「おそ松さん」とSNS界隈で洗練される群像劇

「おそ松さん」の感想ツイートをしていたら、何となく昨今のSNS周辺における「群像劇」コンテンツの位置付けについて考える流れになってしまったので、整理のためまとめてみました。
4
Hiroshi Kasai @heron64

「おそ松さん」の受け入れられ方を見てて思うのは、個々のキャラクターに対する思い入れもさる事ながら、集団の中でのそれぞれの関係性みたいなものに萌えてる人が凄く多いという事。 押しメンというのは厳然としてあるのだろうけど、そのキャラが皆の中でどんな立ち位置を占めるのかも気にする。

2015-12-01 21:05:37
Hiroshi Kasai @heron64

「おそ松さん」においては「兄弟」という関係性の中で、それぞれに与えられた役回りがキチンと機能するように作劇されているように思う。 「恋する十四松」の回でのおそ松の対応が「さすが長兄」と賞賛されているのを見ても、その辺はファンにもキチンと伝わっているのだろう。

2015-12-01 21:10:22
Hiroshi Kasai @heron64

その辺のキャラの描き分けは、原作の「おそ松くん」に比べてもかなり意識してやっているように思う。せっかくの豪華声優陣をちゃんと使いこなして費用対効果wを最大限に引き出している。 全員同じ顔をしているのに「群像劇」が成立しているというのは、キャラの描き分けの水準が新世代に来ている。

2015-12-01 21:16:30
Hiroshi Kasai @heron64

最近のアニメ・ゲーム系のコンテンツでは、複数のキャラでより取り見取りというスタイルが最早基本形という感じになっているが、遡って「ときメモ」などの恋愛ゲームジャンルの頃になると、人数は多くても、物語構造上は「主人公と攻略対象の一対一の関係性の物語」が人数分あるだけだった。

2015-12-01 21:25:24
Hiroshi Kasai @heron64

「アイドルマスター」も初期のゲームにおけるシナリオ構造は「プロデューサーと担当アイドルの一対一で精進するサクセスストーリー」の集合体だった。 ところが、最近のアニメ作品とかを見るとこれがちゃんと「仲間で目標を分かち合って努力する群像劇」になっている。

2015-12-01 21:32:54
Hiroshi Kasai @heron64

実は個人的に「アイドルマスター」に対して思い入れが出来たのは、原作のゲーム以上に、そのキャラクターを使用して作られたニコニコ動画の「創作リプレイ動画」とも呼ぶべき一連のMADシリーズによる所が大きかった。 三国志やら戦国時代やら大戦中欧州やら、色んな所で辛酸を舐めていたあれw

2015-12-01 21:38:31
Hiroshi Kasai @heron64

ファン創作SSなんかの流れも汲むであろうこれらのストーリー中では、アイドル達がプロデューサーだけでなく「仲間たち」の方を見て、対等に、それぞれの個性を生かして、己が立ち位置を見極めながら活躍していた。 視聴者のコメントが付くニコ動の特性上、各キャラの特性もより先鋭化して行くw

2015-12-01 21:43:03
Hiroshi Kasai @heron64

ゲーム文化を取り込む事で「キャラ人数を増やした」コンテンツは、SNS的な洗練の中で「個性と関係性」を獲得して、より太く力強いソーシャル性を伴った「新世代の群像劇」として脱皮しつつあるのではないか。 「おそ松さん」のファンムーブメントの広がりなんかを見てるとそんな予感が閃く。

2015-12-01 21:50:37
Hiroshi Kasai @heron64

考えてみれば、ボカロ界隈の兄弟姉妹設定やら各キャラに付随する物語性やらも、ニコニコや2ちゃんやTwitterにおける「ファンの悪ノリ」のブーストを強く受けているわけだし、やはりネット時代のコンテンツは、どうしたってSNS的な文脈からの影響を無視しては成立し得ないのかも知れない。

2015-12-01 21:59:29