2015.10.13国際報道プロジェクト(IRP）報告「国家神道の復活を目指す日本の安倍首相」全文

💫T.Katsumi @tkatsumi06j

#国家神道 23.また『神道政治連盟』は、戦犯を含む戦没者を祀る靖国神社にかつての特別な地位を取り戻させることを目指している。 「戦後の社会では、戦前のすべてが悪かったという風潮が当たり前になりました」 『連盟』の事務局長を務める湯澤豊氏は昨年12月、ロイターにこう語った。

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#国家神道 24.「皇室と市民との関係を脆弱化させる政策がとられ、我が国の歴史の中でもっとも根源的なことが学校で教えられなくなりました」神道政治連盟の湯澤豊事務局長 『連盟』側は、本紙の再三の取材要請にもかかわらず、これを全て断った。

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#国家神道 25.『連盟』と密接な関係を持つ日本全国8万の神社を統括する『神社本庁』のスポークスマンである岩橋克二（いわはしかつじ）氏は、「日本の過去を再評価すべき時がきている」と語る。

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#国家神道 26.『神社本庁』の岩橋氏は、「明治維新の後でも、よいことは沢山ありました」と、封建的な農村社会から、19世紀には工業国となった歴史を振り返る。 「ただ日本が戦争に負けたからといって、日本が悪く、邪悪であったとするのは建設的ではありません」

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#国家神道 27.強まる影響力 東京の國學院大学で神道学を教える井上順孝教授は、安倍氏やその支持者たちが「どこからどこまでの過去を復活させようとしているのか定かでない」と語る。

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#国家神道 28.ただ、その前身に比べ、国粋主義を推進する『連盟』や『日本会議』等の類似組織が安倍政権に対する圧倒的な影響力を有していることは確実であると教授は語る。 「これらの組織は長い間政治的な活動を続けてきた。彼らの影響力が増大したのは、安倍が彼らに支援を仰いだからです」

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#国家神道 29.この支援が功を奏し、『連盟』やその共闘組織は教育の場において確固たる地位を築くことができた。これを後押ししたのが、愛国的価値を教育に浸透させるべく活動している『日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会』の会長を務める古屋氏のような若手の保守政治家だ。

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#国家神道 30.『日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会』は、何十年もの歳月に渡り「自虐的歴史観」を学生たちに植え付けてきた教育により浸食されてきた日本国民の誇りを取り戻すためにも、教育システムの改革が必要であると主張している。

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#国家神道 31.『若手議員の会』のメンバーは、中国政府が公式に発表した1937年の南京大虐殺において生じたとされる犠牲者数の30万人は虚偽であるとし、中国や韓国で性的奉仕を強制されたいわゆる従軍慰安婦についても、日本軍が強制に直接的な役割を担った証拠はないと否定している。

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#国家神道 32.『若手議員の会』は今夏、全国各所の教育委員会に対して、戦時中の日本の行動に悪印象を与える記述を削除した新しい歴史教科書を採用する運動を始めた。

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#国家神道 33.『若手議員の会』が推進したこの運動は徐々に成功を納めており、 先月は31の学区と14の都道府県において中高の歴史教科書に「より保守的な」教科書を採用することが決定された。４年前、この数字は23学区、11都道府県だった。

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#国家神道 34.こうした成果は、今年１月、安倍氏が「日本の戦時中の行動に対する誤った見方」を正す必要があると約束した結果もたらされた。しかし、歴史問題は東アジアで未解決の問題である。

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#国家神道 35.二十世紀中、日本の侵略戦争の被害を受けた中国や韓国からすれば、安倍氏やその周辺の支持者らは日本の戦時中の悪行を隠そうとする歴史修正主義者にしか映らない。

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#国家神道 36.安倍政権を批判する者は、新しい歴史教科書問題は、日本を７０年ものあいだ平和国家たらしめた反戦のメッセージを弱めてしまうと警告する。しかし古屋氏のような政権の支持者は、 若者に新たな愛国心を植え付けるためにも必要だと主張する。

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#国家神道 37.「だからといって、国粋主義を育てようとしているわけではありません。国の歴史を正しく理解し、国に対する尊敬の念を抱くのは、ごく自然なことだと思います」と、古屋氏は語る。

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#国家神道 38.神秘に包まれた伊勢大神宮 伊勢大神宮は、木々に埋もれた広大な施設で、東京から南西に200キロ程離れた太平洋沿岸に近い三重県に所在する。皇室の直系の先祖であるといわれる、古代の神で神道の主要な神々の一人である太陽神天照大御神がその聖所に奉られている。

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#国家神道 39.天照大御神の物語は強力な伝承として伝わり、毎年数百万もの参拝客を呼び込む。安倍首相は、この神秘の体験を世界の指導者らと共有したいとい考えている。

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#国家神道 40.「世界の指導者の皆様がたに、日本の自然の美しさや文化、伝統の豊かさを肌身で感じてほしいと願っています」 G7サミットの開催地を発表した会見で、安倍首相はこのように述べた。

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#国家神道 41.実は、三重県知事は、今年８月にサミット開催地の誘致申し入れ期限が切れた時、申入れすらしていなかった。当時、もっとも有望視されていたのは広島市や、東日本大震災で地震や津波に被災し多大な被害を被った仙台市だった。しかし間もなく、首相には別の考えがあることが判明した。

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#国家神道 42.国内の報道によると、昨年12月、官邸のスタッフが三重県知事に連絡を入れ、誘致申入を促したという。そして1月21日、安倍首相が新年を祝いに伊勢に参拝に訪れたそのわずか数週間後、志摩の開催候補入りが発表された。そして6月5日には、伊勢・志摩の開催地当選が発表された。

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#国家神道 43.実際のサミットは、志摩の沿岸にある島で開催される。だが安倍氏は、こよなく愛する伊勢大神宮の宣伝を怠らない。開催地を『伊勢・志摩・としたのは、そのためだと思われる。 pic.twitter.com/i68lGnqs7n

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#国家神道 44.前出の國學院大の井上教授はこう語った。 「どの国にも神話はあります。日本人にとって、過去に何があったにせよ、神話は特別な思いを起こさせるものなのです」 -- 国際報道プロジェクト（IRP）の日本フェローとしてマイケル・ホルツ氏が報告。

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#国家神道 【補足】1. IRPとは：国際報告プロジェクト（International Reporting Project）は米国ジョンホプキンス大学ポール・ニッツエ高等国際関係大学院（SAIS）が主導する国際調査報道プロジェクトである。

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#国家神道 【補足】2. IRPは、既存のメディアでは網羅されない事実を発掘・調査し報じるために各国のジャーナリストを支援する目的で1998年に設立され、100か国に500名以上のジャーナリストを派遣している。internationalreportingproject.org/about

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#国家神道 【補足】完. マイケル・ホルツ（Michael Holtz）氏は米クリスチャン・サイエンス・モニター（CSM）紙から報道フェローとしてプロジェクトに参画。2015年から日本に赴任しており、本稿が赴任後初の記事となる。 internationalreportingproject.org/fellows-editor…