『スエズ鎮守府VSラブホテル鎮守府合同演習～変態の夏、パンツの夏～』その５

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

「それにほら、俺と一緒に部屋に行こうったって無駄だぞ。先に望月が戻って寝てるし」 「ちっ」 露骨に舌打ちするな。いちおう、望月はお前のこと友達だなんて言ってたんだぞ。 「確かにお友達ですけど、恭介さんについては別件です」 「そんなもんか」 「そういうものですっ」 #スエズ鎮守府

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「というか、恭介さんこそ、もっと三角関係の中にいる自覚をですね」 「知ってるだろ、苦手なんだよそういうの」 「んもう……」 そう言って頬を膨らませつつ、彼女は俺の右腕に抱きついてくる。 「そういえば……初めて出会った時、恭介さんはこっちの肩に大怪我してましたよね」 #スエズ鎮守府

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「右の肩と膝にな。ずいぶん良くなったけど、それでも大怪我だった」 「……その傷が小さくなるくらい長い間、わたしはあなたとは離れ離れでした」 そう言うと、彼女は普段とは違う真摯な目で俺を見上げる。 「だから、今度ゆっくりお話を聞かせてくださいね」 「話？」 #スエズ鎮守府

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俺が首をかしげると、龍鳳は頷く。 「あんな冷たく悲しそうな目をしていた恭介さんが、望月さんと出会って何が変わったのか。2人でここに来るまで、何を見てきたのか。わたし、もっと知りたいんです。恭介さんのこと、望月さんのこと……2人のこと、もっと」 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

「そ・れ・に」 そこまで言って、彼女はふっと表情を崩した。 「不公平です。ずるいです」 「ずるいとは」 「だって、わたしが大鯨として佐世保でひどい目にあってた時に、恭介さんと望月さんが仲睦まじくしてたと思うと……その経験くらい共有しておかないと納得できませんっ」 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

「結局そういうことか……」 「当然ですっ。わたし、そういう事しか考えてません」 胸を張るな、胸が当たる。 「でも……」 「うん？」 「約束してくださいね。2人の間に何かつらいことや悲しいことがあったら、わたしも一緒に支えますから」 微笑みながら、龍鳳は左手を翳す。 #スエズ鎮守府

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「わたしだって、恭介さんと強い絆で結ばれてるんですからっ」 「……」 「そんな顔してどうしました？ えぇっ、わたし変なこと言っちゃったかしら……」 いや、そういう事じゃなくてな。 「面と向かって言われると、なんつーか……まぁいいや」 サナらしいと言えばサナらしい。 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

「……ところで龍鳳よ」 「なんでしょうか？」 「何故、腕に抱きついたまま俺を先導する。そっちはお前の部屋だろう」 「……？」 小首を傾げるな、分かってやってるくせに。 つーか、こいつ……さては昨日から何にも反省してねぇな。 #スエズ鎮守府

高峯みやび @sukamelancholy

朝食後の談話室。そこでは叢雲と望月、そして早霜がテレビの前に並んで座り、ゲームをしている。 「いやーやっぱカーチャンいい趣味してるわ」 「誰がカーチャンよ」 「空中コンボ……ふふふ……」 「だってさ、パーティゲームないのって聞いて出してきたのがガーヒーだし」 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

「何よ、不満？」 しかし望月はくく、と笑う。 「いんや、あたしもこういうのがいいよ。スエズじゃこういうのも中々やれないんだよ。サターン版のガーディアンヒーローズなんて」 「骸骨さん……殲滅してくださいね……ふふふ……」 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

「明日にはまたスエズに戻るんでしょう。なんならお土産に何本か持ってっていいわよ」 「マジで！？　カーチャン大好き」 「だから誰がカーチャンよ」 「頂きます」 「ちょっと早霜！　アンタかすり傷なのに回復アイテム取るんじゃないわよ！」 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

一方同じ談話室で、二人の龍鳳がソファで話し込んでいた。昨晩戦った二人ではあるが、やはり同じ龍鳳同士で共感出来るところがあるようだ。 「やっぱり、朝の一番を頂くと嬉しいんですよね」 「わかりますぅ！　恭介さんの一番搾り……ぽっ」 勿論、下ネタ的な意味で。 #変態不知火さん

