【GUNNER】- “MASTER SPARK” Illuminate the Darkness-

霧雨の鎮守府＠SS＆脳内設定アカウント @kirisame_zaha

18. 瑠璃色の龍玉、確か新大陸の伝承でだったか聞いたことがある。確か…… 「手に入れたものの全てが終わってしまうという伝説の龍玉……」 警戒をまた強めつつ聞く 「つまりうちの艦娘が向かう前に艦娘を沈めたのもそのサルベージのためか？」

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19. 「ああ…あれは違うさ……あの個体はもう艦娘じゃない……言ってしまえば深海棲艦さ……」 訳がわからない、といった感じの表情をしたザハ提督を見ながら話を続ける。 「深海棲艦になりかけの艦娘…俺はコロージョン個体と呼んでいる……」

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20. 「コロージョン艦娘？」 大本営からの情報にもデータベースにもこんな情報はなかった。だが艦娘と深海棲艦の関係については度々指摘されている。 「しかし、最初のレーダーには確かに艦娘の反応がありました」 船内が落ち着いたのかやりとりを聞いていた大鳳より通信が入る

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21. 「まあ…判明したとしても…お偉いさんが公開するわけないな……コロージョン個体の身体は…あくまで艦娘のものだ…深海棲艦とは別だな…レーダーで判別できないのもそのせいだろう……」 FGWカードを格納する仮面ガンナー。 「しかしああなった以上は…倒す以外に無い…例外はあるが…」

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22. 確かに大本営にとって深海棲艦＝艦娘は一番確定させたくない事実であろう。 「なるほど、早とちりしてすまなかった」 そういえば武蔵がまだ戦闘したままだった 武蔵に事情を話し艦娘母艦を戻るように指示を出した 「ハンターのことといいとにかく事情はわかった。続きは中で聞こう」

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23. 「んじゃあ…こっちも……」 仮面ガンナーはライザーを取り出す。MFGWである天龍とは、ライザーを通して通信のように直接会話できる。 「天龍…お前もこっち戻って来い……あ…艤装もついでに運んできてやれ…」 『了解！…って提督、何かあったのか？』 「ああ…とにかく戻れ…」

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24. 艦娘母艦の応接室 榛名は一時的に気を失っていたものの艤装の破損も含め全体的に軽傷であった。高速修復材も含めてすぐ元気になった。最初に攻撃を受けたヴェールヌイも現在入渠で整備している。 武蔵は戻った際に天龍から艤装を返されたがなんか腑に落ちない表情ではあった。

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25. 「先ほども少し聞いたことだが。ああ、もちろん紅茶には何も入っていない。まあハンターなら心配無用か」 榛名が姉からいつももらう紅茶を飲みつつ話を続ける 「その機械は瑠璃色の龍玉の力がなければ扱えないってことは今のところこんな人外なことをできるのはお前さんだけってことか」

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26. 仮面ガンナーは差し出された紅茶に、秘匿泊地で拾ったキャンディのミルク味を2個入れ、ミルクティーのようにして飲みながら質問に答えた。 「ああ…そのせいでよく艦隊にも襲われるよ…書類上は提督なのにな…」 ミルクティーを飲みつつ、ライザーを眺める仮面ガンナー。

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27. 「ふむ、書類上……か」 とはいえこんな人外じみたのを提督扱いしてしまっては大本営としても都合が悪いのだろう。そもそも提督として登録できるのだろうかと思った時にふと思い当たりがあった 「ちなみにりかさん……いや、リカルド提督とはどういう関係で？」

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28. 「ああ……彼とは…元いた世界で共闘していたことがあってな……」 ミルクティーを飲み干し、カップを置く。 「鹿屋鎮守府に行った時に…彼が俺の提督籍を確保してくれたんだ……」 自身が使用するガスマスクを眺める仮面ガンナー。 「………柱島泊地所属だが…行ったことはない……」

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29. 「ふむ、新大陸のハンターか」 ハンター時代のリカルドはザハと違って新大陸のハンター。仮面ガンナー同様ハンター時代のザハと面識がなくて当然だろう 「行ったことがない……か。つまり自分自身が鎮守府と」 りかさんなら何かしら上手くやってくれたのかもしれない。

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30. 「そういえば……」 仮面ガンナーは、ふと思った疑問をぶつけてみる。 「何故……お前たちはここにいる…？こんな大きな母艦でピクニックというわけでもあるまい…？」 正規の提督なら勝手に派手な真似はできない、と仮面ガンナーは考えた。

