#完全ノープラン艦これ与太話 【イン・ザ・ファイナル・デイ・オブ・オミナント】１２２５０６００【リヴァーサル・オブ・コンパス・オブ・フォーチュン】#5～#6

春魔解丼 @vespiking

【#KZNPLN】

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「メルカトル＝サン」否。あろうはずもない。己は最早、ヤクザにも劣る外道である。ならば。なればこそ。「行きましょう。援護します！」「……ハイ！」龍鳳はメルカトルと同時に跳躍した。これ以上、彼女に何も喪わせぬ為にだ。これ以上、彼女に何も捨てさせぬ為にだ。 #KZNPLN

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「全機、着艦用意！第2次攻撃の装備換装に入る！」龍鳳の可変式飛行甲板が展開し、滑走路をランプが走る。「メルカトル＝サン！追撃来ます！要撃支援を！」「ハイ！イヤーッ！」メルカトルは要撃機を3機発艦、着地と同時に横へローリング回避！急降下爆撃機の制圧射撃を躱す！ #KZNPLN

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爆撃機は一直線に龍鳳の可変甲板を目指す。「キエーッ！」龍鳳は懐からヤクザカスタム噴進砲を取り出し発射！スポポポポ！『ピガガーッ！』爆撃機3機撃墜、残存2！噴進砲の反動で空中回転した龍鳳の背に制圧射撃が浴びせられる！「アバーッ！」ナムサン！小型のアンタイ艦艇榴弾だ！ #KZNPLN

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特殊な成形炸薬エネルギーが龍鳳の装甲装束と外皮を貫き、内側で爆裂。「オゴッ……！」龍鳳の豊満な胸が突き破られ、肺と心臓の残骸が噴出した。ジカンカイフク・ジツによる再生まで、およそ10秒。その間、酸素と血流が停止する。思考を最小限にセーブし、脳の酸素を節約する。 #KZNPLN

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意識が遠くなる。途切れぬギリギリで踏み止まり、色彩を失った狭い視界に注力する。メルカトルの要撃機が到着し、1機撃墜。2機目を狙うが、数発の被弾ののち回避。狙うは甲板。残った血でどれだけ動くか。左腕を引き、抱え込むように守る。メルカトル機がUターン。間に合わない。 #KZNPLN

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爆撃機もまた、死に体だった龍鳳の急な回避行動に対応し切れず誤爆。龍鳳の側頭部を直撃し、顔面の半分が吹き飛ぶ。ここで龍鳳の意識が途切れ、自由落下。ボコボコと傷口が泡立ち、再生を始める。誤爆した爆撃機はその直後、メルカトル機によって撃墜。「龍鳳＝サン！」 #KZNPLN

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「アー……大丈夫です、ハイ」龍鳳の再生がおよそ完了し、意識が戻る。半壊した臓器がやかましく痛覚を叩く。彼女は無視し、左腕を突き出した。精鋭2機が帰投。「龍鳳＝サン、次は……どうしたらいい！？」メルカトルが叫んだ。「……同じですよ。我々も。海戦の基本……空母を潰す」 #KZNPLN

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無貌四臂の怪物は吠え声も上げず、一直線にヤセンスレイヤーへと突撃する。「イヤーッ！」ヤセンスレイヤーは瓦礫や壁を蹴り飛んで後退し、ライフル弾をばら撒く。壁際まで達した彼女は怪物を引き付け、直前で横へ跳躍。怪物が壁に突っ込む。背に銃撃。怪物は声もなくもがく。 #KZNPLN

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怪物の背がバカリと開き、継ぎ目だらけの骨と肉が顕になる。ヤセンスレイヤーはニンジャ第六感に従い、追撃をやめ最近の遮蔽物を探す。一瞬遅れ、怪物の裂け目から機銃弾、魚雷、小口径榴弾などの雑多な弾薬類がばら撒かれた。ヤセンスレイヤーは弾雨をかき分け遮蔽物に潜る。 #KZNPLN

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「まるで半壊寸前のゲリラ兵だ」ランドグリーズは弾雨を躱しながら言った。雑多な弾雨には統一性がまるでない。「最早、何が何と戦っているかすら理解していないでしょう」「あまり良い気分はしないな」2隻のニンジャは合流し、背を合わせた。「せめて手短に。それが救済です」 #KZNPLN

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2隻はアイコンタクトを交わし、同時に反対方向へと跳躍。それを待っていたかのように、瓦礫のトーチカが崩れた。「イイイヤアアアーーーッ！」弾雨は放射状に展開し、密度が薄くなる。2隻は怪物を挟み込むように魚雷を展開。巨体に突き刺さり、怪物はのたうつ。 #KZNPLN

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頭部が失われた怪物の首から、危険な骨スリケンが飛ぶ。ランドグリーズは義手で骨スリケンを弾き、三連続前転で懐に転がり込む。義手の装甲がひしゃげ、接合部が悲鳴をあげる。「良い硬さだな。これは誰の骨だ？」ランドグリーズは小型擲弾筒を取り出す。「わからんか。だろうな」 #KZNPLN

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ランドグリーズは擲弾筒を怪物の膝にあてがい、胴体に向け、「誰の犠牲が手柄を挙げたか。それすらわからんイクサは最早、ただのジゴクだ。勝っても負けてもな」無慈悲にトリガを引いた。ＫＢＡＭ！擲弾が胴を、反動が膝を破壊する！これぞジュー・ジツの禁じ手、ニーモーターである！ #KZNPLN

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ブモオオオオオ！恐るべき咆吼が響く。声ではない。ゲノムレギオンの体内に溜まった気体が、擲弾破裂によって生じた爆圧で押し出され、肉を貫き鉄骨を軋ませているのだ。生命のメカニズムに依らぬ声なき声は、兵器らの死をアニミズム的に想起させた。脚が潰れ、巨体が崩れる。 #KZNPLN

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それでも怪物は暴れ狂った。壁を殴り、床を砕き、のたうつように周囲の物体を削り落とした。肉片を纏った骨スリケンが周囲に撒き散らされた。ヤセンスレイヤーはスリケンの嵐をかき分け進む。腹に深々とスリケンが突き刺さる。それでも彼女は突き進んだ。 #KZNPLN

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丸太めいた腕がヤセンスレイヤーの脇腹を打つ。肋骨がひしゃげ、肺から押し出された空気が口から漏れる。カジバチカラで腕を掴み返し、その根源へと這い寄る。擲弾で裂けた肉の中心に、常人の3倍はある巨大な心臓が脈打っている。ヤセンスレイヤーは奮い立ち、カワラ割りを構えた。 #KZNPLN

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精神統一。師のインストラクションを反芻する。ゼンの修行をするさい、川内はしばしばカラテでそれを代用した。イクサしか知らぬ不器用な師であった。だが世に溢れるインスタントな救済祈願メソッドと違い、そのカラテは祈りのみから出でたものだった。綾波は肺に新鮮な空気を満たす。 #KZNPLN

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己もまたカラテしか知らぬ。カラテと、祈りしか知らぬ。礼も作法も知らぬ付け焼き刃のボンズである。なればこそ、彼女は信ずるしかなかった。祈りの意味を。原初の信心を。「……ナムアミ、ダブツ」綾波は涙を流し、怪物の心臓へと拳を振り下ろした。 #KZNPLN

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#完全ノープラン艦これ与太話 【イン・ザ・ファイナル・デイ・オブ・オミナント】１２２５０６００【リヴァーサル・オブ・コンパス・オブ・フォーチュン】#6終わり。#7に続く。 #KZNPLN

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