A-10 ―その血の運命― (書きかけ記事 10/8更新)

A-10ってどういう機体なの? 訂正事項 タングステン芯徹甲弾→劣化ウラン芯徹甲弾
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private_tom @private_tom4523

しかし、その窮地を救ったのが1990/8/2のクウェート侵攻に端を発する湾岸戦争である。 ここでA-10Aは8775ソーティ(出撃回数)、OA-10Aも656ソーティをこなし、AAA、SAM、レーダーサイト、を含む多数の地上目標を撃破せしめた。

2015-10-01 23:16:33
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戦車900両以上、車両約2000両、対空火器約1200基を破壊したA-10。 これを再評価したアメリカ軍は凍結させていたA-10AにLASTE改修プログラムを復活させ、自動操縦装置や電波高度計、精密爆撃コンピュータなどが追加された。 また暗視ゴーグルへの対応が可能になった。

2015-10-01 23:23:59
private_tom @private_tom4523

さらに1994年、A/OA-10Aは寿命延長改修を実施。 1999年にはPEP改修が行われ、大幅に戦闘能力が向上。 そしてこのPEP改修機が現在でも空を飛んでいるA/OA-10Cである。 C型のの有効性が確認されると、また寿命延長改修が行われ2028年まで飛行することとなった。

2015-10-01 23:30:39
private_tom @private_tom4523

A-10の装備。 A-10は非常に多くの装備品をつけることが可能である。 さらに大口径の30mmガトリング砲まで付いているんだから向かうところ敵なしである。 ところで、A-10はどのように爆装をするのだろうか。 pic.twitter.com/cmwEtsSzHy

2015-10-01 23:38:58
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private_tom @private_tom4523

まず基本的な部分、A-10の爆装ステーション(Sta)は11個存在し、対面から見て右から1,2,3と数えていく。 もちろん中心線に6番Staが来る。 この内、増槽を装着可能なウェットステーションは機体の頑丈な部分である4,6,8番。 pic.twitter.com/w9p9rbneRf

2015-10-01 23:48:55
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private_tom @private_tom4523

A-10は600ガロン(約2271リットル)の増槽を使用する。 Sta6に1本、またはSta4,8の2本という構成が普通だ。 なお、600ガロンもの増槽はかなり空気抵抗に難があるらしく、爆弾のように羽が付いている。 爆弾と間違えやすい pic.twitter.com/Zc07MCI4hq

2015-10-01 23:53:52
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各Staには最大許容重量がある。 Sta,1/11 1000lb(ポンド) Sta,2/10 1000lb Sta,3/9 2500lb Sta,4/8 3500lb Sta,5/7 3500lb Sta,6 5000lb pic.twitter.com/FEtLOoYJpz

2015-10-02 00:03:29
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private_tom @private_tom4523

翼の先が重量制限が厳しくなり、胴体付近は重量物に耐えられるようになる。 この他にも爆装Staの間隔の都合によって、Sta,5,6,7は制約の激しい箇所になりやすい。 これをすべて無視した場合、最大で28,000lb(12,701kg)の爆装が可能というのが恐ろしい所だ。

2015-10-02 00:09:33
private_tom @private_tom4523

そしてA-10最大の武器といえば30mm GAU-8ガトリング砲であろう。 砲身長2.88m、全長6.06m、システムのみで890kgに達する化け物である。 ここに弾薬を搭載した場合、最大で1828kgにまで膨れ上がるのだ。 pic.twitter.com/ksHhWR0EH1

2015-10-02 00:21:32
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private_tom @private_tom4523

搭載弾数は最大1350発であるが、この場合給弾不良が起きやすくなるため通常は1174発を搭載している 弾種はPGU-13/B,14/B,15/Bの3種類。 順に高性能炸薬焼夷弾、劣化ウラン芯徹甲焼夷弾、訓練弾。 これを14/Bを5発につき13/Bを1発のコンバットミックスされる。

2015-10-02 15:51:30
private_tom @private_tom4523

基本的に30mm GAU-8は軟目標や装甲車に対して使用される。 戦車やトーチカに対する攻撃は自由落下爆弾、JDAM、マヴェリックミサイルを使用する。 pic.twitter.com/KOk67zApUZ

2015-10-08 18:28:23
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private_tom @private_tom4523

