「主戦か講和か」新潮選書読後感想

仏塔　ぐでだま亭免堂苦斎 @wheyh

昨日この本を読んだのでちょっと感想をつぶやいてみる。⇒『主戦か講和か: 帝国陸軍の秘密終戦工作』 (新潮選書) 山本 智之 amazon.co.jp/dp/4106037319/… @amazonJPさんから　#新潮選書 pic.twitter.com/k932u9EbBu

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もちろん大東亜戦争について帝国海軍だけが正当化されるとは全く思っていないし、帝国海軍にも相応の責任はあると思っている。しかし、帝国陸軍が国を誤らせた罪は大きい。帝国陸軍内部に講和に持ち込もうという動きがあったことを詳細に書いたこの本はお勧めだと思う。　#帝国陸軍　#大東亜戦争

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参謀本部作戦課が今の時点から見れば、キチガイじみていたというのは他でも指摘されていることだが、この本を読むと本当にキチガイで唖然とする。1944年時点でやっと太平洋での戦いに本腰を入れた、つまりそれまでは海軍にお任せだったというのが信じられない。　#参謀本部作戦課　#帝国陸軍

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参謀本部内の講和勢力に作戦指導課（班）が当っていたというのはこの本で初めて知った。大東亜戦争半ば過ぎに帝国陸軍内部でも「この戦争はあかん」という声があったことも知った。だが、大いなる官僚組織だった帝国陸軍で「講和」を言うことは官僚、軍人としてのキャリアをフイにすることだった。

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景気の良い好戦派は左遷されてもまたすぐ中枢に戻ってくる。しかし講和派は本当に左遷される。このバランスの悪さは帝国陸軍の悪弊としか言いようがない。何度も言われていることだが、帝国陸軍内の序列、幼年学校⇒士官学校⇒陸軍大学校での成績で出世が決まる。こ

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そして旧制中学校から士官学校に入った者は最初から幼年学校卒業者にハンデがつけられている。これは官僚組織であり軍隊ではない。優秀な成績を収めた「ペーパー試験馬鹿」が前線にも出ずに作戦を考える。そして失敗してもかばわれる。前線の指揮者は失敗の責任をとって自決させられる。　#帝国陸軍

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どうしても好戦派が陸軍内の主導権を握るようになっている。そしてそれを将官連中でさえ止められない。陸軍大臣、参謀本部長ですら。その中でなんとか講和に持っていこうとする作戦指導課（班）の軍人。しかし、彼らの考えも今から見れば甘い。ソ連に何とか講和の仲介をしてもらおうとする。

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当時としてはソ連以外に仲立ちをしてくれる相手がいなかったのは分かるが、同盟国ドイツ第三帝国と戦っている国が日本側に有利に動いてくれると思う方がおかしい。作戦指導課（班）は何とか政治家、海軍などにも働きかけをするが、肝心の陸軍内部は好戦派の作戦課に有利。#帝国陸軍

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それが大東亜戦争が劣勢になるにつれて、帝国陸軍内部の日和見派（これが大多数を占めていたようだが）が次第に講和派になびいてくる。だが時間がかかり過ぎていた。帝国陸軍の日和見派の上層部ですら軍内部、政府、海軍に対しても主戦をまくしたてる。　#帝国陸軍　#参謀本部作戦課

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無知で恥ずかしいことだが梅津参謀総長が内心は講和に傾いていたとこの本で初めて知った。その梅津参謀総長ですら、天皇陛下の前では主戦を主張し続けた。大東亜戦争の時の日本が軍事国家だと言うのは嘘で、ただの官僚国家でしかない。　#帝国陸軍　#参謀本部作戦課

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帝国陸軍内部に講和の動きがあったということをこの本で知ったが、それでも戦争を継続させどうにもならないところまで引っ張っていったのは帝国陸軍だった。それも日本をどうするかという観点は全くなく、ひたすら自分の役所の都合でしかない。講和派も日本が劣勢になるのを待つしかなかった。

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もう無茶苦茶。なぜこうなったのかを考えるとやはり5.15事件、2.26事件にぶち当たる。2.26事件というクーデターは未遂に終わったが、やはり日本の指導者に与えた恐怖感は甚大なものだった。阿南惟幾陸軍大臣の伝記を読んだが、終戦時に彼が陸軍大臣だったということは不運だったと思う。

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しかし、誰かがその役目（陸軍を終わらせる）をやらなければならなかった。主戦派の青年壮年将校達を抑えるには割腹自殺も仕方なかったのだろうと思う。それにしても阿南大臣の義弟竹下正彦中佐が、阿南大臣に「切腹しろ！」と迫った話には驚いた。真のキチガイであると思う。　#帝国陸軍

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とにかく帝国陸軍内部に講和派が存在したということは収穫であった。が、大日本帝国陸軍という巨大な『官僚組織』の内部にキチガイが大勢いたと言うことは、日本人というものに対する絶望感がわいてくる。おそらく今でも様々な『官僚組織』にキチガイがいると思う。　#帝国陸軍　#官僚組織

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イデオロギーに狂うことはアルコール度数の高い酒に酔うとの同じとはどこかの小説家が書いていたが、「神国日本」「一億玉砕」などと言う言葉を振り回していた「ペーパー試験秀才」達がいたことを考えると暗くなる。最近もそういうのが大勢いそうで、やでやでという気分になってしまう。　#日本人

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戦後になって参謀本部作戦課で主戦派だった某参謀が、警察予備隊に入ろうとしたが、政治家や講和派だった元戦争指導課（班）の連中から邪魔されたと言うのは誠に良かったと思う。自衛隊のトップにあんなキチガイがなっていたのでは、帝国陸軍の二の舞だ。　#参謀　#自衛隊

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ちなみに義兄阿南惟幾陸軍大臣に切腹を迫った竹下正彦中佐は、戦後自衛隊に入り陸将まで勤めて８０歳の寿命をまっとうしました。⇒ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AB%B9…　 なんなんだかなぁ（´･ω･｀）　#阿南惟幾陸軍大臣　#一死大罪を謝す