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「あっ、でも」 何かに気付いたラブホテルの龍鳳、龍歌は手を合わせる。 「サナさんは味わった事ないんですよね。処女ですし」 「ぐみゅううううっ！！」 精神攻撃で負けた腹いせをする龍歌に段々サナは羨ましさで涙が出てくる。 「何故なの……同じ龍鳳なのにぃ……」 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

「昨日もチャンスはあったんでしょう？」 「ありましたよぉ……すっごいチャンスで、予想外のアクシデントでしたけど、これで既成事実を手に入れて私が正妻っ♥　だったのに……」 「チャンスを不意にしちゃったんですね」 肩をがっくり落とすサナの頭を撫で、慰める龍歌。 #変態不知火さん

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「むしろ龍歌さんはどうやって卒業できたんですかぁ……」 恨めしげに唇を尖らせるサナに、龍歌は待ってましたとばかりにその日の初夜を(誇張表現含む)語る。 「……という夜だったんです。とても、満たされて……ふふ」 「ぐやじいでずぅぅ！！」 床をどんどん叩くサナ。 #変態不知火さん

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「神代大佐も不思議なお方ですよね。龍鳳の身体はとても男性のニーズに応えられるような身体なのに」 「そうなんですよぅ！　裸エプロンで新妻プレイも、バブみを満たす為の搾乳プレイだって出来るのに、お尻だって自信ありますから、いつだってもみもみされたいのにぃぃっ」 #変態不知火さん

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サナのやりたいプレイに龍歌もうんうんと頷いて同意する。 「朝の目覚ましパイズリとか」 「やりたいですっ。いつもバナナで練習してるのにぃ」 「素股やお尻コキとか」 「ああっ、いいですねぇ。オーラルなプレイも」 「まぁ全部やりましたけど」 「んぐみゅうううう！！」 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

「……ぬ゛い゛」 この鎮守府に到着してから、聞くに堪えない下ネタだらけで、スエズの落ち度のなさに定評のある不知火はげっそりとしながら談話室の前で壁によりかかっていた。 「こ、こんな下品な場所……不知火には、もう、耐えられ゛ぬ゛い゛……」 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

まず寝泊まりする部屋に磔のセット、さらに三角木馬、大きさの異なるバイブレーターなどが揃っているようなSMチックな部屋に割り当てられただけでもう不知火には耐えられない。一体この部屋でラブホテルの提督は何をしているのか。想像するだけで涙腺が刺激され視界が歪む。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

さらに極めつけはこの鎮守府の第一秘書艦である。 あれは、あれはなんなのだ。 自分と同じ容姿、自分と同じ声で何をやって、何を口走っているのか。 スエズの不知火には全く理解出来ない。落ち度のない不知火が不知火たりえるのではないか。自分の理想とはかけ離れている。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

兎に角この場に居ては、あの二人の龍鳳の生々しい話を聞いてしまう。既に不知火のキャパシティは突破しておりオーバーヒート寸前である。何処かに休める場所を。 「そこまでですっ！」 そんな不知火をかばうかのように、ある人物が二人の龍鳳に待ったをかけた。 秋月であった。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

「お二方！　そのお話、公衆の面前でお話するような内容ではありません！　他にもスエズの皆さんがいらっしゃいます。ですからそのようなお話は慎んで──」 ラブホテル鎮守府唯一の風紀委員、秋月はびしっと指を差して堂々と宣言する。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

「え？　どのお話です？」 龍歌は首をかしげ、さらにサナも続く。 「私が恭介さんの雁首に舌を這わせたいお話ですか？」 「うぐ」 「誠士郎さんに両手を捕まれて後ろから露出立ちバックのお話ですか？」 「うっ、う……」 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

「どれですか？」 「私と龍歌さんにしっかり、“どのお話がダメなのか”教えてくださいっ」 指を差した状態のまま、秋月はフリーズする。それを見守っていた不知火はここは共に戦った戦友を援護すべく助太刀しようと飛び出した。 「秋月さん、負けないで。不知火がついています」 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

「あっ……不知火、さん」 「共に、戦いましょう。風紀の為に」 秋月の手を握り、しっかりと頷く不知火。 そんな様子を見ていた龍歌とサナは顔を見合わせて、 「ではお尋ねしますが──」 「あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁんっ！！」 「ぬ゛い゛い゛い゛いぃぃっ！！」 そして敗北。 #変態不知火さん