総合弁護士 アトーニーG

「裁判所から手紙が来た」という情報と問診から,何の書面なのかを当てるバラエティ番組を脳内で展開してみました。
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サイ太 @uwaaaa

「裁判所から手紙が来た」という情報と問診から、何の書面なのかを当てる「アトーニーG」

2015-10-26 20:27:09
サイ太 @uwaaaa

栃木県に居住するAさんの元に,裁判所から書類が届きました。そのときの問診の様子です。 弁護士『どこの裁判所から届きましたか』 相談者「東京簡易なんとかって書いてあります」 弁護士『文書のタイトルは何ですか』 相談者「【しはらいさいそく】って書いてあります」

2015-10-26 20:42:55
サイ太 @uwaaaa

『それではカンファレンスを始めます。修習生のみなさん,何の書類だと思われるか,フリップに書いて発表してください』 修習生A「裁判所を騙った詐欺」 修習生B「支払督促」 修習生C「少額訴訟の訴状」

2015-10-26 20:46:06
サイ太 @uwaaaa

修習生A「裁判所から送付されてくる書面に『支払催促』というものはありませんので,裁判所を騙った詐欺だと考えました。」 弁護士『うーん,本当に【支払催促】という文言だったんでしょうか。』

2015-10-26 20:54:05
サイ太 @uwaaaa

弁護士『相談者の年齢は。』 修習生A「71歳でした。」 弁護士『視力はどうでしたか。』 修習生A「眼鏡を掛けて・・・ちょっと細かい字を読みにくそうにしてました。」 弁護士『そうすると,見間違え,読み間違えの可能性も考えなければなりませんね』

2015-10-26 20:54:14
サイ太 @uwaaaa

修習生B「相談者は『支払督促』を読み間違えて,『支払催促』だと思い込んのだと考えました。」 弁護士『なるほど。【支払督促】。事物管轄は簡易裁判所にありますので,その意味でも正しいですね。』 修習生B「(ドヤ顔)」

2015-10-26 20:54:40
サイ太 @uwaaaa

弁護士『ただ,事物管轄はいいとして,土地管轄はどうでしょうか。民事訴訟法383条1項には何と書いてありますか?』 修習生B「あっ,債務者の普通裁判籍とあります。」 弁護士『栃木県の相談者の場合は・・・?』 修習生B「栃木県内の簡裁になると思います・・・」

2015-10-26 20:55:25
サイ太 @uwaaaa

修習生C「東京簡裁からということは,原告が東京の会社や個人からの少額訴訟の訴状ではないかと考えました。」 弁護士『【支払催促】についてはどのように考えますか。』 修習生C「訴状の中に『支払督促』的な文言が紛れ込んでいたと思います。」 弁護士『ちょっと苦しいような気がしますね。』

2015-10-26 20:58:41
サイ太 @uwaaaa

弁護士『もう少しお話を聞かせてください。封筒の表面に赤字で【特別送達】と書いてありませんか。』 相談者「書いてあります。」 弁護士『申立てをした人は誰になっていますか。』 相談者「埼玉県の会社になっています」

2015-10-26 21:07:31
サイ太 @uwaaaa

弁護士『ではどうでしょう。修習生のみなさん。』 修習生A「支払督促」 修習生B「支払い督促」 修習生C「都内で発生した交通事故の訴状」

2015-10-26 21:09:15
サイ太 @uwaaaa

修習生C「東京簡裁が管轄となると,不法行為地が東京である訴状としか考えられません。」 弁護士『訴状説で頑張りますね。ただ,【しはらいさいそく】の問題が解決しない以上,説得力がないですね。また,管轄があるとしても,埼玉の人が東京簡裁に提訴するメリットは薄いと思います。』

2015-10-26 21:11:25
サイ太 @uwaaaa

修習生A「申し立てたのが埼玉県の会社だとすると,やはり管轄の問題がクリアできないんですが・・・。 弁護士『何か特例はありませんでしたか。」 修習生B「思い出した! 督促手続オンラインシステムだ!」 弁護士『そう,その場合,東京簡裁が事件を処理します。督オン規則1条1項です。』

2015-10-26 21:14:52
サイ太 @uwaaaa

弁護士『では,正解を確認しましょう。実際に届いた書面はコレです!』     支払催促 東京簡易裁判所強制執行係 修習生A,B,C「・・・・・・」

2015-10-26 21:17:35
サイ太 @uwaaaa

実はコレ実話でして,当職が駆け出しの頃,「東京簡裁から支払督促が来た」っていう相談が来たときに,まず詐欺を疑ったっていう苦い経験があります。

2015-10-26 21:29:54