「年齢調整は必要ない」のか?〜"Epidemiology"津田論文をめぐる会話〜

主に.@yoshisatose さんと.@shanghai_ii さんによる対話
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Yoshihiro Sato @yoshisatose

@shanghai_ii 上海さんは検査時の年齢補正について独自に計算されていましたが、津田氏の回答の中に「全人口集団を対象にしていますので、全人口集団と比較する場合には、年齢調整をする必要はありません」とあり、さらに「今回の私どもの論文のデータでは年齢という変数は曝露と(続く

2015-10-24 07:12:40
Yoshihiro Sato @yoshisatose

@shanghai_ii あまり関係しておらず、条件②を満たしていません。従って、年齢はこのデータで交絡要因として成立しにくく、たとえ少しでも交絡バイアスが働いているとしても、その影響はわずかです」と回答している部分はどう思われましたか?

2015-10-24 07:15:28
Yoshihiro Sato @yoshisatose

@shanghai_ii 「条件② ある交絡要因は、問題となっている曝露と、研究対象の母集団(症例が生じてきたリスク状態の人口)において関連していなければならない」という部分の「関連(associated)」という言葉を彼が誤解して使っている気が私はするのですが。

2015-10-24 07:19:14
Yoshihiro Sato @yoshisatose

@shanghai_ii つまり、曝露(放射性ヨウ素による甲状腺被曝)に「年齢」という変数がに関連しているか、といえば、曝露の有無や程度を年齢が左右しているわけではないので、関連がない、とは言えますが(続く

2015-10-24 07:24:09
Yoshihiro Sato @yoshisatose

@shanghai_ii 曝露の程度が異なる比較グループ間で検査時の年齢構成が異なれば、曝露と年齢はindependentではないので、そういう意味では「関連はある」と言えますよね。交絡要因かどうかの判断は、むしろこの後者の意味での関連性だと思うので、私は彼の主張が理解できません

2015-10-24 07:29:24
Yoshihiro Sato @yoshisatose

@shanghai_ii RothmanのModern Epidemiologyの第9章を読んでみましたが、後者の意味でassociatedが使われていると私は判断しました。さもないと、他のがんの疫学分析においても、年齢や人口密度を交絡要因として考慮することが否定されてしまいます

2015-10-24 07:41:43
上海II @shanghai_ii

@yoshisatose ぼくはロットマンを読んでないし、疫学の知識は殆どありません(^^;;; ですので、津田さんのこの部分は理解しがたいのですが、あえて、ぼくなりの解釈をすれば、ロットマンの3条件として引用されている部分は、この場合、(つづく)

2015-10-24 08:41:40
上海II @shanghai_ii

@yoshisatose 単純な年齢調整は終わった後の話だと思います。単純な年齢調整(全人口と各地域の年齢調整)の後になお、年齢による被曝影響の違いを補正する必要があるかどうかを吟味する段階に必要となる話なのではないかと。

2015-10-24 08:43:23
上海II @shanghai_ii

@yoshisatose もそも甲状腺癌は年齢によって発見の差異があることは全人口統計にあります。この差異の補正は交絡云々とは無関係に調整されるべきだと考えます。その上で、交絡を考える上で更に年齢調整が必要になる場合があるのです。

2015-10-24 08:45:06
上海II @shanghai_ii

@yoshisatose 例えば、甲状腺被曝は年齢によってかなり被曝量が違う。一方で検査機会の違いが全人口統計には年齢区分によって差異がある(はず)。こうした要素に関しては、交絡となりうるかどうかは吟味すべきですが、その前に、参照とした全人口統計と一様性を確保しておく必要がある。

2015-10-24 08:47:13
上海II @shanghai_ii

@yoshisatose 津田さんの反論を読んで、特に解説図を見たぼくの解釈です。

2015-10-24 08:48:02
上海II @shanghai_ii

@yoshisatose ぼくは津田さんの論文にある程度忠実に調整してみたはずで、結果、年齢では1.3倍の違いが出ます。これは、津田さんの説明に大きく反してます。

