【セント・ミリオン・スクール】#2

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ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

(そのときである。「Wasshoi~♪」恐るべきシャウトと共に何者かが上空から舞い降り着地点の校長にケリを放った!「イヤーッ!」校長は側転回避!「ナニヤツ!」アンブッシュ者のケリが鎖を切断し、アズサは床に投げ出された。そして侵入者はアイサツした。「ドーモ、マリアトラップです~」)

2015-11-05 20:05:08
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「ドーモ、ルーントリガーです」素早くアイサツを返した校長は既にアイドル装束に身を包んでいる。ルーントリガーはマリアトラップと名乗った聖女めいた装束のアイドルを見た。「…そう、貴女もアイドルだったのね。トモカ=サン」「ええ、神聖を守るために邪悪な蛇を裁きに参りました~」

2015-11-05 20:15:03
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

2人のアイドルが同時に駆け出した。「イヤーッ!」ルーントリガーのシナイ斬撃がマリアトラップの横を薙ぐ!「イヤーッ!」マリアトラップは跳躍回避し身を捻りながら十字架めいたダガーを投擲!「イヤーッ!」「イヤーッ!」シナイがダガーをすべて弾き落とす!「イヤーッ!」神速の突き!

2015-11-05 20:20:09
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

マリアトラップの着地を狙い澄ませた突進は、中ほどで突然直角に折れ曲がった。直後に床石が砕ける!何が起こったのか!?答えはマリアトラップの手にある。彼女の手には一本の鞭が握られていたのだ!「よくぞ躱しました~。ご褒美に、今の一撃で死に損なったことを後悔させて差し上げましょう~」

2015-11-05 20:25:02
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「イヤーッ!」「イヤーッ!」アズサはアイドルのイクサを、途切れそうな意識の中でぼんやりと感じ取った。彼女のニューロンは既にIRSで朧げだ。さもなくば、アイドル存在を既知であっても失神は免れなかっただろう。(((…アイドル…ナカヨシ…)))己の青春は、こんなもののためにあったのか?

2015-11-05 20:30:06
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

アズサの頬を静かに涙が伝う。嵐めいたアイドルの力の前では、ただ涙を流す他なかった。「アイエ…?」その体を何者かが抱きかかえた。……「イヤーッ!」シナイの鋭い斬撃を踊るように躱し、マリアトラップの鞭がルーントリガーの背面を打つ!「ンアーッ!?」焼ける痛みに体が固まる!

2015-11-05 20:35:09
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「イヤーッ!」狙い澄ませた鞭がルーントリガーの胸に弾けた!「ンアーッ!?」その一撃は胸骨を叩き砕き、その奥の心臓を惨たらしく破裂させたはずだった。「…ファハハハ」ぐらりと傾いた校長の体が起き上がる。「残念ですが私は不死身です。貴女もあの愚かな探偵の後を追うだけなのですから…」

2015-11-05 20:40:08
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「それなら実際安心ですね~」「何ですって?」「貴女の不死身の秘密はこれですね~?」そう言ってマリアトラップが掲げたのは、おお、ゴウランガ!それは書籍版ニンジャスレイヤー『ザイバツ強襲』!マリアトラップは細やかな鞭操作でルーントリガーの胸に仕込まれていた護りを奪ったのだ!ワザマエ!

2015-11-05 20:45:09
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「これだけの厚さがあれば大抵の攻撃は防げますね~」「…それに、アニメイシヨンのラストシーンから続く物語を楽しめるスグレモノ…」精神的な護りでもあったのか、校長は膝を震わせている。「なぜ…私のガンドー=サンの護りを…」「それは」「それはアリサが説明しましょう!」上空から落ちる声!

2015-11-05 20:50:08
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

長い髪を躍らせて舞い降りたのはディティクティブである!「バカナ!?貴女は私が殺して花壇に埋めたはず!」「ムフフ♪アリサほどのアイドルになれば、窮地を凌ぐためのシニフリの一つや二つ!」「これで詰みです~。ハイクを詠んでください~」「…ファハハ。ファハハハ!」ルーントリガーが笑う!

2015-11-05 20:55:05
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

……同時刻。「…モシモシ?リツコ=サン?」礼拝堂の扉を開け、イクが恐る恐る入場した。転入したてのイクは礼拝堂に馴染みがない。しかし、シスター・フウカ伝手に呼び出されては顔を出さざるを得ない。学園屈指の鬼教官の召喚を受け、イクは心穏やかではいられなかった。「ドーモ、イク=サン」

2015-11-05 21:00:16
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「ド、ドーモ、リツコ=サン!」奥から悠々とリツコが歩いてくる。彼女はまごつくイクに微笑みかけた。「説教のために呼んだ訳ではありませんよ。安心してください」リツコは付いてくるよう促すと、祭壇でイクを迎えた。「ここで何が讃えられているか、貴女はご存知ですか?」「それは…神様じゃ…」

2015-11-05 21:05:03
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「そう、神様。では、イク=サンはアイドルをご存知ですか?」「アイドル…?」それは古いおとぎ話にのみ語られる空想の物語。存在するはずのない、虚構…「そう、でもね。ここに祀られているのは、アイドルの神様なのよ」リツコの背後に巨大な壁画が描かれている。春めいた色の…天使だろうか。

2015-11-05 21:10:05
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「彼女こそがアイドルの神、アイドルマスター。そして、私達は彼女の再臨を願うもの」「…リツコ=サン?」リツコがイクの肩に手を添える。イクは身動ぎするが万力めいた両手が離さない。「貴女には素質がある。…アイドルの素質が」「い、嫌っ」リツコの手を振り切ってイクは出口へ駆けた。「…フフ」

2015-11-05 21:20:09
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

イクが出口に達する直前に、礼拝堂の扉を覆い隠すように白い雪の嵐が巻き起こった。不可思議な嵐はイクとリツコを取り囲むように吹き荒れる!「…これは」「これは私のカザハナ・ジツです」振り向くと、佇むリツコの目に怪しげな臙脂色の光が輝いている!コワイ!「もうこの変装も必要ないですね」

2015-11-05 21:25:06
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

そう言ってリツコが顔を撫でると、ナ、ナムアミダブツ!手の下から現れたのは別人の顔である!「タカネ=サン!?」然り、彼女は上級生のタカネ!いつの間にか体格まで変化している!フシギ!そしてタカネは妖艶に微笑み、両手を合わせアイサツした。「ドーモ、イク=サン。フラワーガールです」

2015-11-05 21:30:12