高校生でもわかる安保法制(仮)

見よう見まねで作ってみた。
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kazutomi @kazutomi

高校生にも多分わかる「安保法制は違憲かどうか」。連投します。高校生に自分が説明するならこんな感じ、というものです。私自身の考えとは実はちょっと違う(^^;;

2015-09-11 14:00:37
kazutomi @kazutomi

国会での安保法制の話には自衛隊が出てきます。自衛隊はもちろん武器を持っていますが、日本の憲法9条には武力の放棄が書いてありますね。安保法制が違憲かどうかより先に、自衛隊がそもそも違憲ではありませんか?

2015-09-11 14:00:53
kazutomi @kazutomi

現在、国会も政府も裁判所も、自衛隊を違憲とは見なしていません。日本が自衛するのは違憲では?という裁判が過去にありました。最高裁はその裁判の判決で「日本は主権国として必要な自衛を、国際情勢に応じて、平和と安全を守るためにふさわしい方法で行える」と憲法を解釈しました。

2015-09-11 14:01:28
kazutomi @kazutomi

さらに最高裁は、同じ判決で、「国防など国の存立に関わる高度な政治判断は国会と政府の仕事で、はっきり違憲と分かる場合を除いて(たとえば、明らかに他国を侵略する目的の法律を作るとかでない限り)裁判所が違憲かどうか判断すべきでない」としました。これが砂川判決です。

2015-09-11 14:01:50
kazutomi @kazutomi

この判決によって、国会と政府は、日本の平和と安全を守るために適切な自衛の方法を決める権限を持つことになりました。国会や政府が「自衛のために適切な方法だ」と判断したものは違憲にはなりません。ですから、国会が法律を作って、政府が設置・運営している自衛隊は違憲ではないのです。

2015-09-11 14:02:18
kazutomi @kazutomi

この判決の筋道に従えば、いま政府が提案している安保法制も同じです。国会では、これからの国際情勢に合わせて必要になる自衛方法が議論されています。その自衛方法が日本の平和と安全を守るのに適切だと国会が認めれば(そしてはっきり違憲でない限り)、やはりそれは違憲ではないことになります。

2015-09-11 14:03:15
kazutomi @kazutomi

提案されている安保法制には集団的自衛権が一部含まれていて、それが違憲ではないかと問題になっています。砂川判決では「日本は自衛権をもつ」としていて、集団的自衛権について違憲だとは言っていません。そして憲法も、集団的自衛権をはっきり違憲とはしていません。

2015-09-11 14:03:29
kazutomi @kazutomi

はっきり違憲ではなく、違憲かどうかを決める権限をもつ国会で結論が出ていないので、安保法制は現状では「違憲か合憲か分からない」状態なのです。

2015-09-11 14:03:38
kazutomi @kazutomi

ポイントは、政府が提案している安保法制が定める自衛の方法が、現在の国際情勢の中で日本の平和と安全を守るのに適切かどうか、です。適切だと国会が結論すれば、政府と国会の権限によって合憲となります。不適切なら違憲ですから、法案を修正するか廃案にするしかありません。

2015-09-11 14:03:52
kazutomi @kazutomi

では、いま「安保法制は違憲」と主張している人は、安保法制が「日本の平和と安全を守るには不適切だ」と示せているでしょうか? それができれば違憲である根拠になりますが…どうも、理由もなく、ただ自分がそう思うというだけで「違憲だ」と言ってる人が多いように思えます。

2015-09-11 14:04:02
kazutomi @kazutomi

皆で魚釣りに出かけたとしましょう。魚が釣れました。ちょっとフグのように見えます。フグでなければその場で焼いて皆で食べたい。じゃあフグかどうか調べたり検討したりしよう、というときに、「フグなんだからフグに決まってる!」と言う人がいたらどう思いますか。それと同じように見えるのですが…

