【お玉さんの読書マラソン】「名探偵図鑑完読作戦」第7部
「屠蘇機嫌女夫捕物」のあらすじ 正月。獅子舞の中で若者が何者かに殺される事件が発生した。そして、その若者の妹は、どうやら町で起きた別枠の事件、とある夫婦殺しに何か関わっているみたいなのである。 はたして、事件の真相とは?
2015-09-16 01:01:50「屠蘇機嫌女夫捕物」 人形佐七シリーズレギュラーキャラクター・鳥越の茂兵次(仇名・海坊主)が初登場する作品。 佐七の事件調査をジャマする岡っ引きで、シリーズが進むごとにトンチンカンな捜査を行うコメディリリーフを担うカタチになるのだが、今作では案外有能な佐七のライバル的役割に驚く
2015-09-16 01:02:16「屠蘇機嫌女夫捕物」 事件の進行はいたって普通の捕物帳風味で、犯人を特定する決め手も平凡だし、若者の妹に隠されていた真の事情も驚異のサプライズが待っているわけでもない。 あの小道具の使い方はケレン味があるけど、何故、佐七以外の誰も気づかないの? レベルなんだよね
2015-09-16 01:02:58さて、名探偵図鑑完読作戦Special! 《僕らの好きな人形佐七》でございますよ♫ 本日は4本。 その11「仮面の若殿」 その12「座頭の鈴」 その13「花見の仮面」 その14「音羽の猫」 をお送りしたい思いますよ
2015-09-17 00:22:12「仮面の若殿」あらすじ 江戸の街で奇妙なスリが発生していた。不審に思った佐七が調査に乗り出し関係者の聞き込みへ赴くと、ふぐ鍋の毒にやられて死んでしいる二人の武士を発見した。 やがて事件はとある大名の後継ぎ問題へ繋がっていく
2015-09-17 00:28:08「仮面の若殿」 ……とあらすじを拾ってみたが、中盤以降の展開の右肩下がり具合に萎える一本。タイトルにある仮面の若殿、や、ふぐ鍋の毒の真相は唖然。 導入部の奇妙なスリはホンマ奇妙で、その隠された意図が鮮やかだけに勿体ない。(この後も同種の趣向の短編が出てくるが、コレが一番鮮やか!)
2015-09-17 00:28:38「座頭の鈴」あらすじ 老舗の大旦那・藤兵衛は旅先で座頭の今際の際に立ち会うこととなる。座頭から託された何の変哲もない鈴。 しかし、大旦那は座頭の幽霊に悩まされることとなる。「だんな、鈴をかえしておくんなさい」
2015-09-17 00:29:16「座頭の鈴」 この短編での人形佐七の活躍 鈴に隠された謎(!)を解き明かす 以上(>人<;) 犯人が、犯行の前に自ら真相の大部分をとある人物にペラペラ喋っちゃうし、犯人を懲らしめちゃうのも、そのとある人物だったりする。 鈴の謎もパカリと鈴を開いて中を見るだけやし……
2015-09-17 00:29:49「座頭の鈴」 人形佐七のほうも、金田一耕助ほどではないが、調査に乗り出してから発生する人死にが割とあるんだよね……。 あと子分の辰の水泳が大得意というスキルが初めてお目見えする。僕の中で辰は佐七一家のムードメーカーでありつつ、貴重な水泳要因の印象が強い。あっ、辰がまた泳いでる
2015-09-17 00:30:12「花見の仮面」あらすじ 佐七と恋女房のお粂が花見を楽しんでいたら、何やら悲鳴が聞こえてくる。そこへ赴くと血を吐いて死んでいる越後屋の姿。どうやら仮面の男に酌された酒を飲んだ直後死んだらしい。 早速、捜査を開始する佐七だったが、彼の下に仮面の男が現れる。「私は毒など入れてません」
2015-09-17 00:32:00「花見の仮面」 ……とあらすじを書いてみたが、このお話のキモは短編の後半で発生する越後屋の女房、お玉さん殺しのほうなんよね。 とあるガジェットで事件に現れた全ての奇妙な現象を説明してるわけで、それがあまりに便利すぎるため本格ファンには興醒めかもだが、狂気のお話とすると迫力満点だわ
2015-09-17 00:32:29「花見の仮面」 トチ狂った倫理観によりかかっているお話なので、そこをより強調するための対比としての配置されているであろう佐七とお粂のイチャラブなノロけた日常、や、お粂の失踪時における佐七のあまりの狼狽っぷりが、健全で心地よく見えるんだよなぁ〜。醜い我欲で染まった中でキラキラしてる
2015-09-17 00:33:59「音羽の猫」あらすじ 人形佐七は辰のノロケ話を聞かされている。辰のお相手とは音羽という色街に相応しくない、気品のある女性だった。「生まれの格式は高いんでしょうね? 飼っている猫の爪も金色ですわ」 だが、女性とその金の爪を持つ猫は何者に殺されてしまう。
2015-09-17 00:34:36「音羽の猫」 シリーズが進んでいくとどんどんモてなくなっていく辰。(そして、どんどん水泳の腕前が上がっていく) その辰がモテているのが、わたしゃ、くやしいよ! またそんな導入部なのにこの短編は辰のお話ではなく、佐七のライバルである海坊主の茂平次の話だったりするんよね……
2015-09-17 00:35:15「音羽の猫」 辰の悲しみや下手人への怒りといった、エピソードにより多層な深みを作ってくれる要素はカケラも用意されてなく、面白味のない捜査が続くんよね。 「座頭の鈴」に続き、また重要な証拠物として「鈴」が出てくるんだよ! もちろん佐七はパカリとするよ……(>人<;)
2015-09-17 00:36:01「音羽の猫」 あと、人形佐七シリーズにおいて何度も何度も手を変え品を変え用いられることとなる「読者からするとガッカリ要素があまりに高すぎる犯罪動機」が初披露される。 茂平次の扱い、と、かなり感心できる猫の扱い方、でフォローと 補強はされているが、やっぱこの動機はキライだなァ〜
2015-09-17 00:36:20さて、名探偵図鑑完読作戦Special 《僕らの好きな人形佐七》なのであります。本日は その15「二枚短冊」 その16「離魂病」 その17「名月一夜狂言」 の三本をお送りしまぁ〜す。
2015-09-18 01:30:44