30mm GAU-8での攻撃方法。 尾根などの地形に隠れるように抵抗で飛行し、機種を引き起こし尾根を越えたのち対気速度250ノット、30度の角度で降下しながら機関砲で射撃。 敵の対空車両の有効射程範囲に入る前に反転して離脱する。 また僚機は別方向から接近し対空車両をかく乱する。

2015-10-08 18:32:16
private_tom @private_tom4523

またA-10のHUDは30mm GAU-8用の照準点は41mil(2.35度)の俯角を取るようにセットされており、降下角度30度の時に最も正確になるようにされている。 GAU-8は命中率が高く、1000m先の直径5mの円に対して2秒間に140発を撃ち込み80%が命中する。

2015-10-08 18:39:13
private_tom @private_tom4523

標準的な射撃戦術では、2機のA-10が低空を半径4000フィートで旋回し、交互に1秒間(60~70発)ずつ射撃を行う。 旧来のGAU-8はエンジンからの油圧系統を使用した2基のモーターを使用し2100発/分と4200発/分の2種類のモードが存在した。

2015-10-08 18:43:56
private_tom @private_tom4523

低速発射は右エンジンの油圧系統から1基のモーターを使用し、高速発射の場合は左右エンジンから2基のモーターという形であった。 しかし、この場合右エンジンの油圧系統が機能停止に陥ると、GAU-8が機能しなくなる問題があった。

2015-10-08 18:48:28
private_tom @private_tom4523

これを踏まえ、左右エンジンの油圧系統で2基のモーターによる駆動で3900発/分の固定発射率に変更された。

2015-10-08 18:49:53
private_tom @private_tom4523

30mm PGU-14/Bはタングステン芯徹甲弾であり、自動的に焼夷機能を持つのでAPI(鉄鋼焼夷弾)に分類される。 APIをA-10が前述の戦術で発射した場合、2000フィート(610m)の射距離において77mmの均質圧延装甲鋼板を貫通する。 10,000フィートでは20mm。

2015-10-08 19:05:54
private_tom @private_tom4523

この威力は現代のMBTに対しては力不足であるが、背面や後面、上面の装甲であれば撃ち抜くことは可能だ。

2015-10-08 19:07:51
private_tom @private_tom4523

機関砲以外の武装は様々である。 AGM-65マベリック(空対地誘導ミサイル) Mk.80シリーズ(自由落下爆弾) (E)GBU-10~24 ペイブウェイⅡ&Ⅲ(レーザー誘導弾) GBU-31~38 JDAM(GPS誘導弾) 続

2015-10-08 19:17:57
private_tom @private_tom4523

GBU-54~56 LJDAM(レーザー誘導装置付JDAM) GBU-39 SDB(左) (新開発のスマート爆弾、A-10への搭載が見込まれる) GBU-53/B SDBⅡ(右) (GBU-39の発展型、同じく搭載が見込まれている) pic.twitter.com/iGGp1ibWtb

2015-10-08 19:25:09
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private_tom @private_tom4523

CBU-99/-100(クラスター爆弾) CBU-87B(複合効果弾薬搭載クラスター爆弾) CBU-97/B(youtu.be/bDXaMeT14IQ?t=…) (クラスター自己鍛造弾、車両の天板に自己鍛造弾を撃ち込む) CBU-103/-105 (-87B/-97Bの改良型)

2015-10-08 19:43:27
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private_tom @private_tom4523

ハイドラ70(左) (ロケットポッド、空軍正式名称LAU-130/A,-131/A、弾頭の種類は省略) AIM-9L/Mサイドワインダー(右) (空対空ミサイル、A-10の場合ミサイル自体の赤外線シーカーに依存、自衛火器) pic.twitter.com/V74eUxRcqM

2015-10-08 20:02:59
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private_tom @private_tom4523

AN/ALQ-119/-131/-184(ECMポッド) AN/AAQ-28ライトニング(画像) (航法・目標支持ポッド、夜間低高度航法ポッドと目標指示赤外線ポッドを統合したもの) pic.twitter.com/ekWcAqTe3E

2015-10-08 20:15:46
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private_tom @private_tom4523

AN/AAQ-33スナイパーXRポッド(画像) (2001年に採用された先進目標指示ポッド、多機能多目的で費用対効果に優れる) 余談: 2010/10/20にはセンサー能力向上計画に選ばれる、F-35にこの技術の一部が搭載される。 pic.twitter.com/jJAfg1HtXN

2015-10-08 20:22:59
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private_tom @private_tom4523

すごい装備だA-10、じゃあ次はマベリックミサイルのお話。

2015-10-08 20:23:46