井上武史准教授の憲法9条への問題意識を伺わせるtweetに触発された高島章弁護士の9条論と反応。
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芦部信喜・憲法は、憲法改正の箇所で「戦力不保持を定める9条2項の改正まで理論上不可能である、ということを意味するわけではない(現在の国際情勢で軍隊の保有はただちに平和主義の否定につながらないから)、と解するのが通説」としていますが、この箇所が注目されることはあまりないですね。
2015-10-12 23:39:12@inotake77 日弁連や地方弁護士会が安保法制(戦争法)に反対しているのだが、理論構成に弱い面がある。 安保法制が「恒久平和主義に反する」という理論構成は弱い。平和主義は9条1項の問題で(侵略戦争は絶対やってはいけない)というものであって、
2015-10-17 17:10:47@inotake77 また、「安保法制(戦争法)は立憲主義に反して憲法違反」というのも弱い。「立憲主義」というのはマジックワード(民法で言えば信義誠実とかレベルの不確定概念)なのだが、「数十年にわたって維持されていた政府の憲法解釈を一晩で覆す」のはいけない、という文脈で
2015-10-17 17:13:53@inotake77 この概念は使われているように思う。ここに違和感・理論構成の不足を感じるのは私だけではないだろう。恐らく井上先生のお考えもその辺にかかわるのではないか?
2015-10-17 17:15:17@inotake77 「長年にわたって維持されていた政府の憲法解釈」が「事実の規範力」見たいな考え方で「法規範性」を獲得するというのは、法哲学・憲法解釈レベルでは趣向できるだろうが、そのような「憲法規範」がどれほどの「法的効力」をもつと言うのか? k
2015-10-17 17:17:23@inotake77 改正憲法>現行憲法>政府の長年の憲法解釈>法律、というような「法の優劣」が正しいのであれば、山口元最高裁長官他、違憲論者の考え方も理解できる。しかし、「政府の長年の憲法解釈(法規範)」は「法律」より強い効力を持つと言う考えは自明ではない。
2015-10-17 17:19:47@inotake77 こういう疑問を井上さんにぶつけるのはお門違いかもしれないのだが愚見をどのように評価されるのか聞いてみたいです。
2015-10-17 17:21:08「自衛隊を違憲」と断言もせず、さりとて「自衛隊を合憲」とも断言せず、「立憲主義」・「恒久平和主義」というガバガバのマジックワードで安保法制(戦争法)を違憲と述べている弁護士会は馬鹿ではないかと思う。憲法をぎりぎりぎりぎり勉強していない間抜けだろう。
2015-10-17 17:24:33「政府の長年の憲法解釈」が何ゆえに法規範性を獲得するのか、また、その法規範は法規範全体のヒエラルキーの中でどのような効力を持っているのか? その辺を正確に論及しないと、「立憲主義違反」という考え方は、学問的に怪しいものだろう。
2015-10-17 17:28:50「戦力不保持を定める9条2項の改正まで理論上不可能である、ということを意味するわけではない(現在の国際情勢で軍隊の保有はただちに平和主義の否定につながらないから)、と解するのが通説」9条1項はを破棄・改正することは国際法、恐らく自然法に違反している。2項はそういうものではない。
2015-10-17 17:52:13「自衛隊が違憲か合憲か」は9条1項の問題ではなく、9条2項の問題だ。9条を仏壇に備えお経のように朗誦している人は、ちゃんと条文を読んでみたほうがよい。だから「護憲」論者は嫌いなのだ。憲法を額縁に収めて拝んでいてもしょうがないだろ!
2015-10-17 17:54:55井上准教授の上記指摘に関して。 「恒久平和主義」は突き詰めれば「侵略戦争はしない(9条1項国際紛争を解決する手段としての戦争を放棄)」ということで、集団的自衛権の行使は「侵略戦争」ではないから、恒久平和主義9条1項を根拠として平安法制(戦争法)を違憲とするのは誤りだろう。
2015-10-18 11:00:21集団的自衛権をこれまで真剣に考えてきたのは、憲法学者ではなく、内閣法制局であった。少なくとも教科書レベルで、「集団的自衛権の合憲・違憲性」について書いてある著作はほとんどないのではないか。佐藤幸治の縦書き教科書(最新版)にも一行も書いてない。
2015-10-18 11:02:37これは、相当数の憲法学者が自衛隊は9条2項違反、違憲、と考えていたからだろう。自衛隊違憲論に立てば、武力行使による個別的自衛権を担う自衛隊は違憲であり、集団的自衛権は論外(文字通り論ずる余地さえない)ということになる。
2015-10-18 11:05:17政府の憲法解釈を担う(憲法の番人と評してよい)内閣法制局は、自衛隊は合憲であるとしてきた。自衛隊の合憲性をいかに担保するか、自衛隊の活動のどこまでが合憲でどこを越えたら違憲か・・・これは、自衛隊違憲論者では語りえない(論外)の領域だった。
2015-10-18 11:09:32自衛隊合憲論に立たないと、集団的自衛権行使、平安法制(戦争法)は語りにくいと言う面はあった。このたびの議論でも、歴代の内閣法制局長官が、違憲論の理論的支柱であったと言う面がある。
2015-10-18 11:16:10憲法学者アンケートを見ても、「自衛隊は違憲だから、平安法制は違憲」という人は、ざっと見た限り、一人(フェリス女学院の女性教員)だけだったような気がする。
2015-10-18 11:17:42平安法制(戦争法)が「立憲主義違反」ということをほとんどの憲法学者・一般市民が言っている。もちろん、私もそう思うのだが、「立憲主義違反」という理由付けの内実や位置づけがぎりぎりつめると不明快な面があるようにも思われる。
2015-10-18 11:24:23「立憲主義違反」というのは政府・内閣・国会の行為が憲法の条文(前文も含めておく)に違反している、平安法制が9条2項違反であると言う前提で成り立つ。「立憲主義」という憲法の条文があって、当該条文に違反する政府行為が「立憲主義違反 違憲」という分けではない。
2015-10-18 11:28:32だとすると、「平安法制は9条2項違反だ」と言えばそれが必要十分な理由付けであり、「平安法制は立憲主義違反だ」というのは余計な理由付けということにならないか。もちろん「憲法違反が明白なのにそれを強行する安倍内閣は立憲主義違反だ」といういいがたはできるが、
2015-10-18 11:31:41