【シナリオ】白幕の坂【完結】

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ただしまor酒のお供 @vatdsm

【結果】花が咲き誇る広い庭だった #白幕の坂

2015-12-15 22:34:12
ただしまor酒のお供 @vatdsm

吹き抜けから白い光が降り、一面に咲き乱れた花々で埋まった広い庭。先程の惨劇は跡形もなく、和かに花の手入れする修道士の姿がそこにあった。驚きのあまり言葉を失い、やがて庭へ躍り出た赤目の少女は笑みを弾かせる。早く早く!手招き急かす彼女を尻目に、あなたは少年へ視線を投げた。 #白幕の坂

2015-12-15 22:34:37
ただしまor酒のお供 @vatdsm

きみはもう自由だよ。そう牙をチラリ見せた少年は呟く、罪は拭い流したと。色鮮やかな背中を一瞥した後、幼い男の子は何倍もの大きさ誇る蛇の頭へ、ぴょんと飛び乗りあなたを見下ろした。またね、一言の別れは宙で消え去る。罪、何千人も巻き込み殺した旅人は、蜜が香る暖かな庭へ入った。 #白幕の坂

2015-12-15 22:35:05
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【分岐】「祈りは終わりましたか」親しげに声掛ける若い修道士は、無邪気な少女をのんびり眺め微笑む。頷いたあなたは、今までに辿った道筋を記憶に繋げながら疲れた目を癒した。「時間は戻った、か」疲労と共に言葉こぼしたあなたは…… #白幕の坂

2015-12-15 22:36:24
ただしまor酒のお供 @vatdsm

草花の傍に転がり空白の天井へ仰いでる少女、その隣にそっと腰下ろす。さくさくと奏でる細く強い緑の大地は、微かに吹き込む風でゆっくり踊った。かつては広間の一つに過ぎなかったはずの空間が、床は剥がれ土が敷き詰められてるなんて誰が思ったか。「見せたかったのは、これだったんだ」 #白幕の坂

2015-12-16 23:51:28
ただしまor酒のお供 @vatdsm

パチンパチン、と庭の手入れを再開させた修道士は、邪魔にならぬ様と距離をとって作業にかかる。「お日様がみんなに言ってたんだ、ここにお庭作ってほしいって」小さな身体を不思議な地面に委ねながら、少女はポツリと語った。そっか。短く相槌打ったあなたは、信仰する天の光へ見上げる。 #白幕の坂

2015-12-16 23:51:55
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【分岐】『馬車はまだ来ない、少女を陽の下へ返すまでは恐らく一生』かつて目にした一文を思い出す。何を暗示していたか、果たして誰が書いた手記なのかも分からない。ただ、あなたには一つの確信が芽生える。 #白幕の坂

2015-12-16 23:53:16
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【結果】少女が助けてくれたのだと #白幕の坂

2015-12-18 13:38:44
ただしまor酒のお供 @vatdsm

そっと寄せられた小さな掌は片手の甲に乗せられ、微かな温もりに目を細めた。覚めない夢の数々ではまるで生きた心地がしなかったが、乗り越えた価値は充分にある。黒い森と夜の海、曇天に覆われた廃墟を辿った道はまるで罪を拭う為の坂のようで。「お、こんな所に居たのか」突如声が響く。 #白幕の坂

2015-12-18 13:39:12
ただしまor酒のお供 @vatdsm

張り上がる音量に肩が跳ね、あなたは慌てて空いた人差し指を口元に当てて見せた。寝息を立てる少女は、ころりと寝返り打つだけで静かになる。武装した男は怪訝になるが、現状を察したのか照れ笑い。立派な庭を見回せど無い姿に、やがて首を傾げた。「もう終わったよ、この子のお陰でね」 #白幕の坂

2015-12-18 13:39:57
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【分岐】そうか。驚いた素振りなく、男性は少女の寝顔に頬を緩ませる。静かな時は過ぎ去り、やがて踵を返し避難解除の知らせを届けに向かっていった。ふぅと一息吐いた後、あなたは疲れた身体を大地に寝かせる。やがて時刻は…… #白幕の坂

2015-12-18 13:41:23
ただしまor酒のお供 @vatdsm

空が熟れたオレンジへと染まる夕方となり、生きた影の鳥が騒ぎ始めた。吹き込む風は草花を揺らし、涼しげな音を鳴らす。あなたが揺すられる肩に意識戻したのは、それから数分経った頃だ。呼び掛ける声に瞼を開けると、視界に広がる景色に寝呆けた脳が瞬く間に覚醒した。感謝を捧ぐ時間だ。 #白幕の坂

