「虚構」と「現実」の力関係から見るミステリの評価軸のシフト(私的観察に基づく「高度経済成長期」との関連)

「読者層」の意識の変容によるミステリの潮流の見直しについて( http://togetter.com/li/882575 )を私的観察から補足
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じねん @jinensai

70年代に秋野暢子さんが電車の中で『赤い運命』の役柄と現実を混同されたエピソードが有名だが、受容する側も80年代の世知辛い現実にしらけてしまうと「現実」と「虚構」をさすがに混同しなくなる。『匣の中の失楽』でイニングで入れ換わっていた虚実は最初から「虚構」で描かれるようになる。

2015-10-12 15:25:55
じねん @jinensai

トリックなり企みなりが成立することを最優先とする世界観造形で今日はその流れの延長上と言えるだろう。問題があるとすれば作り手側の都合も最優先されてしまうことで、ともすれば読者を置き去りにしてしまいがちである。これは作者と読者の「共有」が既存のミステリにおんぶにだっこな状態でもある。

2015-10-12 15:33:36
じねん @jinensai

新しい可能性を模索するならば既存の「共有」に依存するより、新たな関係性を「提案」していく方向性が望ましいというのが現在の私のスタンスであり、産みの苦しみ自体を楽しんでいるといったところなのだろう。

2015-10-12 15:38:12
じねん @jinensai

「日常の謎」について付言しておくと、世知辛くて詰まらないと認識された「現実」の中に、それは思い込みによる思考停止に過ぎず、こんなワンダーランドが存在しているのだという可能性を示しているといえよう。むしろ「思考したい」というヒトの潜在欲求に訴える力はあからさまな殺人より遥かに強い。

2015-10-12 17:57:03