2015-09-11 14:05:34
kazutomi @kazutomi

憲法の解釈は、日本というこの国の日々の動きや私たち国民の日々の生活に大きな影響を与えます。その解釈は、憲法ができてから何十年という時間の中で、国の現実とともに定まり、また逆に国のかたちを定めてきたのです。

2015-09-11 14:05:44
kazutomi @kazutomi

そのような、現実の国のかたちと憲法のあり方を考慮することなく、条文の字づらだけを見て自分なりに分かったような気になっても、それはこの国における正しい憲法解釈にはなりません。

2015-09-11 14:05:56
kazutomi @kazutomi

まとめます。日本という国では、国防など高度に政治的な事柄の一部については、裁判所は違憲かどうかの判断をせず、その判断は国会や政府に任されています。この国のこういうあり方は、今の憲法ができてから何十年もの時間をかけて、国会・政府・裁判所と国民の間で作られてきました。

2015-09-11 14:06:15
kazutomi @kazutomi

安保法制はそのような国防に関するものなので、裁判所は違憲かどうかを判断すべきでなく、違憲か合憲かを決めるのは国会や政府の権限になります。いままさに国会で議論されている最中である安保法制は、現状ではまだ違憲でも合憲でもありません。

2015-09-11 14:06:30
kazutomi @kazutomi

違憲かどうかを決めるのは、国会での議論と採決です。その基準は「この安保法制が、日本の平和と安全を守るのに適切か」です。違憲かどうかを決めるための「適切さ」の議論をしているのに、結論を先に決めて「違憲だから不適切、だから廃案にしろ」と言うのはおかしな主張です。

2015-09-11 14:06:45
kazutomi @kazutomi

結論を先取りするそのようなおかしな主張に惑わされず、「この安保法制は日本の平和と安全を本当に守るのか」という本質的な議論に注目しましょう。違憲、合憲はその後に勝手についてくるのですから。

2015-09-11 14:06:56
kazutomi @kazutomi

事実認識と論理に誤りがなければ、正面からこの説明に反論して「違憲」を主張する方法は多分3, 4通りある。

2015-09-11 14:08:06
kazutomi @kazutomi

ひとつ。安保法制について裁判所が統治行為論を採用せずに合憲性の判断に踏み込む可能性が高い理由を示し、さらにその場合に、裁判所が安保法制を憲法の条文に照らして違憲と判断するだろうという理由を示す。法的安定性から、いずれも難しいと私は思うが…

2015-09-11 14:10:45
kazutomi @kazutomi

ふたつめ。裁判所が安保法制を「明らかに違憲」と判断する可能性が高いことを示す。これなら統治行為論は採用されず、いきなり違憲となる。でも条文に明確に書いてないから(以前の政府答弁くらいしか根拠がないはず)これも難しいと私は思う。

2015-09-11 14:12:32
kazutomi @kazutomi

前に書いたけど、政府は憲法解釈を変えたというより、むしろ「国際情勢に応じて」という判例(最高裁の憲法解釈)をずっと維持し続けていて、その国際情勢が変わった、と考える方が妥当だと私は思ってる。まあこの高校生を意識した説明とは関係ないけど

2015-09-11 14:13:56
kazutomi @kazutomi

みっつめ。安保法制が具体的に「自衛のための措置」として不適切だという根拠を示し、適切だと思っている人々を説得する。これは是非国会でやってほしい。その結論は国会での議論&採決で出る。って、これは説明したルートそのものだけどw

2015-09-11 14:16:15
kazutomi @kazutomi

私自身は、この程度の普通の国防について統治行為論を持ち出すのはおかしいと思ってる。というか、それを持ち出さなければ国が動かないことが、憲法典が不適切なことを示してる。「日本国憲法9条」が日本の憲法に対して違憲である、と言ってもいいのでは、と。

2015-09-11 14:19:27
kazutomi @kazutomi

まあそういうこと言っても仕方ないので、説明では、日本を動かす実際の法的システムと憲法解釈に従ったら、いま違憲と言うのはおかしいよ、という論理になってます。

2015-09-11 14:20:33