2015-12-19 21:29:31
ただしまor酒のお供 @vatdsm

起こしてくれた少女も同様なのだろう、パタパタ庭の出入り口に向かい、早く早く!とあなたを急かす。就寝に入る太陽の感謝を日々欠かさない。何故なら此処は『太陽の塔』であり、お互い太陽を神と見る崇拝者なのだから。今朝の広い部屋とは打って変わり、辿り着いたのは白に塗られた一室。 #白幕の坂

2015-12-19 21:29:54
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【分岐】四方に壁と一つのドア、天井からは頼りない照明。それ以外は何もない。あなたと少女は一室の中央に座り、数分に渡る祈りを捧げた。今日も素晴らしい日をありがとうございます、と。そしてあなたは立ち上がり、少女に一言放った。 #白幕の坂

2015-12-19 21:31:20
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【結果】「外でお空眺めに行こう」 #白幕の坂

2015-12-20 23:12:41
ただしまor酒のお供 @vatdsm

「夕食になるまで空、見に行こっか」通路を渡り、祈りを捧げる内に空は藍へ侵食される。空の炎は山奥で鎮火しつつあり、隠れた白の宝石が露わとなる時間帯。少女は上目遣いした後、ルビーを瞼で覆い元気一杯に頷いた。吹き抜けた中庭でなく広々とした施設の外へ、少女と手を繋ぎ歩き出す。 #白幕の坂

2015-12-20 23:13:05
ただしまor酒のお供 @vatdsm

灯りは最小限。照らされたのは無数の花壇と、夜と閉ざす深い森の出入り口だ。すぅ、と小さな口で息を吸い吐き出した少女は目を細め、藍色のカーテンに散らばる星屑を映した。「きれい」ポツリ溢れた言葉に微笑みながら、あなたは傍の石段へ腰掛ける。日が降りて吹く風は、少しだけ肌寒い。 #白幕の坂

2015-12-20 23:13:32
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【分岐】背中へ振り向けば、白く立派な『塔』が満月を突き刺さんばかりに伸びている。「今日、夢を見たんだ」ふと沈黙を切ったあなたは、赤目の少女と目が合う。「どんな夢だったの?」幼い瞳は、星のように瞬かせた。 #白幕の坂

2015-12-20 23:14:37
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【結果】不思議な夢だったと答える #白幕の坂

2015-12-22 00:59:47
ただしまor酒のお供 @vatdsm

僅かな光を数秒の遮断、そして見てきた景色が焼き付く脳裏に微笑む。「不思議な夢だった」馬車に揺られ眠りに落ち、気付けば塔を囲む森で倒れ、透き通った君と出会った。でも名前が思い出せなかった、当時の状況を付け足して。おとぎ話を聞かすよう出来事語り数分、少女は耳を傾けていた。 #白幕の坂

2015-12-22 01:00:16
ただしまor酒のお供 @vatdsm

「変なの」物語に幕閉じると少女は一言。あなたは驚いたあまり、赤目を凝視する。しかし少女に悪気はなさそうで。「同じ夢見たの」少女から綴られる夢物語は、伝えた出来事以外もピタリ一致し、思わず言葉失う。そしてあなたは震える手で、少女を抱き締めた。ありがとう、そう礼を伝えて。 #白幕の坂

2015-12-22 01:01:09
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【終章】人気なく澄んだ空気に、靴底が奏でる。積もる結晶を避けて通り、砕けた瓦礫を踏み越え、やがて辿り着いた場所は草花が生い茂る庭。180近くの背丈を持つ男は、一冊の書を片手に生きた庭を一望した。圧倒的な生命力は、墜ちた白の塔を物ともせず見せつける。これはまるで、聖域。 #白幕の坂

2015-12-22 01:03:24
ただしまor酒のお供 @vatdsm

噂とは人々の間を渡る内、次第に虚言が事実となり、大袈裟に変わる。しかし.疑い掛けた噂は真実として視界に広がった。『太陽に最も近い庭』書に黄金の字で記している。「お前、何の用?」その時だ、青さ残る声に男は振り向けば、巨大な大蛇から見下す少年。「おとぎ話の調査に来たんだ」 #白幕の坂

2015-12-22 01:04:09
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