露悪家のにっかり青江が徘徊するほど行き先がない～尼崎本興寺編～

露悪家のにっかり青江 @SadomasoAoe

物凄く生活感ある感じに自転車とかいうのが止まっているよねぇ。本興寺は街中に穴を開けたみたいに佇んでいて、寺の集合体の中のひとつといった趣だったよ。ここは寺としては正面、駅から見ると奥まった方にある入り口だね pic.twitter.com/KnXdLirHWf

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この日は虫干会と一緒に三光会というのをしていてさ、朝から…僕が着いた昼四つからだとふたつ御堂を経て最終的に本堂で法要って要領で昼まで延々読経が続いていたんだよね。 昼四つの時点で始まってから半刻過ぎていたから、もうひとつくらいは御堂使っていたのかも知れない。どうなんだろうね

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結局さ、目当ての数珠丸に辿り着いたのはこの三光会が終わってからなんだ。僕は特に何か熱心に信仰しているような積もりなんて欠片ほどもないのにねぇ？…強いて言うなら勝家様とお揃いで禅宗とでも主張しようか。だとしても法華宗ではないのは明らかだよ

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まあちゃっかり御洗米まで貰っておいて何を言ってるのかって話だよね？分かるよ、うんうん。 ほら、仮にも親戚に初めて会うんだから気合は入るよね pic.twitter.com/bdgEA0vqBI

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つまりさ、数珠丸を佩刀した日蓮上人にご挨拶してから…って事だね。なんちゃってで前後左右から聴こえてくる妙法蓮華経を唱えつつやけに冷える床を爪先で温めて過ごす時間も悪くはなかったかな。何せ紋が、鶴の丸とさ、雁…雁だよ。 普通の雁なんだけれどね、偶に、嘴が開いていてさ…

露悪家のにっかり青江 @SadomasoAoe

こんなところで不意打ちを受けるなんて思いもよらなかったよね。調べはきちんとしておくべきだって身に染みたよ。お陰様で本能寺で途方に暮れなくて済むのは有り難いけどさぁ…本能寺も、法華宗なんだよね。確実に同じ理由で怯むのが目に見えるよ

露悪家のにっかり青江 @SadomasoAoe

そんな具合で坊主の袈裟を眺めて落ち着いたり盛り上がったりを密かに繰り返してね、もう、この時点で頭の中は勝家様でいっぱいだから何しに来たのだか分からないね。 それでも一応きちんと拝んできたよ、数珠丸もさ

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宝物殿には当然数珠丸以外にも色々と保存してあってさ、こんなのもあったよ。殿の書いた禁制。フフ、読めないよ僕じゃさ。でも、花押に見覚えがあるからそこだけ、ね。 他にも三好がとても多かったねぇ。徳川もあったよ pic.twitter.com/XTrdLDjzOn

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三好に関してはそこにいい三好の刀がいるから、気になる子は聞いてご覧。勿論三好の刀以上に織田の刀だから悪い虫はお断りさせて貰うけれど。 河内を中心に畿内は一時期三好が権勢を振るってよく賑わったんだよ @mys_souzasmnj

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そんな具合で一階は紙の資料が多かったよ。多量の禁制。これがあると略取の対象にならないからね、本興寺が手厚い保護を受けた寺だというのが分かるよね。 で、本題だった筈の数珠丸は二階だよ。階段を上ると徐々に胸が…苦しくなったりはしなかったんだ、残念ながらさ。殿の禁制で頭が一杯だったよ

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でもほら、これのために非番を取ったんだ。対面しないって選択肢はないよね。 当然なんだけれど、茎が生ぶだったよ。当然なのに、いざ見ると少し不思議な気分になったね。この気分の良し悪しはよく分からないけどさ pic.twitter.com/KQXkPVa5Aq

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姿としては先ず見た通り、腰反が高いね。つまりやたらに反っているということだよ。悪意を感じる紹介だ？そうかもねぇ。 細身で踏張りもある。踏張りっていうのは切っ先と区…マチの幅の差だね、これが大きければ踏ん張りが強い

露悪家のにっかり青江 @SadomasoAoe

参考に僕だよ。にっかり青江だね。本歌だから僕というのは違うけれどまあ便宜上ね。なかなか太くて逞しいだろう？刀身のことだよ。 身幅は切っ先から区まで確りしているし踏ん張りは控え目だね。序でに言うと恰好いい樋が通っているし強そうだよね pic.twitter.com/Nz2J4OfkCB

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露悪家のにっかり青江 @SadomasoAoe

こういう具合で、同じ青江の刀だけれど随分違うんだよね。刀は戦の発展に合わせて細かく姿を変え続けていたからさ、つまり数珠丸と僕は世代が違うんだ。会ったからってピンとこないのはこのせいなのかなって思うよ。 さて、数珠丸に戻ろうか

露悪家のにっかり青江 @SadomasoAoe

形としてはさっきの通り、流行ったのは平安末期から鎌倉初期だね。日蓮上人が数珠丸を手にしたのが鎌倉初期、文永の頃だから比較的打ち立てほやほやを佩ていたんじゃないかな？ さて、ここからは写真を更に写真に撮ったのではで分からない部分に触れてみよう

露悪家のにっかり青江 @SadomasoAoe

どうせまた寝落ちするんだろうけど、寝るまでに少しね。 地金はとても青かったよ。深いとでも言ったらいいのかな、底知れない具合だったね。水底…は、沈んだことがないから言い切れないけれどこんな具合なんじゃないかな？ その青の上に刃文は直。薄く、とても真っ直ぐで色気は余り無かったかな

露悪家のにっかり青江 @SadomasoAoe

この色気のない薄い直の刃文の中に所々小足が入って、地味に主張してくるのはなんなのかな。…刃文というのは写真では確認が難しいから、実際にどんな具合が知りたい子は「押し型 数珠丸」とでも検索してみるといいかもね。因みに僕の主観で色っぽい刃文代表は往時の宗三だから、比較に使うといいよ

露悪家のにっかり青江 @SadomasoAoe

ここまで喋って僕は数珠丸嫌いなのかなって気がしてきたね…。好きの反対が無関心だとすると嫌いというのは何なのだろう？そもそも憎悪とかは無いんだけれど、これが世間で言うところのコンプレックスなのかな？嫌だなぁ。ほら、多分宗三が全ての基準なのが悪いね。他が見劣りするのなんて仕方がないよ