2015-10-24 08:50:28
上海II @shanghai_ii

@yoshisatose ただし、津田さんは2次検査ではなく1次検査時点を基準にしていたようで、ここは忠実ではありませんでした。再度、津田さんに忠実に調整したいとは思っています(エクセル上ではすぐにできますが(^^;;;)。

2015-10-24 08:52:29
上海II @shanghai_ii

@yoshisatose あと、がん統計の採用年も少し違います。こちらも合わせて、完璧版をやってみたいと思います。

2015-10-24 08:53:53
Yoshihiro Sato @yoshisatose

@shanghai_ii ありがとうございます。私の解釈ではRothmanは単純な年齢調整も含めて交絡要因と呼んでいると思いますが、いずれにしろ津田氏は単純な補正すらやっていないわけで、にも関わらず「このデータでの年齢調整を要求される方は、このような交絡バイアス成立の(続く)

2015-10-24 10:04:06
Yoshihiro Sato @yoshisatose

@shanghai_ii 簡単な条件のことをご存じない方です」とか、「取るに足らないことだと知っているのです」などと自信満々に批判を一掃しているのは、どうしてなんだろうと思った次第です。仰るとおり、ガンや結節・嚢胞の発見は検査時の年齢によって少なからずの差が出るものなのにね。

2015-10-24 10:09:54
上海II @shanghai_ii

@yoshisatose うー、Rothmanの本、いっぺん読んでみないとアカンのかなあ(読みたくないんだけどw)。今までの文書もそうですが、一言で言えば雑な考察で、その雑さが何に起因してるのかは素人の場合は明白に素人故なんですが、専門家の場合は違うでしょ、と思います。

2015-10-24 10:49:58
上海II @shanghai_ii

年齢調整は必要ないというのは、ぼくがやったように年齢区分ごとに期待値を求めた場合。年齢区分を設けないで、年齢構成の差異をどこで吸収できるとおっしゃてるのか不明ですわな。

2015-10-24 10:57:27
上海II @shanghai_ii

本格調査では目下のところ先行調査と年齢構成比がかなり変わってるんで、本格調査の分析時に津田さんがどうやるのかは見ものではある。

2015-10-24 11:00:53
大森真 @yard_1957

@shanghai_ii こないだ上海さんがまとめられた剖検での有病例見ても甲状腺がんの発生に「年齢」と言うのは非常に重要なので(ハイティーンから急に上がり始める)、「年齢調整は必要ない」というのはおかしいと思います

2015-10-24 11:03:35
上海II @shanghai_ii

@yard_1957 津田さん自身が年齢によって加速的に件数が増えるということは以前に仰ってましたね。

2015-10-24 11:06:04
大森真 @yard_1957

@shanghai_ii そうでしたそうでした.津田氏の論文見ていると「自分でわかってるはずなのにどうしてこうするのかなあ」と思うところがあります

2015-10-24 11:07:59
上海II @shanghai_ii

剖検データも更新せんとアカンねんけど(折角、微小癌や潜在癌について問い合わせたんで)。月曜日以降に更新しますが、HDDに2003年以前のデータが見当たらない(^^;;; クラッシュしたHDDには入ってるはずなんだけど、どうも救助したファイルには微小癌の数字が残ってないんですわ。

2015-10-24 11:08:48
上海II @shanghai_ii

津田さん論文を津田さんの方式で完璧化することと、剖検データを微小癌含めた(or微小癌排除した)形で整理し直すこととが宿題。

2015-10-24 11:12:18
上海II @shanghai_ii

もう一度津田さんの論文の年齢調整の可否について書くと、がんセンターの統計は年齢区分別になってます。それをそのまま使うべき、というのが僕の意見。その場合は、年齢構成比の違いを調整する必要はなくなります。しかし、津田さんはがんセンターの数字に手を加えてる。ここが問題。

2015-10-24 11:14:47