【2014.2公表 気象庁 気象研究所 環境における人工放射能の研究 2013】についてのメモ

個人的なメモ ぜひ原本にあたってくださいm(_ _)m
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内田 @uchida_kawasaki

続) Fig. 1に示されるように1954年から福島原発事故以前についての単純な 137Cs降下量積算は,おおよそ 7 kBq/m2である

2015-10-07 20:23:33
内田 @uchida_kawasaki

続)福島第一原発事故は単一事象としてこの数倍,また 137Cs の放射壊変を考慮した現存量(およそ 2 kBq/m2)と比較したときには10倍強の量をもたらした。

2015-10-07 20:24:17
内田 @uchida_kawasaki

続)これに加えて 134Cs(半減期 2.1年)がほぼ同量降下しており,両核種併せておよそ 50 kBq/m2を超える地表面汚染である。

2015-10-07 20:24:31
内田 @uchida_kawasaki

続)この値は,文部科学省による航空機マッピングによるつくば市周辺の値5)とほぼ整合する。その後の降下量は急速に低下してきたが,2005-2010 年における 137Cs 降下量は1.2-97 mBq/m2/月の範囲で6),

2015-10-07 20:25:19
内田 @uchida_kawasaki

続) 2012年における降下量は 8-36 Bq/m2/月の範囲であり,依然として3~4桁の差がある。

2015-10-07 20:31:18
内田 @uchida_kawasaki

続) 2012年末のこの降下量水準は,中国大気圏核実験がおこなわれていた 1970年代~1980年代前半の水準に匹敵する。また,事故直後とは異り,2012年における降下量水準の低下は緩やかなものとなっている。

2015-10-07 20:31:33

内田 @uchida_kawasaki

3.2) 90Sr 大気降下量の変動と推移 pic.twitter.com/rpeMrDOwfs

2015-10-07 20:39:09
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内田 @uchida_kawasaki

引用 他方,2011年3月の 90Sr降下量は4.4±0.1 Bq/m2であり, 同月の 137Cs降下量の約1/5,000だった。 この降下量水準は, 震災前の水準からすると2~3桁大きい

2015-10-07 20:41:59
内田 @uchida_kawasaki

続)2011年全体では 90Sr降下量は10.6 Bq/m2/年であり,137Cs降下量の約 1/2,500 の量であった。したがって,90Srによる関東地方の汚染は比較的軽微であったと言うことができ,90Sr の環境影響や健康影響は放射性Cs に比べ相対的に小さいと推定される。

2015-10-07 20:42:54
内田 @uchida_kawasaki

続)このほか,分析が終了した 2012年前半までのデータでは, 137Cs/90Sr 放射能比は約400~5,000 の間で変動し,放射性Srによる汚染の度合いが放射性 Cs に比し相対的に小さいことが確認できる。

2015-10-07 20:43:23
内田 @uchida_kawasaki

続)ただ,何故に 137Cs /90Sr 放射能比が一定とならないのかは上明であり,原因を引き続き考慮・検討している。

2015-10-07 20:43:55
内田 @uchida_kawasaki

続 福島第一原発事故前後の対比では 2005-2010年における 90Sr降下量は 0.5-19 mBq/m2/月の範囲6)であるのに対して,2012年における降下量は,10-31 mBq/m2/月の範囲であり,依然として1~2桁は高い水準にある。

2015-10-07 20:44:31

内田 @uchida_kawasaki

3.3) 137Cs 大気降下量の複数成分と降下量減少 pic.twitter.com/aKTK0aRlZJ

2015-10-07 20:49:49
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内田 @uchida_kawasaki

続) 福島第一原発事故由来の大気中の 137Cs の減少傾向について調べるため,事故後の 137Cs月間降下量に対してその減少をカーブフィットした。

2015-10-07 20:53:56
内田 @uchida_kawasaki

続)フィッティングには図化ソフトのKaleida Graph を利用し,計算結果が発散しないように初期値を適宜修整しながらフィッティングを数十~百回程度繰り返して収束した結果を Fig. 3 に示した。

2015-10-07 20:54:23
内田 @uchida_kawasaki

続)フィッティングには3項の指数関数(e-k・t)を用いたが,其々の減少半減期は,およそ 6 (±11%)日,17 (±18%)日,1.2 (±62%)年となり(相対誤差を()内に示した) ,それぞれ福島第一原発(一次放出源)における事故当初の放出量の減少,

2015-10-07 20:55:15
内田 @uchida_kawasaki

続)放射性プリュームの対流圏輸送・拡散過程における減少(大気からの除去に相当)7),再浮遊発生源(二次発生源)における発生量の減少に相当する値を得たと考えられる。

2015-10-07 20:55:27
内田 @uchida_kawasaki

続)福島第一原発は周辺環境から隔離されている訳ではないため,大気へのある程度の放射性物質の放出(一次放出)は継続していると推定されるため,これらの減少半減期は一次放出の影響を全く受けていないとは断言できない。

2015-10-07 20:55:57
内田 @uchida_kawasaki

続) しかしながら,第3項目の 1.2 年の減少半減期(相対誤差は大きいが)は,福島第一原発からの一次放出の半減期とするには長期過ぎるし,エアロゾルの対流圏大気からの除去に関する減少半減期7)としても妥当ではない。

2015-10-07 20:56:45
内田 @uchida_kawasaki

続)また,ここでは図示しないが 90Sr 降下量の減少にやはり3項の指数関数によるフィッティングを試みたところ,減少時間の値は異なるが、カーブフィッティングが可能であった。

2015-10-07 20:57:18
内田 @uchida_kawasaki

続)従って,福島第一原発事故由来の放射性核種の降下量に対する3項の指数関数によるフィッティングには一定の合理性があり,第3項目の減少半減期は,再浮遊(二次放出)過程全般における減少傾向を一定程度反映していると考えてよいであろう。

2015-10-07 20:57:56

内田 @uchida_kawasaki

3.まとめと今後に向けて 福島第一原発事故から約二年にわたる茨城県つくば市の気象研究所における 90Sr および137Cs の月間降下量(大気降下物)観測の結果について報告した。

2015-10-08 02:40:13