2014.12.24〜12.25虎徹さんbot(KTK_b)クリスマス ツイート

[2014年版]虎徹さんbot(KTK_b)がイヴからクリスマスの2日間に掛けて流したクリスマスの特別ツイート記録です。 二次創作作品になってます。
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鏑木・T・虎徹bot @KTK_b

人肌ってあったけえな・・・ 目を閉じれば、ことん、ことん、とかすかに鼓動まで伝わってくる距離。 何の抵抗もなく、零れたひとしずくが頬を伝っていった。 今日は少し、涙腺の調子がおかしい。きっと右手が痛むから。たぶんそう。 痛いからちょっとぐらい泣いても、しょうがねえよなぁ。

2014-12-25 00:55:18
鏑木・T・虎徹bot @KTK_b

「・・・お酒、は傷に良くないので。ホットミルクでもどうですか。今ならこっそりブランデーをサービスしますよ」 「ああ・・・いいなそれ。甘くしないのがいい」 「シュガーたっぷりですね。分かりました」 「ひでえ!」 背中越しの、他愛もない会話。願わくは、涙が乾くまで、このまま。

2014-12-25 01:00:22
鏑木・T・虎徹bot @KTK_b

(※本日午前中は「家族」水入らずにつき、行動はご想像にお任せします)←

2013-12-25 08:00:36
鏑木・T・虎徹bot @KTK_b

「昨晩のことは何と申し上げていいか、その・・・町を救っていただき有難うございました」 「いやいやいや! ンな頭下げられても困りますって!」 夜が明けてはっきり分かったことだが、バーナビーが門扉を閉め切る寸前に到達した雪崩の先端は町に入り込み、山側の通りは除雪に追われている。

2014-12-25 13:07:08
鏑木・T・虎徹bot @KTK_b

加えて、勢いを殺すために横からぶつけたもうひとつの雪崩と合わさった大量の雪が、町を囲む堅固な塀に沿って流れ、西側をぐるりと取り巻く形となってしまった。これでは、春が来るのは例年より先になりそうだ。 「むしろ余計なことしちまったかもって・・・すいません」

2014-12-25 13:07:32
鏑木・T・虎徹bot @KTK_b

「いえ!」しかし町長の息子の顔は明るい。「お陰さまで、子どもたちも大好きなメインツリーは守られましたし、大きな被害はありませんでしたから。それより、お怪我の方が」 「あーいや、なんてこたあないです、ほら」 と、手をひらひらして見せる。

2014-12-25 13:12:12
鏑木・T・虎徹bot @KTK_b

昨晩は包帯でぐるぐる巻きにされていた筈の右手は、見た目には綺麗に癒え、本当に何でもないように見て取れる。 「そうですか・・・なら安心しました」 「むしろ除雪作業をお手伝いしなきゃってぐらいで」 「なあに、除雪なんて、いつものことですから。どうぞお気になさらず」

2014-12-25 13:14:35
鏑木・T・虎徹bot @KTK_b

「・・・さっきから顔、怖いんですけどぉ」 「嘘つき」 「なんだよそれ」 「怪我、治ってなんかいないくせに」 「良くなってるだろ、どう見ても」 ポケットに入れている右手を、布地越しに掴む。 「ッ」 「ほら」

2014-12-25 13:20:57
鏑木・T・虎徹bot @KTK_b

バーナビーは知っている。愛娘や周囲に心配をかけないよう、こっそり夜中に何度か能力を発動して自己治癒力を高めていたことを。 結果、見た目には良くなったが。 「あなたのことなんて、お見通しです」

2014-12-25 13:26:16
鏑木・T・虎徹bot @KTK_b

ハンドレットパワーでの回復は、深部まではなかなか及ばない。同じ能力を持っているからこそよく分かる。 「敵わねえなあ、バニーちゃんには」 「・・・楓さんには黙っておいてあげます」 「ありがとうさん。ついでに会社にも黙っといてくれると助」 「ダメです」

2014-12-25 13:30:20
鏑木・T・虎徹bot @KTK_b

「そんじゃ楓、あと気ィつけて帰るんだぞ」 「うん、お父さんもあんまり無茶しないでよね」 「だーいじょうぶ。イザとなったら、頼りになる相棒もいるしな」 「虎徹さん」 意外なタイミングで話を振られ、相棒が珍しく目を丸くする。

2014-12-25 13:45:18
鏑木・T・虎徹bot @KTK_b

「あっ、あれバラして包んだやつ持ったっけ? 忘れてねえよな?」 「そんなの真っ先に持ったよ、だってバーナビーが作ってくれたお菓子の家だよ!? 忘れるわけないじゃん!」 「楓ぇ・・・パパも作」 「そんなの分かってるって」 お父さんのこと、大好きだもん。口にはしないけど。

