近侍当直部屋日誌V

近侍当直部屋 @bury_ido

長谷「あーこのおかえりなさいと言いながら腰にぎゅむっと抱きついてくるこれ。筆舌尽くしがたいです、主」 みつ「ぎゅむーー」

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みつ「お着替えしないの？」 長谷「ん」 みつ「ん？ 背中寂しいからや。あっち向かないでよ」 長谷「後ろの紐を外してくれ、新妻」 みつ「にーづま？」 長谷「……。……かわいくてしょうがないおくさんという意味だ」 みつ「はずす！」 長谷「（本当に屋敷の奥にいるしな……）」

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みつ「ん？ んんんーーー？？？ あの、うーん？」 長谷「外せないのか」 みつ「めんどいからちょきんてしていい？」 長谷「おい待てやめろ」

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みつ「ねむいーーねーむーいーーー」 長谷「うるさい書類に集中できんだまれ」 みつ「むぐ」 長谷「指一本で静かになるから安いものだな」 みつ「……。がぶがぶ」 長谷「む。反抗期か」 みつ「がじがじがじ」 長谷「ははっ、……お前はまったくかわいいな。反抗期は許さんぞ？」 みつ「ひっ」

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長谷「今こいつは俺の膝の上でばーんと寝てますよ。寝返りを打つたびに頭の位置にはらはらしますが、書類はきちんと終わらせます。主命ですからね。ちなみに空いた左手でときどき触るのが最高にいい感じです」

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長谷「……」 みつ「zzz…………う？」 長谷「起こしたか。すまん。……大丈夫か。別の世界に飛んでいないか」 みつ「まだちょきちょきする前だったからへーきだけど……。……？？　手……」 長谷「ああ。華燭のときに話しただろう。お前への結婚指輪だ。ほら、俺も手袋の下につけている」

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長谷「お前の指輪だ。左手の薬指にはめていろ」 みつ「わー？　なんかほそくて細かい形だね？？」 長谷「覚えておけ。これはお前が俺のものだという証明だ。必ずここに戻ってくるんだぞ」 みつ「もうどっか飛ばされたりとかしないよ」 長谷「……（わっしゃわっしゃ）」 みつ「しんぱいしょー」

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長谷「お前は今でこそおとなしいが、……反則技のようなことができるんだろう」 みつ「そーだけど？」 長谷「……俺は、……俺は惚れた相手のためならなんでもできるということを知っている」 みつ「？」 長谷「なんでもない。……ほら寝ろ。指輪があれば大丈夫だ。明日を楽しみにしているからな」

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長谷「（……。……情けないと思うかもしれないが、…………繋ぎとめるのに俺も必死だということか。……）」

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長谷「ただ……俺とてなんでもするというだけだ。お前がまた俺の手の届かないところで危険な目に遭うと思ったら、……まじないだろうが暗示だろうが縋りたくなるものだろう。……ちゃんと帰ってこい」 みつ「……zzz」 長谷「……やっぱり白い指に金の細身の指輪は似合うな。かわいいぞ、新妻」

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長谷「眠っているこいつにぎゅうされてるウサギのくたくたなぬいぐるみに嫉妬してしてもいいですか主。……と思ったのですが、ぬいぐるみごときに嫉妬するのも情けないことだと思い、こいつのよだれや汗が染みついたお気に入りのぬいぐるみをぎゅうできるこいつに嫉妬することにしました」

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長谷「待てよ……俺が選んで俺が与えたぬいぐるみだということは、このウサギはもはや俺だといっても過言ではないのでは……？　つまり今こいつの体に密着してぎゅうされてぐりぐりされているのは俺……？」