#お好み焼き屋浜風 まとめ５【艦これSS】

紅吏珠名 @chrishna_c2

「マタ来ル　首ヲ洗ッテ　待ッテイロ」 微妙にニュアンスが違ってそうな言葉を言い残し、谷風焼きの残りをぺろりと平らげたヲ級さんは、お代がわりの綺麗な貝殻や鉱物をレジに置き、妙に納得した様子で店をあとにしました。 谷風焼き、少しくらいは残していてほしかったです。 #お好み焼き屋浜風

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「ようやく見つけたわ空母ヲ級！　いまこそ年貢の納め時。この補給と整備を済ませた川内さんが……」 「心配スルナ――」 「……へ？」 「用ハ済ンダ　アトハ　帰ルダケ」 「え、あ……うん。おつかれさま」（あれ？　あの包みは浜風ちゃんのお店のお好み焼き……？） #お好み焼き屋浜風

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――数日後。とある深海棲艦の伯地にて。 「ヲ級　ナニヲ　シテイル？」 「北方棲姫カ　最近オボエタ食事ヲ　作ッテイタ　食ウカ？」 「タベタイ！」 「ナラ　タント食エ」 #お好み焼き屋浜風

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「ハムハム　モグモグ　……」 「――ドウダ？」 「オイシイ　モウ一枚タベタイ」 「残念ダガ　ミンナノ分モアル　マタ今度ダ」 「ワカッタ　ガンバッテ　鎮守府ヲ　ヤッツケル」 「ソウダナ　今度コソ　アイツラヲ　探シダス」 #お好み焼き屋浜風

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「料理の味こそ、万国共通の肉体言語やで！」 開店一番かきいれ時にもかかわらず。龍驤さんこと板が、お店の厨房を陣取ってお客さん達の前でなにやら熱く語っていました。 #お好み焼き屋浜風

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「料理を通じて語り合う。それはうちら料理人が料理を作って、お客さん達と会話することに他ならないっちゅーわけや……！」 料理の世界に敵性言語も何もありません。そこにはただ味の広がりがあるだけ。 最も、広島風お好み焼きと関西風お好み焼きの論争を除いては。ですが #お好み焼き屋浜風

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ただ、ここは広島風お好み焼きのお店なのに、この板はちょっと目を離すとすぐに関西風お好み焼きを作ってしまうので私はこうして彼女の隣で目を光らせているというわけですが。 #お好み焼き屋浜風

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「料理を作ることって、とても尊いことだったのですね」 「せやせや。自分が好きな食べ物を作って、それが相手にも喜んで好きになってもらえるなんて最高やんか」 なるほど、確かにそうですね。 #お好み焼き屋浜風

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先日飛び入りでやってきたヲ級さんとの件もあります。 お客さん達とし比べるのは例えが違う気もしますが。私たち艦娘と深海棲艦が分かり合える日はやって来るのでしょうか。 そんな日が、いつか本当にやってくるといいのですが。 #お好み焼き屋浜風

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「うちからのサービスや！　今日は全部うちのおごりや！　じゃんじゃん食ったってやー！」 店長の私に断りもなく言い放った大胆発言に、お客さん達から歓声が沸き起こります。 仕方ありません。今日のお客さん達の食事代は、今月のお給料から引いておくことにしましょう。 #お好み焼き屋浜風

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そんな熱い想いを語っていた龍驤さんが、まさかあんなことになってしまうなんて。 この頃の私には、そして彼女自身にも想像できなかったのです。 #お好み焼き屋浜風

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「妙高姐さん。改二決定おめでとうございます」 「ありがとう。とてもうれしいわ」 初風だけど。 訓練を重ねに重ね、新たに強化改造することになった妙高姉さん。 姉さんはそれ以上何も言わず、私の頭の上にポンと掌を置いて、わしゃわしゃと撫でてくれた。 #お好み焼き屋浜風

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ブーゲンビルで妙高姉さんとぶつかって、艦首をばっさり切断……で、航行不能になったところを集中砲火くらって……あんなことがあったのに、姉さんに頭を撫でられて、ふわふわしてる私がいる。不思議な感じ。 こんな事を面と向かって言ったら、妙高姉さんに笑われるかしら？ #お好み焼き屋浜風

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「そういえば私の妹がやってるお好み焼きのお店があるの。心ばかりのお祝いだけど、記念に食事に招待させてもらうわ」 「ありがとう。那智、足柄、羽黒。この子が美味しいものをごちそうしてくれるそうよ」 「ちょ、ちょ、妙高姉さん？」 #お好み焼き屋浜風

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≪艦娘食事中≫ #お好み焼き屋浜風

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「しめて２万とんで９８６円になりますね」 ……怖い……怖すぎる妙高姉さん……。 #お好み焼き屋浜風

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「なぁ陽炎型13番艦。私はどうしても腑に落ちないことがあるんだ」 カウンター席の真正面に座り、グラスに注いだお冷を揺らしながら、神妙な面持ちをして日向さんは言いました。 #お好み焼き屋浜風

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「たとえばソノブイとアスロックがあれば敵潜水艦など一網打尽だな？　提督はどうして、あれを採用しないんだろうな」 #お好み焼き屋浜風

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名前通りブイの形をしたソナーであるソノブイ。追尾性能を備えた対潜ミサイルのアスロック。どちらも最新の技術を駆使して開発された対潜装備であり、聴音機や爆雷よりもこちらを使うほうがより効果が高まるだろうことは私にもわかります。 #お好み焼き屋浜風

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「どうなのでしょう。敵に対する技術漏洩を防ぐための措置とか？」 「それはないだろう。これまでやつらが壊滅させてきた施設には、軍事施設や研究施設も含まれていた……が、やつらはそれらを一切持ち帰ることなく、ただただ跡形もなく破壊するだけだったという」 #お好み焼き屋浜風

紅吏珠名 @chrishna_c2

四航戦の航空戦艦・日向さんはこういったお話が大好きみたいです。 ただ鎮守府の機密事項に関わる話を、一般のお客さんが多くいらっしゃる店内で包み隠さず話すのはどうなのでしょう。 #お好み焼き屋浜風