ベラルーシ、ブレスト州の甲状腺癌調査をめぐって

忘備録としてまとめました。 ブレスト州はベラルーシの南西部で、ウクライナの北隣にあり、ベラルーシとウクライナの国境添いに東西に広がるチェルノブイリ事故後の汚染が最も激しい地域の西の端にあたります。ここはベラルーシ国内でこどもの甲状腺癌の発生が2番目に高かった所です。
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nao @parasite2006

@kazooooya 余談ながらこの論文bit.ly/1KK3Y6X は、ベラルーシの小児甲状腺癌の発生率がI131による甲状腺被曝量だけでなく地下水中の硝酸イオン濃度にも影響されるという論旨(表1 bit.ly/1KohXM1 )(続く)

2015-10-21 22:52:08

(↑著者らによれば、農地にまかれた窒素肥料から生じた硝酸イオンが地下水に入り込み、上水道の普及率が低く井戸水を飲んでいる農村地帯で体内に取り込まれると、ヨウ素の甲状腺取り込みを阻害してヨウ素を原料とする甲状腺ホルモンの合成量を低下させます。すると甲状腺の細胞の分裂増殖を促進する甲状腺刺激ホルモンの分泌量が増え、細胞の増殖が常に促進されて甲状腺が肥大するとともに、異常な細胞=癌細胞が生じやすい状態に陥ります。こうしてあらかじめ常に細胞増殖のアクセルが踏み込まれている状態で甲状腺に放射性ヨウ素131が取り込まれると、アクセルが踏み込まれていない状態と比べて甲状腺癌がより高い確率で発生することになります↓)

nao @parasite2006

@kazooooya ブレスト州は甲状腺等価線量の平均値(51mGy)はモギリョフ州(ゴメリ州の北隣)(65mGy)とそう違わないのに、地下水中の硝酸イオン濃度がモギリョフの4倍以上。その結果甲状腺癌発生率(10万人あたり5.5件)がモギリョフ(10万人あたり1.5人)の3.6倍

2015-10-21 22:58:43
酋長仮免厨 @kazooooya

@parasite2006 木村さんは、P5で「事故から2日目に風向きが変わり、放射能雲が同州を覆った結果、現在でも甲状腺癌は増加傾向にある。」と言ってて、土壌汚染とは違うようです(何の会議資料かまだ探してない。移動者で穿刺吸引) j.mp/1ZXhAUn

2015-10-21 22:59:56

移動者→移動車
スライドの写真の通り、検査カーに超音波検査装置を積んで巡回検査。女性の場合頸部の甲状腺検査とあわせて胸部の乳癌検査も行っている模様ですね。医療保険会社が乳癌スクリーニングのための胸部超音波検査と甲状腺癌スクリーニングのための頸部超音波検査をセットで進めた結果、成人女性の甲状腺癌検出率が急上昇した韓国を思わせる状況です。

まとめ 韓国で甲状腺癌が多い理由 まとめました。 8950 pv 25 1
nao @parasite2006

@kazooooya チェルノブイリ事故後の甲状腺癌の発生は、事故の翌年に生まれた子供では激減し、現在は事故当時すでに生まれていたか事故の年に生まれた人が潜伏期の長いタイプの癌を発症しているのではなかったのですか?bit.ly/1Koj3aL

2015-10-21 23:07:15

(↑図の右上がりの線は、単純に年齢とともに発生率が増大してくる通常の甲状腺癌の発生パターンを表し、その上に重ね書きされた青→ピンク→黄色→水色の線は、それぞれチェルノブイリ事故の年に生まれたか、すでに生まれていたこどもから事故で放出されたI-131が原因で潜伏期の長さが異なる甲状腺癌が検出されることを表します。潜伏期の長さが違う甲状腺癌は細胞診で判定する組織型が違い、それに対応して悪性度(進行の速さと転移のしやすさ)が違います。潜伏期が長いほど進行が遅いおとなしい癌です。潜伏期の長さが違う癌の組織からDNAを抽出して遺伝子検査を行うと、それぞれ異なる遺伝子異常が生じていることがわかっています。余談ながら福島県の甲状腺検査で癌の診断が確定して手術を受けたこども(残念ながら全員ではありませんが)から切り取られた腫瘍組織からDNAを抽出して甲状腺癌の遺伝子異常の検査を行った結果、潜伏期が最も短い癌に対応する遺伝子異常が見つかった人はゼロで、潜伏期が最も長い癌に対応する遺伝子異常が見つかった人が2/3を占めました↓)

まとめ 鈴木眞一氏の遺伝子検査発表抄録 まとめました。 6279 pv 124 1 user 7
酋長仮免厨 @kazooooya

@parasite2006 はい、そうですね。このグラフはどうみても検査機器向上や検査方法の違いによるスクリーニング効果だと思います。で、単なる甲状腺がん発見数ではないでしょうかね。よく分からんグラフ…(>_<) pic.twitter.com/49YqfNRAvT

2015-10-21 23:15:02
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nao @parasite2006

@kazooooya このグラフpic.twitter.com/sjyWYmoyCV 見てたら、確かに事故前にはいなかった子供の患者が事故後出てきていますが、人数自体は18歳以上のほうが多いし、21世紀に入ってからは18歳以上が圧倒的多数ではありませんか。検査法の変遷に伴って増えている

2015-10-21 23:22:42
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酋長仮免厨 @kazooooya

@parasite2006 はい。木村さんは言ってることが矛盾してますよね。ブレスト州は汚染されてないと言いながら増えてるというし、低線量は影響が出るか出ないかわらないとかもゆうてるし。(私の連ツイの次を見てください)

2015-10-21 23:32:56
nao @parasite2006

@kazooooya この資料bit.ly/1Koku8W は2014年7月16日の「第8回東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」bit.ly/1KokzcJ のときの資料ですね。

2015-10-21 23:29:15
酋長仮免厨 @kazooooya

@parasite2006 おッ、ありがとうございますm(_ _)m

2015-10-21 23:33:51