『ヘジィラ・オブ・ザ・ワースト・ツー・ニンジャ』#2

ジュセー @shiroboshi2

「ニンジャらしくない、っていう感じ」「……今日は帰る。次に訪れるのは一週間後だ。それまでに振り込んでおけ。さもなくばカラテだ」「アイ、アイ」アナカナは苦笑しながら頷く。アソシエーテは『モモ夢』を去ろうとした。そこで、壁に貼られた名簿に気がついた。54 #S57Ninja

ジュセー @shiroboshi2

勤めているメイドオイラン達の顔写真……画像編集による加工が入っており、美麗なものに仕上がっている……と名前が書かれた、派手な色彩の名簿だ。そして、その中から彼の目に付いたのは、『人気がスゴイ』と顔写真の横に書かれている少女。名前はアケシ・ノノミ。「……？」55 #S57Ninja

10区 @10k_ns

あっ…　#S57Ninja

柊 @hiiragi_r_t_d

ああ、加工のせいでパッと見では分からんか #S57NINJA

ジュセー @shiroboshi2

「ああ、その娘。ノノミ=サンは一番新参でね」片付け作業を続けながら、アナカナが声をかける。「フシギな娘なんだけど、よく頑張ってくれてるの。売り上げ一番のメイドオイランよ」「……」アソシエーテは顎をさすりながら、その少女の加工顔写真と名前を見つめる。56 #S57Ninja

ジュセー @shiroboshi2

「……けど、最近彼女、調子悪いみたいで。休んだり遅刻したりすることが多いのよね」作業をひと段落終えたアナカナは、アソシエーテの側へと歩いていく。「理由を聞いても、ダイジョブです、ダイジョブです、って。何か悩み事でもあるのかしら……」「……」57 #S57Ninja

ジュセー @shiroboshi2

「なに？気に入っちゃった？それなら、是非とも営業時間内に来てちょうだいね」アナカナが戯けたように言う。アソシエーテは数秒間写真を見つめていたが、「……知り合いに似ていたもんでな。それと、俺はオイランサービスが好きではない」と言い残すと、踵を返し、退出した。58 #S57Ninja

ジュセー @shiroboshi2

「オタッシャデー」アナカナの声を背に、アソシエーテは『モモ夢』を出る。ヤクザモービルに向かって歩みを進めながら、考え事をする。アケシ・ノノミ……昔どこかで見た名前だ。どうにも思い出せない。ふと彼は、遥か頭上に浮かぶ、ドクロめいた月を見上げた。59 #S57Ninja

ジュセー @shiroboshi2

あの時と同じように、月はそこにある。あの時？そう、あの時だ。ミリピードと初めて出会ったあの夜も、こんな月だった。暫く彼女とは遭遇していない。だが、いつか必ず、自分の手で決着をつける。その決意は、ソウカイヤであっても、アマクダリであっても、変わらぬ。60 #S57Ninja

ジュセー @shiroboshi2

『ヘジィラ・オブ・ザ・ワースト・ツー・ニンジャ』#2おわり。#3へつづく。 #S57Ninja

10区 @10k_ns

オツカレサマドスエ！　運命の交錯な…　#S57Ninja

米沢ぴう @yonezawa10

オツカレサマドスエ！ #S57Ninja