#読書週間だからふぁぼされた数だけお勧め本プレゼンする 主に自分用まとめ

#読書週間だからふぁぼされた数だけお勧め本プレゼンする のタグで32冊も紹介する羽目になってしまったものの、逆にまとめ・忘備録として有用であるため自分でまとめることとした。主に自分用まとめと書いたが、他者にも十分参考になると思われる。
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ぽん教授(半非実在系) @ponatky

#読書週間だからふぁぼされた数だけお勧め本プレゼンする これ、ふぁぼの数次第では死ぬんじゃ。頑張るけど(一回もふぁぼられなかったらそれはそれで面白いが)

2015-10-29 09:40:02
ぽん教授(半非実在系) @ponatky

古田博司『ヨーロッパ思想を読み解く』(ちくま新書) ヘーゲル・マルクス・フッサールのドイツ消極哲学を「使えない」とまで断言し、イギリス経験論とハイデガーら積極哲学を提唱する日本の人文系の方々を阿鼻叫喚の渦に叩き落す問題作。何より現実をグサグサ突きつけるスタイルで嫌らしく素晴らしい

2015-10-29 21:38:29
ぽん教授(半非実在系) @ponatky

アレクシス・ド・トクヴィル『アメリカのデモクラシー』(岩波文庫、松本礼二訳) パスカル、ヴォルテールの伝統を持つフランスの現実主義者が観察した、19世紀のアメリカの全貌及びアメリカ的なものの全て。フランス人は正直リアルさが欠落してるのだがたまにこういう化け物が出現して素晴らしい。

2015-10-29 21:41:03
ぽん教授(半非実在系) @ponatky

アダム・スミス『道徳感情論』(日経BP文庫・村井章子/北川知子訳)市場原理主義ではない要素が前面に出たアダム・スミス像を見せる。公平な第三者・観察者を心に置くこと、その根幹は共感であるという道徳をもってして市場の不足を補うという考え方であり、ノブリス・オブリージュの経済版である。

2015-10-29 21:44:33
ぽん教授(半非実在系) @ponatky

グレゴリー・ベイトソン『精神の生態学』(新思索社 佐藤良明訳) 要素還元主義・近代合理主義を批判しシステム全体として見なければ世の中の現象がわからないことを途方もなく幅広い分野のケーススタディから説明する。チャールズ・サンダース・パースと同様の天才さを感じた化け物。

2015-10-29 21:47:49
ぽん教授(半非実在系) @ponatky

ハーバート・サイモン『システムの科学』(パーソナルメディア 稲葉元吉/吉原英樹訳)合理的経済人という仮定が如何に足りないかを、ベイトソンとは異なり経営学・経済学・工学の具体例に即してこれでもかと説明し限定合理性とシステム全体の視野を主張する。こちらは世を見通す怪物系で目標である。

2015-10-29 21:51:22
ぽん教授(半非実在系) @ponatky

掘栄三『大本営参謀の情報戦記』(文春新書)陸軍参謀本部情報部という不遇の部署で味わった、組織的失敗を繰り返す官僚組織のダメさと辻政信ら暴走するキチガイ、それでも役立とうと必死に頑張るインテリジェンス職人の苦闘という涙ぐましい展開。この悲劇は現代でも繰り返されている。いと無残

2015-10-29 21:54:34
ぽん教授(半非実在系) @ponatky

マイケル・ポランニー『暗黙知の次元』(ちくま学芸文庫 高橋勇夫訳) 文字化できる形式知に対する暗黙知とは何か、暗黙知というアクセスしにくい世界にこそ豊かなものが多数眠っているという締めくくりは電子化の限界とそれでも立ち向かおうとする夢とを与える。野中郁次郎に影響を与えた名著。

2015-10-29 21:57:56
ぽん教授(半非実在系) @ponatky

ウォルター・リップマン『幻の公衆』(柏書房 河崎吉毅訳) 民主主義を担う大衆のダメさバカさ愚かさを徹底的に観察した絶望を味わうのに適している、多くの人が目をそむけたくなる現実を叩きつけてくれる素晴らしい内容。結局エリート主義しかない、という主張に有効な反論を出来ずに撃沈するがよい

2015-10-29 22:04:40
ぽん教授(半非実在系) @ponatky

ロバート・パットナム『孤独なボウリング』(柏書房 柴内康文訳) ハミルトン/マディソン→トクヴィル→ダールという、中間集団が国家及び社会の基盤を形成するという発想の現代の到達点と言える。急激な中間集団の衰退はアメリカに限らず先進国をどう変容させるか、末恐ろしさを味わえる。

2015-10-29 22:10:19
ぽん教授(半非実在系) @ponatky

アラン・ソーカル/ジャック・ブリクモン『「知」の欺瞞』(岩波現代文庫)フランスポストモダンの荒波の正体が無であったことを暴露するショッキングな内容である。人文分野学者の社会学、として読むことが可能である。

2015-10-29 22:17:35
ぽん教授(半非実在系) @ponatky

カール・シュミット『政治的なものの概念』(未来社 田中浩/原田武雄訳)権力の本質たる政治的なもののコアは友と敵の区別であるというシンプルながらえぐい結論を出した、ナチの御用学者としても活躍した大天才の問題作。本書の内容との格闘に社会科学はあると言って過言ではない