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31. 「ああ、間もなく大規模な作戦が展開される。『SN作戦』と呼称されている。今各地の艦隊が今作戦海域へ向かっている」 帽子をかぶり直しふと考える 「なるほど、つまり情報が回ってきていなかったということか」 そもそもここで遭遇したのがお互い予定外であったのだ

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32. 「大規模作戦があるなんて初耳だぞ……やはり俺のことは隠蔽したいらしいな……」 仮面ガンナーは自身のヘルメットの汚れを拭き取りながら呟いた。 その時だった。艦娘母艦に一人の艦娘から通信が入る。その通信は、先程から付近の偵察を行なっていた大鳳からだった。

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33. 「大変です。敵艦隊を発見しました……しかし敵旗艦が」 少しいいとどまっているような大鳳にザハ提督が返す 「どうした？」 「あり得ません。敵旗艦、軽巡棲鬼」 その名前を聞いた時ザハ提督、そして艦娘をも耳を疑った。仮面ガンナーを除いて 「敵旗艦、こちらに接近中です！」

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34. 「軽巡棲鬼……軽巡洋艦か…？」 初めて聞く名前だった上、名前から軽巡洋艦級であると予測した仮面ガンナーは、周りが何故焦っているのかわからなかった。 「なんだ…そんなにやばいやつなのか…？」 ザハ提督に問う仮面ガンナー。

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35. 「ああ、確かに分類は軽巡洋艦だ。だが耐久はそこらの戦艦を軽く凌駕する新型の化物だ。しかも厄介なことに深海棲艦の中ではかなり神出鬼没だ。」 やはり軽巡棲鬼は独自に行動を……かつて泊地で聞いた話を思いだしながら仮面ガンナーの質問に答えた

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36. 「………つまり無視は出来ないわけだな…？」 仮面ガンナーはライザーを取り出し、立ち上がる。 「だったら潰す以外にないだろ…？」 VR鎮守府内で修復中のFGWを確認する。自らの横に立っていた天龍はもちろん、他の5人も既に戦える状態にまでなっていた。

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37. 「被害は最小限に食い止めてやり過ごしたいところだが……」 そう考えていたところで 『吾輩が出よう。偵察なら今いけるぞ』 通信が入った利根がすでに出撃準備を整えていたところだった 「了解した。偵察を頼むぞ」 利根が艦娘母艦『よほろ』の影に隠れるように出撃し、偵察機を放った

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38. 艦娘母艦を盾にした状態で偵察機を放つ しばらくして報告が入る 「偵察機によると軽巡棲鬼の艦隊に航空戦力は無し」 これは好都合であった。うまくいけばアウトレンジ攻撃による先制から弾着観測射撃も可能であろう なら瑞鶴と大鳳に攻撃隊をと思ったところでふと仮面ガンナーが立ち上がる

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39. 「大規模作戦が控えてるなら…航空戦力は大切にしておけ……」 仮面ガンナーはライザーから2枚カードを取り出す。 「蒼龍…千歳…空から奴らの戦力を削ってやれ……」 『了解です！』 『私たちに任せて！』 カードから蒼龍と千歳の声が。それを見たザハ提督は少し驚いていた。

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40. カードから声が？摩訶不思議な現象だが先ほど仮面ガンナーが言っていたことからすると艤装として構築はするが艦娘としての自我は失っていないというところだろうか。 「仮面ガンナー、出れるのか？」 立ち上がって移動する仮面ガンナーに艦娘母艦の甲板までついていく

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41. 仮面ガンナーはメインのFGWを全て展開し、更にライザーを操作する。すると海の向こうから、先ほどまで乗っていた脱出艇が自動操縦で戻ってきた！ 「こいつで動き回りながら暴れる……まあ…なんとかなるさ…」 そう言って仮面ガンナーは甲板から脱出艇の屋根に飛び乗った！！

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42. 「何とかなる……か」 仮面ガンナーを見送ったところで利根からさらに通信が入る 「それはそうとさらに入電じゃ。軽巡棲鬼の護衛に戦艦タ級が２隻他巡洋艦駆逐艦数隻じゃ」 戦艦タ級が２隻……いくら先ほどの戦闘により仮面ガンナーが只者ではないにしろ軽巡棲鬼に戦艦タ級２隻は分が悪い