【ミイラレ!第二十話:大百足のこと】(実況付き)

怪異に好かれる少年と退魔師の少女がなんやかんやするお話。早期決着を目指そう
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鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「どこに根を張ってるものかと思ったが」手を耳元に当てていた巡が、静かに言う。「まさか学び舎のほぼ真下とはね。ちっとは感謝しな、ボンクラども」「……確かにな。その点は礼を言う」言いながらも苦い顔をしたのは年配の男。怪異退治に参集した退魔師、そのリーダー格である。14 #4215tk

2015-10-21 19:36:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

彼らが今いるのは北都高校の校庭。巡の手によってわざと逃がされた『大蜘蛛』紺野軒 颯が向かったのはまさにここだった。「実際、相当に面倒になるとこだ。颯のやつ、若旦那の顔を見てやがる……明日にでも手荒い真似をせんとも限らん」「他の学生も巻き込んでか」15 #4215tk

2015-10-21 19:39:06
栗なご @kurinago77

Tさんも来てるのか…学校の下をテリトリーにしたばっかりに退魔師の参入うも招いてしまった感…。 #4215tk

2015-10-21 19:40:37
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

苦い顔で呟く退魔師に、巡は呆れた視線を向ける。「むしろなんで巻き込んじゃならん?あたしが奴らの立場なら、そんなこと気にも留めんね」「……そうか」会話はそこで打ち切られた。この人間が何を考えているかなど、巡には興味のないことだ。ただ戦力としてあればいい。16 #4215tk

2015-10-21 19:42:05
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「隊長!」「どうした」後方に控えていた女退魔師から声が飛ぶ。「真下から怪異の反応!多数!」「わかった。戦闘準備!……誰が来るかわかるか、御伽さん」「蟻塚 家鳴(ありづか やなり)だろうね」言葉短に巡は言う。「原型は蟻。取り込んでるのは『金槌坊』と『家鳴』だ」17 #4215tk

2015-10-21 19:45:12
栗なご @kurinago77

まあ、一般的な怪異の考え方としてはそうだよね…。 #4215tk

2015-10-21 19:47:13
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

彼女の言葉とほぼ同時、校庭のあちこちから無数の小さな影が湧いてくる!「……で?どれがその蟻塚とやらだ」「全部さ」「何?」「あいつに本体なんて概念はない。あれ全部が蟻塚だ。一人でも残すとそこから増える。ま、人間にはキツい相手だね」隊長が小さく呻く。18 #4215tk

2015-10-21 19:48:01
栗なご @kurinago77

家鳴さんは蟻と金槌持ってる怪異と和風ポルターガイストの複合体なのか… #4215tk

2015-10-21 19:50:42
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「……あんたの部下、何人いるんだっけか?」「あいつ含めて七人だ。蟷螂坂 祈、秋津 飛羽、紺野軒 颯、雷音寺 舞。まだ姿を見せちゃいないが、貴崎 茜と赤城 百恵ってのがいる」「そいつら全員退魔師でなんとかしろってか?無理難題を押し付けやがって」隊長が悪態を吐く。19 #4215tk

2015-10-21 19:51:08
栗なご @kurinago77

いや、むしろ逆じゃないかなぁ…家鳴さんを退魔師達に任せてそれ以外全員倒すつもりなのでは? #4215tk

2015-10-21 19:53:43
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「なんだい、情けないね……」鬼女はそれをせせら嗤う。「ま、あいつらもあんたらみたいな退魔師程度ならどうにでもできる力量はあるってことか。それはそれで僥倖」「お前……どっちの味方だ」「あたしはあたしの味方だよ。まあいい。あんたらは援護に徹してくれりゃあね」20 #4215tk

2015-10-21 19:54:05
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

あっさりと言った彼女は後方を見やる。そこにいるのは彼女が仕える少年と、それに従う魔女の姿だ。巡の視線を受けた魔女が頷き、鉄の杖を掲げる。それをきっかけにエンジン音!集った退魔師たちの頭上を飛び越え、バイクに乗った包帯の怪人が家鳴たちへと向かう!21 #4215tk

2015-10-21 19:57:05
栗なご @kurinago77

まあ、巡さんからしてみれば共倒れでも悪くないとか思ってても不思議では無い…。 戦闘のメインを張るつもりだし、自分の所から出た不祥事だから落とし前は付けないといけないとは思ってるだろうけど…。 #4215tk

2015-10-21 19:59:15
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「あいつは!」退魔師の誰かが声を上げる間にも、新たな怪異は群れをなす家鳴の先陣を撫でるようにバイクをドリフトさせ、魔女の元へ。「ひとまずあれでいいか」「ん!上出来!」『トンカラトン』の忍の問いに、魔女の薫は笑顔で答えた。最前線にいた家鳴の何人かが崩れ落ちる。22 #4215tk

2015-10-21 20:00:04
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

崩れ落ちた小さな怪異たちの体には確かな傷が刻まれていた。忍の仕業だ。その傷から白い包帯が噴き出し、怪異の体を「処置」「応」「応」「応」覆うより早く、後続の家鳴たちが大金槌を振り上げ、トンカラトンの分身へと変化しかけていた個体たちを容赦なく叩き潰す!23 #4215tk

2015-10-21 20:03:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「うわ」薫が眉をひそめた。犠牲となった個体の手足がバラバラになり、もはやトンカラトンとしても活用できないまでに砕かれる。「面倒な術を使う怪異でありますな」それを気にも留めず、じわじわと距離を詰めてくる家鳴たちの一人が声を発した。「まあ、その程度ではありますが」24 #4215tk

2015-10-21 20:06:06
栗なご @kurinago77

変化する前に倒すのは最適解だろうなぁ…本体という概念が無くて全部自分だから躊躇なく出来る芸当だ。 #4215tk

2015-10-21 20:07:27
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

砕かれ、砂となった個体が盛り上がり、人の形をなし、元どおりの姿となって戦列へ加わる。後ろから見ていた四季は舌をまく。蟻塚はその金槌で砕いた相手を自分と同質の存在へと変化させ、数を増やす。巡からあらかじめ説明を受けていたとはいえ、実際に目の当たりにすると凄惨だ。25 #4215tk

2015-10-21 20:09:10
栗なご @kurinago77

金槌で砕くと増える…トンカラトンさんとほぼ同質の力じゃないか #4215tk

2015-10-21 20:11:16
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ぼうっとしてないで撹乱しとくれ」巡が忍へ声を投げかけた。「分身は増やせなくとも、あいつの手は止められる。ただでさえ数が多いんだ、そうでもしないと片づけられんよ!」「……わかった」忍が再びバイクを駆り、家鳴たちの真っ只中へ。家鳴たちもまた堰を切ったように殺到!26 #4215tk

2015-10-21 20:12:08
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「で?あんたらの方は整わないのかい」「いや、準備万端だ」隊長格の男が札を取り出し、怪異の群れを見据える。「結界よし、式神よし!前衛部隊、行けるな!?」鬨の声が上がる。あるいは武器を構え、あるいは強力な式神を携えた退魔師たちが飛び出し、家鳴を迎え撃つ!27 #4215tk

2015-10-21 20:15:11
栗なご @kurinago77

本体倒せば終わり、じゃないのが厄介な所だよね…一人でも残ればそこから増えるというのは増殖型怪異としてはトンカラトンよりも上かも知れない。 #4215tk

2015-10-21 20:15:37
栗なご @kurinago77

しかし、こう一番手から総力戦な感じだなぁ…これは確かに戦うのに人手が居る…。 #4215tk

2015-10-21 20:18:05
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