「カラテとは他者の拒絶である」という定式の上に

ニンジャスレイヤーにおける広義の「カラテ」概念から考察を広げて忍殺のテーマを妄想した。
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

両者は再び中央車線へと戻り、並走し、睨み合う。最後の心理戦だ。見えぬカラテが激突する。体力が限界へと近づく。熾烈なイクサである。……サイバネティクスが発展し、外見も、記憶すらも、もはや自己と他者の境界線を引く保証とはならぬ未来……そこではカラテこそが己を己たらしめるのだ! 65 

2014-05-28 15:57:36
腐れマーズ三等星 @p_pakira

「自己と他者の境界線を引く」のが忍殺における「カラテ」の広義の意味であるということから演繹して、「カラテ」とは「他者を拒絶する意志」であるというのが一部のヘッズの間で半ば共有された認識です。

2015-10-19 00:10:30
腐れマーズ三等星 @p_pakira

インストラクション・ワンは「力に力で対抗してはいけない=相手の得意分野で勝負するな」、つまり勝負の手綱を自分で握れということなわけだが、これを一言でいえば精神的な意味合いでの「カラテ」になるんだろう

2015-10-17 02:51:00
腐れマーズ三等星 @p_pakira

これってゼン・ストームが繰り返していた「奴らのゲームに乗るな!」にも相通ずるところがあるとは思いやせんか

2015-10-17 02:51:07
腐れマーズ三等星 @p_pakira

これと似たようなことをユンコは「どこかのファック野郎が勝手に決めたルールを、ニューロンの速度で書き換える!」と言ってるわけですね twitter.com/NJSLYR/status/…

2015-10-17 03:00:52
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「旧世紀の……遺産が!」社員が叫ぶ。「どこかのファック野郎が勝手に決めたルールを、ニューロンの速度で書き換える!」ユンコは聞く耳持たず制御スタンドアロンUNIXと直結し防壁を探る。そしてナンシーが残した武器を取り出す。闇ルートで入手した疫病入りフロッピー!オナタカミの滅び! 66

2015-07-08 03:50:10
腐れマーズ三等星 @p_pakira

〈カラテとは他者への拒絶である〉というのは一部のヘッズの間でまことしやかにささやかれている定式ですが、思い出してみればアコライト=サンの必殺技はまさに「拒否のハンマー」だったわけですよ

2015-10-17 03:01:17
腐れマーズ三等星 @p_pakira

こっからは考察ですが、これらが一体どう関係するかって言うと、忍殺世界における悪人というのはしばしば善人の顔をしてやってくるわけですね。例えばノシトのこれとかね twitter.com/NJSLYR/status/…

2015-10-17 03:03:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「要するにこうです」ノシトは『公正なゲーム』と書かれたフリップボードを卓上に置いた。強い説得力だ。大きい拍手が鳴る。「どうやら、非常に安心できる経済見通しです!」スモトリ司会者がスマイルした。ゲストコメンテータらも追随する。「エー……しかし、戦争による負荷は実際大きい……」 40

2014-04-26 00:16:40
腐れマーズ三等星 @p_pakira

他にも例えばヨロシサン。ラオモトの欺瞞に満ちた選挙演説。そういった笑顔で搾取しようとして来るクソったれどもに「ファック、ノー!」って言ってやれ、っていう力強いメッセージが作品全体に通底してるんじゃないかと思うんです

2015-10-17 03:08:55

ところで、デスドレインの話。

腐れマーズ三等星 @p_pakira

カラテこそが自己と他者を分かつものだということがマグロ・サンダーボルトで言われていたのだが、その反対に位置するのがデスドレインでありアンコクトンではないだろうか

2015-10-18 23:19:50
腐れマーズ三等星 @p_pakira

アンコクトンは無制限に他者を取り込み増殖していく。それはデスドレインから見たら、他者とひたすら同化していくことなのでは?アンコクトンはカラテで弾くこともできるし、デスドレイン本体は完全に非カラテ者でもある。とするとデスドレイン自身が反カラテ的な生き方をしているとお。

2015-10-18 23:22:02
腐れマーズ三等星 @p_pakira

しかも彼がサヨナラアンドファック大好きなのは、これは他者と同一化したいという願望と、他者に拒絶されたくないという恐怖との二律背反を解決するための苦肉の策なわけですよ。デスドレインは誰でもいいから一緒になりたいんですよ。