2014-12-25 13:50:19
鏑木・T・虎徹bot @KTK_b

「楓さん、色々有難う。元気で」 「大袈裟だなあ、またすぐ会えるよ、きっと」 何気ない握手の折、バーナビーのポケットから紙片が落ちた。 「なんか落とし・・・あれ?」 「あ、それは」 「懐かしいな。え、まさかこれ、お父さんが?」 「にゅっ?」

2014-12-25 13:55:18
鏑木・T・虎徹bot @KTK_b

「楓さん、これが何か知ってるんですか」 「知ってるも何も、これオリエンタルタウンじゃすっごい有名ななぞなぞ・・・あっ列車来ちゃった、二人とも、またね! バーナビー、約束忘れないでね!」 「へ? 約束?」 「勿論!」 「ちょっとぉぉ、約束ってなにーー!??」

2014-12-25 14:00:23
鏑木・T・虎徹bot @KTK_b

「帰り、僕が運転しますから」 「いーよ、そんくらい」 「し ま す か ら」 「・・・・・・ハイ」

2014-12-25 14:05:18
鏑木・T・虎徹bot @KTK_b

「てか、さっきの何だよ、二人して約束って」 「今度はオリエンタルタウンでお会いしましょう、って言ってたんですよ」 「そんだけ? ねえホントにそんだけ??」 「運転手にちょっかいかけるの止めてください」

2014-12-25 14:10:20
鏑木・T・虎徹bot @KTK_b

「あ」 「今度は何ですか」 「帰りに寄ってほしいとこ、あるんだけど」 「何処です?」 「あのな・・・」

2014-12-25 14:15:49
鏑木・T・虎徹bot @KTK_b

「・・・あのぉ~、バーナビーさん?」 「なんですか?」 「俺達ここにいるのに、なんでTVに出てるわけ??」 ブロンズステージの虎徹の自宅リビングで、困惑顔と訳知り顔のふたり。 映し出されたクリスマス特番の映像の隅には、しっかり「LIVE」とテロップが出ている。

2014-12-25 20:00:21
鏑木・T・虎徹bot @KTK_b

「言ったじゃないですが、『番組に穴を開けないよう話をつけた』って」 「話ったってどーにもならないでしょ? もっとなんかこう物理的な問題とかじゃねえの??」 「事前収録分と巧く繋いでるんですよ。さすがアニエスさんだ」

2014-12-25 20:05:18
鏑木・T・虎徹bot @KTK_b

「そーいやサンタ服着て飛べって言われたあんな感じのシーンとか・・・いやいやでも今のはどー見てもリアルタイムでスタジオと喋ってるよね? あれってお前・・・あれ?」 よく見て感じる微妙な違和感。そういえばこう、何というか、迸るスタイリッシュさが物足りないというか。

2014-12-25 20:10:20
鏑木・T・虎徹bot @KTK_b

「んん? ・・・もしかして折紙か!?」 「正解。番組進行上必要な部分だけ代役をお願いしました。勿論、会社には話を通してますよ」 「抜っかりねえの~・・・あ、俺のもしてる。こりゃ今度なんか埋め合わせしねえとなー」 画面に映る、ちょっとだけマイルドなタイガーに心で手を合わせて。

2014-12-25 20:15:19
鏑木・T・虎徹bot @KTK_b

「・・・なあ、ところでお前、もう帰っていいんだぞ。運転疲れただろ」 「あなたこそどうするんです、その手」 「どーするったって・・・なあ」 「利き手を痛めてたらチャーハンも作れないし、生活困るじゃないですか」 「そりゃまあちょっとは不便かもだけどよ、なんとかなんだろ」

2014-12-25 20:20:19
鏑木・T・虎徹bot @KTK_b

「あの・・・ありがとうございました」 「ん? なんかあったっけ」 「・・・まさか、あなたが墓参りなんて言い出すとは思わなくて」 「あぁ、帰りのあれか」

2014-12-25 23:20:19
鏑木・T・虎徹bot @KTK_b

「お前のこったから、朝イチでお参り行ってんじゃねえかなーとは思ったんだけど。命日に息子さん借りちまったからな」 「いつの間に花まで」 「町でちょちょっと分けて貰った」 ・・・ほとんど一緒に行動していた筈なのだが、どこにそんな隙があったのだろう。

2014-12-25 23:25:18
鏑木・T・虎徹bot @KTK_b

「息子さん・・・相棒に、お世話になってまーす!って報告しといたから」 「・・・ありがとうございます」 「今の冗談だぞ!?」 「いえ」 胸に、ぽっと灯るような、何かあたたかいもの。 「僕も報告してました」

2014-12-25 23:30:22