【2015.09 秋の #分析美学 祭り】この本を わたくしが語ろう
- contractio
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2015年09月10日
Sight and Sensibility
この本はGoogleイメージ検索とフレドリック・ジェイムソンの「あらゆる画像はポルノである」という言葉を引くところからはじまっていて、画像というのは低俗で非理知的なものと見なされている、
2015-09-11 00:04:30一方、この本はこれらの批判を真剣に受けとめた上で、画像の可能性を擁護する。でも是是非非でやるんだ(ジェイムソンみたいな批判は真剣に受け止めるが、オールオアナッシングな議論はしないんだ)となっていて、すごいかっこいい
2015-09-11 00:05:28この本一通り読んだはずなんだけど、実は主要な問題のひとつであるミメーシスのパラドックスがどういう風に解決されたのかよくわかっていない気がする。 (とか考えて読み直してると全然ポップがまとまらないのでそこはさらっと)
2015-09-11 00:09:23いや、でもこの本Googleイメージ検索の話からはじまるのが象徴的で、現在の時代状況とかをふまえた上で、画像と感性についてちゃんと考えようぜってスタンスで書かれてる感じがするんだよね。
2015-09-11 00:14:45ポップの文言を考えていただけなので、オチとかはないです。いや、分析美学のなかでも最良の部類の本だと思うのでちゃんとアピールしたい。
2015-09-11 00:17:37あと付け加えるとすれば、この本は「画像が光景を表現するってどういうことよ?」という描写の哲学の問いと、画像の美しさの両方をあつかっている。画像の中だけに存在する美しい光景というものがあって、なんでそんなものがあるのかについて書いた本だ。
2015-09-11 00:25:455章とかフェミスト美術批評について詳しく触れていて、昨今の萌えキャラに関する議論とかでも参照されていい内容
2015-09-11 00:29:56あと2章。大森荘蔵的な「悲しい光景」とか光景の「雰囲気」の話を詳しく検討していて、大森荘蔵よりはずっと穏当な話だけど、大森荘蔵読者にもおすすめ。
2015-09-11 00:31:48昔ブログにもちょっとまとめて感想書いたことあるんだけど、リンク先のamazonではなくぜひ紀伊国屋で買っていただいて。 d.hatena.ne.jp/at_akada/20140…
2015-09-11 00:33:02The Routledge Companion to Aesthetics
個人的には、分析美学ブックエファで一番売れて欲しいのはThe Routledge Companion to Aesthetics。これ読む学生・院生がもっと増えればいいなと思う。
2015-09-08 15:48:48@conchucame 俺もThe Routledge Companion to Aestheticsについて語ろうかな。いちおう選者だし。
2015-09-11 00:33:54まぁこの本の良さとして、まずこの充実した目次を見てほしいんですよね。「美学史」「美学理論」「問題とチャレンジ」「個々の芸術形式」の四部にわけて、全62項目をそれぞれ第一人者が解説する教科書です。 目次はここで見れる。 routledge.com/products/97804…
2015-09-11 00:36:24それぞれの項目の質は執筆者にもよるけど、第三版になっていろいろ改訂が進んでいるので、ほぼ良質の記事が並んでいると見ていい。あとやはり、こういう教科書は新しいものを読むべき。
2015-09-11 00:37:50第三版になって「芸術と進化」とか「ヴィデオゲーム」「コミックス」といった項目が増えた。こういう新しめのトピックについて見取り図を与えてくれるのは嬉しい。
2015-09-11 00:38:56嬉しいのは各項目にそれぞれ充実したReferencesがついてること。なので、興味ある項目の記事読んで、そのあと芋づる式に重要文献に進むことができる。特に初学者は、こういう教科書に最初に目を通しておくのはとてもいいと思う。擬似問題や変な議論に惑わされずに済む。
2015-09-11 00:41:27各項目の記事はそんなに長くないので、分析美学やらない人でも、興味あるトピックに目を通す作業はやっといて損しない本だとおもう。むしろ他分野の人はこれ読んどけば「ふーん英語圏ではこういう議論があるのね」と手っ取り早く議論状況をつかめるので楽。
2015-09-11 00:45:25