- Yakugakutan
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19時から抗血小板薬について連ツイで話します~ 長めですが終わり次第まとめますので、興味のある方はぜひ寄ってってくださいね♪
2015-10-01 17:57:01今日は抗血栓薬、中でも抗血小板薬についてお話します! 今回のお話は、医療初心者向けに始まって、薬学生や医療従事者の方が復習に使えるようなツイートをできればと思います!
2015-10-01 19:01:02大体3~5分ごとに、こうしてツイートがつながるようにして話していこうと思います 終わり次第Togetterでまとめますが、かなり長いのでご注意ください! 分からない点、用語などは気兼ねなくご質問ください! リプライにて解説いたします!
2015-10-01 19:02:19皆さん転んだりして血が出ても、しばらくすると固まりますよね? このように、私たちの血液には、血管が傷ついた時などに止血する仕組みがあります! これにより出来る塊のことを血栓といいます!
2015-10-01 19:05:53健常時には止血に役立つ血栓ですが、何らかの原因で血管内に出来てしまうと、血の流れを悪くする要因になってしまったり、血管を塞いでしまったりすることがあります 血栓が血管を塞いでしまうと、心筋梗塞や脳梗塞などの原因になってしまうかもしれません……
2015-10-01 22:08:33ところで、血栓の出来方には二通りあります! 片方は血小板が関係しており、もう片方は血液凝固因子と呼ばれる物質が関係しています この二つのメカニズムが協力しあって血栓が作られます!
2015-10-01 19:15:59もちろん、それぞれの出来方に対して抗血栓薬があります! 今日は、血小板が関わる方のメカニズムに対するお薬、抗血小板薬についてお話します! まずは血小板による止血のメカニズムを見てみましょう!
2015-10-01 19:19:50まず血管の内側(血管内皮細胞)が損傷すると、ここに血小板が粘着します! これを一次凝集といいます 粘着した血小板は、トロンボキサンA2という物質を産生するなどして、どんどん血小板を集め、損傷した部位を塞ぎます! これを二次凝集といいます
2015-10-01 22:12:00ここでポイントになる事は、血小板がトロンボキサンA2や粘着することによって活性化する際、血小板の細胞の中のCa2+(カルシウムイオン)の濃度が上がることです 正確さに欠けますが、サックリ言えばカルシウムイオンの上昇≒活性化と言えるかもしれません
2015-10-01 22:12:52詳しく書けば、 血管内皮細胞のコラーゲンにvon Willebrand因子(vWF)などを介して血小板がくっついていくのが一次凝集 活性化した血小板からのTXA2やADPなどによる不可逆的な凝集が二次凝集です!
2015-10-01 19:31:39こうして、血小板が集まるまでを一次止血といいます そうこうして集まった血小板は、フィブリンというタンパク質や赤血球を集めてより強い血栓となります! これを二次止血といいます
2015-10-01 19:38:25今出てきたフィブリンというタンパク質は、血液凝固因子が関わるメカニズムによって作られるタンパク質で、網目のような形状です このタンパク質のおかげで赤血球を絡めとることができます! 今回は、とりあえず覚えておかなくて大丈夫な子ですね
2015-10-01 19:42:10血小板が傷にくっつく ↓ くっついた血小板が活性化し、トロンボキサンA2などを出す ↓ トロンボキサンA2の働きで他の血小板たちが集まる また、トロンボキサンA2の働きで新たにくっついた血小板内のカルシウムイオンが増え、血小板が活性化する ↓ (ループ) ↓ 血栓の形成
2015-10-01 22:13:45さてさて、大体こんなとこですかね それでは、これを踏まえて血栓を作らないようにするお薬のメカニズムを解説します! 今回は抗血小板薬についてみるので、基本方針としては 血小板の凝集を防ぐ →そのために血小板の活性化を防ぐというイメージです
2015-10-01 19:51:28分かりやすくするために図を用意しました 頑張りました (※トロンボキサンのことを誤ってトロンボキサチンと表記しています……大変申し訳ございません) pic.twitter.com/RoFiQjRJxw
2015-10-01 22:15:10まず、血小板はトロンボキサンA2によって活性化することは既に話しました トロンボキサンA2の生成には、シクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素が関連します! ところで皆さん、このCOXという酵素の名前、聞いたことありません?
2015-10-01 20:01:45定期ツイートでも流していますが、COXはロキソニンやアスピリンなど、NSAIDsと呼ばれるタイプの解熱鎮痛剤のターゲットとなる酵素です! 詳しくはこちらのまとめを…… togetter.com/li/475469
2015-10-01 20:06:04COXは、アラキドン酸という物質をプロスタグランジンという物質に変えます このプロスタグランジンというのが痛みを感じるメカニズムに関わっているため、COXを阻害することで痛みを止めることが出来る というのが、非ステロイド系解熱鎮痛剤(NSAIDs)の解熱鎮痛作用の理由です
2015-10-01 20:09:51トロンボキサンA2はというと、プロスタグランジンH2と呼ばれるタイプの物質が、トロンボキサン合成酵素の働きを受けることで、生成されます ということは、COXを阻害することで、トロンボキサンA2の生成を抑制し、血栓を防ぐことが出来そうですよね?
2015-10-01 20:13:18そこで、NSAIDsの一種であるアスピリンを抗血小板作用を期待して使うことがあります! ところが、この時は解熱鎮痛剤として使う時よりも低用量で使う必要があります……! なんとアスピリンは、少ない量では抗血小板作用を持ちますが、多い量では抗血小板作用が期待できないとされています
2015-10-01 20:18:13びっくりですよね……大量に投与しないと効き目が出ないなら分かりますが、少量でないと効き目が出ないなんてこともあるんです アスピリンの抗血小板作用と用量の不思議な関係のことを、アスピリンジレンマと呼びます
2015-10-01 20:22:09なぜ低用量で使わなくてはいけないのでしょう? まずアスピリンはCOXを不可逆的に阻害するため、一度アスピリンに阻害された酵素は阻害されっぱなしになります そして、血小板は新たに酵素を作ることができないので、阻害されたCOXが増えたからと、代わりのCOXを量産することはできません
2015-10-01 20:25:45そして、血管の内側の細胞にもCOXが存在しており、プロスタグランジンI2(12ではなく、あいつーです)という物質を作っているのですが、この物質にはトロンボキサンA2と逆の作用、つまり血小板が集まるのを抑制する作用があります
2015-10-01 20:29:17