小説よりもフィクションめいていて、作中に盛り込みがたいのは判る。

2015-09-04 19:30:25
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96式空1号無線機は送信機がエンジン駆動の発電機から電源供給を受け、受信機は乾電池を電源としていた。 96式空1号改では電源が強化されないまま乾電池が廃止され、世にも珍しい電源切り替え方式になってしまう。 これは結局、終戦まで改められない。

2015-09-04 19:37:31
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架空戦記の定番とも言える「震電」や「烈風」でも発電機は385ワットで、3式空1号無線電話機は電源切り替え方式だったりする。ただし、真空管のヒータだけは常時電源に繋がるようになっていた。

2015-09-04 19:39:19
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さらに不可解な話は、日本海軍の艦攻や艦爆(艦戦と同じエンジンを使っているものもある)の発電機は「無線送信機と受信機の電源を常時オンにして余裕がある」ものが使われていること。

2015-09-04 19:41:59
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「大空のサムライ」ほどには読まれていないと思われる「零戦燃ゆ」には艦戦の無線機を受信モード(送信機オフ)にしていた艦戦パイロットが、艦爆や艦攻、陸攻から電話で警告を受けて難を逃れる証言が何箇所かある。

2015-09-04 19:45:16
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なんか呟いているうちに当初の目的を忘れてしまった。そうそう、架空戦記で「戦闘機の無線を改善」する場合には仕様を改めるとか載せ代えるとか設定しないと限界があると言う話をしたいのだった。

2015-09-04 19:49:38
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「送信するときには受信機の電源を切って送信機の電源を入れ、温まるのを待つ」 「受信するときには送信機の電源を切って受信の電源を入れ、温まるのを待つ」のが、「整備体制の改善」や「アースの改善」で出来る限度。

2015-09-04 19:51:59
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それでは作中の空戦シーンが間延びしたり悲劇的になりすぎるという作者さんは、何か設定を工夫して欲しい。たとえば艦爆用や艦攻用の発電機を載せるとか。

2015-09-04 19:53:08
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機体側のノイズ対策としては、アルミ合金製の機体ではアロジン処理(クロム酸クロメート)が当時も今日も定番なのだけど、現存する機体にはアルマイトのものがある。この原因は私には判らないのだが、ひとつ疑念を持っていることがある。

2015-09-04 19:57:59
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「アロジン処理を行える工場を、陸軍が先に押さえたのではないか?」と言う疑念。

2015-09-04 19:58:42