はあちえりん氏によるBLATカーの解説

イラン・イスラーム革命独裁者アナルー掘ッラー・生ハメイニー師 @HuhChieriSwan

インディーカーの場合フロントの荷重はウィングでいくらでも調整できるし、古典的な (ロータス79のような) グラウンドエフェクト・カーと違ってフロントウィングで気流が邪魔されてDF効率が下がることもないので、ある程度まで欠点は相殺できたのだろう

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この分布図でもうひとつわかるのは、「通常の」車にくらべて、スリップストリームに入って追走しているときのダウンフォース損失が著しく少いこと　図面右側の車がその状態だが、負圧域はほとんど変化していない pic.twitter.com/gHS9r8m2w1

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BLATに先鞭をつけたイーグル81・シボレーがもっとも輝いたレースに、1981年CARTミルウォーキー戦がある　予選でエンジントラブルを起こし最後尾からスタートしたイーグルのマイク・モズレーは、「左から右から」つぎつぎにライバルを抜き去り、なんと一位でゴールしたのである

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この強烈な逆転劇を可能にした要素として、BLAT車の高いダウンフォース効率のほかに、前述の「スリップストリーム下でのダウンフォース変化がきわめて少い」ことも貢献したと考えられる

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参考として、三角翼下面の渦流のようすを可視化した図を上げておく　二等辺三角形の頂点 (画像奥側) にむかって、翼と平行の方向に進んでいるようすと思われる　この渦流がすなわち負圧域であり、ダウンフォース発生域となる pic.twitter.com/VymqJKVGOo

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そしてデルタウィングのアンダーパネル形状　三角翼状のボーテックス・ジェネレーターをふたつ並列させ、ダウンフォースを生み出しているようすがわかる　言うまでもなく手前が進行方向側 pic.twitter.com/kFSprAUMiq

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興味深いことに、デルタウィング・ニッサンのコンセプト画像においては、このBLAT用のビラビラは見当たらないことである pic.twitter.com/UsgaMrT6Ck

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デルタウィング・ニッサンの実際の開発作業を担当したのがAARであったことは有名だが、おそらくこの奇天烈な車体形状で、ウィングに頼ることなく四輪を接地させるアイデアを練る段階で、三十年前にみずからが手がけた仕掛けに行き着いたのだろう

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ではこのように革新的な仕掛けが現代の車に見当たらないのはなぜかというと、見当たらないのではなく「みんなどこでも使っている」のである　現代F1カーのフロント/リヤ翼端板、「Tトレー」部分、コークボトル付近のアンダーパネルなどは、すべて渦流を狙った方向に投射する目的で加工されている

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(あまり参考になる車種ではない気がするが) 現代F1カーの当該部分を観察する　フロントウィングには複雑なスリットが開けられ、Tトレー部分には前述のデルタウィングに近い処理が見られ、バージボードが装着されている pic.twitter.com/Ml4QxmQLpw

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現代F1カーはステップドボトム規定があるので完全なBLAT車はつくれないが、連続した渦流を投射して負圧域を狙った場所につくりだしたり、渦流を空気の壁、空気のカーテンとしてきれいな気流をあるエリアに閉じ込めたりするのに、BLAT由来の渦流制御が活用されているのである

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たとえばフロント翼端板のこのスリットなどは、フロントタイヤに衝突する気流を渦流によって制御している典型例である pic.twitter.com/gnLFoNNraz

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あるいはアンダーパネルのこの部分、ここにセレーションやスリットを開けて気流を掻き乱す処理が流行っているが、これもダウンフォース獲得のために車体を前傾させた状態で走る (レーキアングルをつける) ことが慣例化した結果、(続 pic.twitter.com/XK1GvXtqzY

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承前) …この部分の下面に渦流を作って壁の役割を果たさせ、空気がディフューザーから「逃げていく」道を塞ぐのが目的なのである

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このように、いまでは当たり前になった渦流制御だが、いまから三十年以上も前、まだ誰もが空気の流れで負圧をつくってとにかくダウンフォースをつけることしか念頭になかった時代に、いちはやく渦流の効果に目をつけ実用化したAARは高く評価されるべきである

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AAR代表ダン・ガーニーはかねがね、みずからのインディーカー・レース参戦の歴史の中でいちばん気に入っている車はイーグル・81と公言している　歴史の中で一瞬だけ輝いて消えていったBLATカーには、AARの原点である「創意工夫」の夢がいきいきと息づいているのだ

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余談だがイーグル81に関わったエンジニアというのがこれまた多士済々で、ガーニー本人のほか、のちにイーグル・トヨタMk3を設計するジョン・ワード、GTP最強のエレクトラモーティヴ・ニッサンの高強度モノコックを設計したトレヴァー・ハリス、伝説のエンジニアであるフィル・レミントン…

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フィル・レミントンは60年代後半、キャロル・シェルビー黄金期を支えた天才技術者で、キャロルをして「彼がなければわたしの成功はありえなかった」と言わしめた男　デルタウィングのサスペンション設計にも関わったが2013年に病死した

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ネタもあらかた放出したし手首がつかれたので解説おしまい　長いけど興味深い内容なのでみんな読んでね　そしてAARの偉大さをかみしめてね