2015-10-29 22:23:22
ぽん教授(半非実在系) @ponatky

ホセ・オルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』(ちくま学芸文庫 神吉敬三訳) 現代社会の病理の根幹である大衆を積極哲学の観点から論じたものであり、本書の内容も極めて生々しい。特に専門家もまた大衆であるという指摘には多くの読者を悶絶させ嫌な気分にさせた筈であり、重い。

2015-10-29 22:28:32
ぽん教授(半非実在系) @ponatky

ジョージ・オーウェル『1984年』(ハヤカワ文庫 高橋和久訳) 徹底的な全体主義的システムが社会や人をどう統制するかというディストピア小説。中国共産党の金盾をはじめ、現代でもいたるところに巧妙な支配に使えるものは存在し、未だ不気味なリアルさが黒い輝きを放つ。

2015-10-29 22:33:24
ぽん教授(半非実在系) @ponatky

ウィリアム・コーンハウザー『大衆社会の政治』(東京創元社 辻村明訳) ル・ボン、オルテガ、フロム、アレントら50年代までに出た大衆社会論の集大成であり完成度は今なお極めて高い労作。シンプルながら説得的な結論から、パットナムら現代の中間集団論への接続にもなる。

2015-10-29 22:36:42
ぽん教授(半非実在系) @ponatky

ニッコロ・マキアヴェッリ『君主論』(岩波文庫 河島英和訳) 近代における政治論・政治学の鏑矢にして未だ最高傑作だと思う。徹底的なリアリズムに基づいた社会観察のお手本であり、人間の弱さ、人間が集合し集団や社会になったときに見せる別の動きなど未だ変わらないところが多い。

2015-10-29 22:41:47
ぽん教授(半非実在系) @ponatky

マックス・ウェーバー『職業としての政治』(岩波文庫 脇圭平訳) 社会学者にして経済学者であり政治家でもあるウェーバーの政治論。「それにも関わらず」政治をする覚悟を決めた人だけが政治をできる、という結論は熱血的に語っているものの未だ重くのしかかる。

2015-10-29 22:45:02
ぽん教授(半非実在系) @ponatky

戸田山和久『知識の哲学』(産業図書) 伝統的な認識論である基礎付け主義を破壊してしまう恐ろしい内容である。そこからドレツキ、ノージック、クワイン、ヒラリー・パトナム、スティッチと進んでいくのだが、スティッチの頃になるとラディカルさが極まって哲学自体の限界が見える。まさに認識破壊

2015-10-29 22:52:13
ぽん教授(半非実在系) @ponatky

ジョン・J・ミアシャイマー『大国政治の悲劇』(五月書房 奥山真司訳)現代リアリズムの一つの到達点である攻撃的リアリズムの全てを提示し、他の理論との違いや自分の理論では説明できない事例の説明など初学者にも親切。ますます本書の理論が妥当することへの著者の嘆きは物悲しいものでもある

2015-10-29 22:57:06
ぽん教授(半非実在系) @ponatky

掛谷英紀『学問とは何か』(大学教育出版)学問=予測する力を持つ理論体系とそのトレーニング、という観点からこれに逸脱するポストモダン理論やフェミニズムの横暴とダブルスタンダードを滅多切りにする、著者の正義心さえ感じさせる内容。有用なものは真、というプラグマティズムの精神である。

2015-10-29 23:02:19
ぽん教授(半非実在系) @ponatky

野中郁次郎他『失敗の本質』(中公文庫) 日本軍の失敗としてノモンハン以下トラウマ確実なケーススタディを取り上げ、兵站不足や技術差といった以前に組織的失敗をやっているという耳の痛い指摘をする。あなたの職場にも辻や牟田口が跋扈しそれを許容する空気という不都合な現実を見ることになろう

2015-10-29 23:07:46
ぽん教授(半非実在系) @ponatky

ケインズ『雇用・利子・お金の一般理論』(講談社学術文庫 山形浩生訳)イギリス経験論の最高到達点にして、要素還元主義的ではない経済全体のシステムまで見通した20世紀最大の大予言者の提示する書。現実過ぎてあらゆる人から嫌われる運命を受け入れ嫌味で返すイギリス人の鑑である。

2015-10-29 23:17:22
ぽん教授(半非実在系) @ponatky

ジョン・グレイ『自由主義二つの顔』(ミネルヴァ書房 松野弘訳)自由主義のうち普遍主義的な方をマルクス主義と同様であると批判する、いろんな人を激怒させかねないぶっちゃけ批判を展開する神をも恐れぬ内容。人権や正義、合理的個人の怪しさを暴露し極めてラディカルな実にイギリス人らしい内容。

2015-10-29 23:21:27
ぽん教授(半非実在系) @ponatky

植村和秀『昭和の思想』(講談社メチエ)昭和という、シュミット的な政治の季節を駆け抜けた平泉澄・丸山眞男・西田幾多郎・蓑田胸喜四人を比較しながら知識人の当事者としての戦いを見事に再現する。誰からも嫌われる現実主義者平泉・丸山と神がかり的天才の西田・蓑田の軸はかなり参考になる

2015-10-29 23:25:48
ぽん教授(半非実在系) @ponatky

佐藤卓己『輿論と世論』(新潮選書)理知的な公衆の意見の集合たる輿論(よろん)が、大衆的熱狂の集合体である世論(せろん)へとなっていく、というハーバーマスの見てしまった人間の劣化の日本版とも言える内容。陸軍青年将校→連合赤軍→シールズへのマスコミと大衆の期待が社会を破壊する。

2015-10-29 23:28:32