- shiroboshi2
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アソシエーテを総会勧誘部門に推薦したのは、ギスセライという男だった。彼はアソシエーテの他にも何人かのニュービー・ニンジャを推薦していた。アソシエーテは彼らの中では一番のワザマエであった……というより、他の者達の練度が驚くほどに低かった、と言うべきか。1 #S57Ninja
2015-10-20 21:29:07ギスセライは貪欲な男だ。そうしたサンシタ達に恩を着せ、手駒として使い、その手柄を自身のものとして報告する。何かしらの失敗を犯せば、サンシタ共に責任のすべてを吹っかける……そのための推薦だった。実際浅はかな考えである。2 #S57Ninja
2015-10-20 21:34:59だが、アソシエーテはそんなギスセライの考えを知らぬ。知るつもりもなかった。勧誘部門の現顧問は、ソニックブーム。勧誘部門入りとは即ち、彼と同じドヒョーに入るということだ。アソシエーテは歓喜した。 ……ソニックブームとミッションをする日は、訪れなかったが。3 #S57Ninja
2015-10-20 21:39:57無邪気に喜ぶアソシエーテ=サンの熱いソンケイな…顧問とミッションをすることは無かったのか…ではますますあのカラテ・レッスンが貴重な思い出に… #S57Ninja
2015-10-20 21:43:49勧誘部門として、アソシエーテはそこそこの実績を残した。彼がスカウトしたニンジャは、何れも出世していった。彼を置き去りに。 何人か、反抗的なニンジャを殺したこともあった。無論、それは彼自身が命の危機を感じたときだけのことだ。カトン・パンチは猛威を振るった。5 #S57Ninja
2015-10-20 21:53:04彼の実績の大半はギスセライのものになっていたのだが、アソシエーテはそのことを知らぬ……。 勧誘部門として日々を過ごしていた彼に、ある報告が入った。同時期に勧誘部門入りをしたニンジャ、アーマンドの死亡報告だ。カラテは然程強くなかったが、態度は大きい男だった。6 #S57Ninja
2015-10-20 21:59:30彼を殺したのは、野良ニンジャ。スカウトに赴いたものの、返り討ちにされたようだ。アソシエーテにとっては、どうでもよいことであったが……問題はその後だった。件の野良ニンジャへのスカウト及び失敗時の殺害ミッションは、彼に引き継がれたのだ。ギスセライの命によって。7 #S57Ninja
2015-10-20 22:04:49テリトリーから離れた場所でのミッションに、彼は不服を漏らしたが、ギスセライは聞き入れなかった。仕方なくミッションに赴くアソシエーテ。そんな彼の前に現れた件の野良ニンジャは、十六歳の少女だった。彼女はミリピードと名乗った。8 #S57Ninja
2015-10-20 22:09:02顧問や他のメンバーはギスセライさんの成果ピンハネを知っていたのだろうか…浅はかと言われているからには見抜いてそうだな… #S57Ninja
2015-10-20 22:10:17ミリピードとのイクサは、アソシエーテが優勢であったが、思わぬ反撃にあい、彼女を取り逃がすこととなった。あの瞬間、ミリピードが彼に見せたしたり顔は、アソシエーテのニューロンに屈辱の記憶として焼きついている。アイツだけは俺の手で仕留めてやる、と彼は心に決めた。9 #S57Ninja
2015-10-20 22:15:29数週間の後。 「イヤーッ!」アソシエーテは、暇さえあればトレーニングルームにて、その拳を振るっていた。カトン・パンチの火力を上げるためだ。そんなある日、彼は久々にアーソンと出会った。威力の上がったカトン・パンチを、アーソンは鼻で笑っていた。10 #S57Ninja
2015-10-20 22:20:12そんな彼に、アソシエーテはある質問をした。「アーソン=サン、聞きたいことがあるんですが……」「なんだ」アーソンがギロリとアソシエーテを睨みつける。彼は臆さず、聞いた。ここ最近ソウカイ・ニンジャの間で広まっているウワサ……『ニンジャスレイヤー』についてを。11 #S57Ninja
2015-10-20 22:25:20アーソンの返答は、「ニンジャスレイヤー?……ああ、ここ最近のつまらんウワサか。あんなものは、負け犬共のケジメ逃れの方便が広まっただけのことよ」というものだった。「そういうものを一々気にしていては、ビズを逃すぞアソシエーテ=サン。タイムイズマネー、だ」12 #S57Ninja
2015-10-20 22:29:34