2015-10-18 23:23:17
腐れマーズ三等星 @p_pakira

デスドレインってほんとさびしがりやで承認欲求の塊じゃないですか。気になる子に構って欲しくてちょっかい出してしまう小学生の男の子と同じですよ。ちょいとオイタが過ぎるけど。

2015-10-18 23:24:40
腐れマーズ三等星 @p_pakira

デスドレインは決して我々にとって無関係な他人ではなく、我々の社会を映す鏡なのではないかと思うんですね。

2015-10-19 00:57:47
腐れマーズ三等星 @p_pakira

どういうことかっていうと、我々の現代日本においても同様なんですが、 「同調圧力」という言葉に集約される、とにかく周囲と同じであること、他者とのコンフリクトを避けること、が社会の至上命題とされており、「ノー」と言ってはいけない、という雰囲気が支配している。

2015-10-19 00:57:53
腐れマーズ三等星 @p_pakira

ネオサイタマにおいてそれは「ユウジョウ」に始まる数々の暗黙の了解の強制、そしてそれを破った者に対する「ムラハチ」、すなわち排斥、という形で表されている。

2015-10-19 00:57:58
腐れマーズ三等星 @p_pakira

我々の世界の若者文化で言えば、それは体育会系的な「空気を読む」という行動、「ノリが良い・悪い」といった評価、「仲間」「絆」といったターム、に集約され、とにかく周りに合わせることが、いわゆる「リア充」の必須条件であろう。そしてそういう人物がしばしば社会的栄達を掴みやすい

2015-10-19 00:58:03
腐れマーズ三等星 @p_pakira

この対極にいるのがいわゆる「オタク」であり、余人とは異なる興味関心をもって、余人とは異なる趣味を持ち、それにある程度以上身を捧げる。そんな人を、同調主義者が迎え入れるわけもない。そういった、他者を他者と認めない、子供っぽい幼稚な態度が、特に企業文化において一般化していると思われる

2015-10-19 00:58:12
腐れマーズ三等星 @p_pakira

この「幼稚さ」も重要で、「私はあなたとは違います」ということを、わざわざ言わないといけない、あるいは言ってもわからない人が日本には多い。日本には大人が殆どいない。自分と相手の常識が違うということは、実は成熟した大人じゃないとわからない。

2015-10-19 00:58:16
腐れマーズ三等星 @p_pakira

他者と自分が違う人間であるということを理解していない、受け入れられない人が以前に比べても増えた。そんなに長生きしてるわけじゃないけど、そう思う。日本全体の成熟度の低下も、この風潮の万延に寄与していると考える。

2015-10-19 00:58:20
腐れマーズ三等星 @p_pakira

ところでこれは支配者側からしてみれば非常に都合がよいだろう。自分たちにとって有利な「空気」を作り出すことさえできれば、進んでそれに従ってくれるのだから。それゆえに、そういった風潮を進んで利用しているというところはあるのだろう。

2015-10-19 00:58:24
腐れマーズ三等星 @p_pakira

社会成員の幼さから生まれる同調主義を、アマクダリは支配の道具に利用している。支配者側の中には、自らもそういった同調主義を内面化している者もいるかもしれない。例えばジャスティスの潔癖な性質は、これに近いように思える。いずれにしろここらへんをうまく切り分けるのは難しい。閑話休題。

2015-10-19 00:58:29
腐れマーズ三等星 @p_pakira

デスドレインのアンコクトンは、そういった社会の風潮の風刺画の一つではないか。そして忍殺は、そういったクソったれな風潮に対しての「ファック、ノー!」だと、そう感じることが度々ある。「ショック・トゥ・ザ・システム」のゴウトを思い出されよ。

2015-10-19 00:58:34
腐れマーズ三等星 @p_pakira

またそれだけではなく、デスドレインは一方で、現代社会で「人の縁」が希薄化した結果、他人とのつながりを切実に求める若者の一人でもあるように思える。この現象は都市社会に普遍的に見られ、村社会では自然に存在する「地縁」「血縁」が、人の移動によって切れてしまった結果孤独に陥る。

2015-10-19 00:58:51
腐れマーズ三等星 @p_pakira

そのような都市社会的孤独の解消の欲求が我々の中にあることが、前述の「リア充」的風潮の万延に寄与しているのではないだろうか。これが、その二つを結びつけて考える理由です。

2015-10-19 00:58:56