「が」とか「や」とか
NHKの朝ドラ『まれ』には、能登弁というのか、輪島ことばというのか、どういえばいいのかわかりませんが、そういう方言が出てきて、楽しく拝見しています。
2015-09-13 20:01:45この方言(以下、能登弁ということにします)について、本当はもっと精査したいところですが、私にはその能力も時間もないので、とりあえず気のついたこと、気になったことだけ書いてみたいと思います。
2015-09-13 20:02:10代表的な用例は次のようなものです。(1a)の「のが」に対応する語形として(1b)の「がや」があり、「の」と「が」、「が」と「や」がそれぞれ対応しているように思えます。
2015-09-13 20:02:43このほか「がい」という形もあって、「がいね」「がいえ」などの形でよく出てきますが、これらについては「のだ」の類型といえるのかどうか私にはわかりません。
2015-09-13 20:06:17また、標準語の「ので」に対応する「がで」という形はあまり使われないようです。まったくないかどうかはわかりませんが、能登弁で原因や理由を示す助詞としては「さか」や「さけ」という語があるので、「がで」はなくてもいいのかもしれません。
2015-09-13 20:06:32標準語の「が」には、係助詞の側面と格助詞の側面があると思いますが、能登弁の「や」はどちらの役割を担うのでしょうか。どちらの役割も担うのでしょうか。
2015-09-13 20:08:41標準語でいえば、たとえば(2.1a)の文の一個目の「が」は係助詞、二個目の「が」は格助詞の性格が強いといえます。格助詞的な「が」の方は、(2.1b)のように「の」に置き換えられる場合があります。
2015-09-13 20:08:54「が」と「の」の互換性の問題には、それが係助詞か格助詞かという問題と、それが主節にあるか従属節にあるかという問題が交錯しているといえます。
2015-09-13 20:09:34基本的に、係助詞は名詞文を仕切り、格助詞は動詞文を仕切るもので、「が」はどちらにも使えますが、動詞文が従属節になったときのみ「の」が使える、ということができます。
2015-09-13 20:09:49(2.2a) これや 私や めざすケーキねん。 (2.2b) これや 私が めざすケーキねん。 (2.2c) これや 私の めざすケーキねん。 (2.2d) これが 私や めざすケーキねん。
2015-09-13 20:10:15