【昭和11年】間宮台風遭難

清新明朗な加賀内閣 @hirataitaisho

間宮機密第一五號ノ一一二 　昭和十一年九月二十四日佐世保 　　間宮特務艦長（大佐　柿本権一郎） 　　海軍大臣殿（大将　永野修身） #まとめ用

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本艦昭和十一年七月二十三日 聯合艦隊附属艦トシテ寺島水道ニ錠泊中嵐ニ遭遇　走錨セルヲ認メ◯◯（判読不明）ヲ使用シ其位置ヲ保タントセルモ風下ニ漂流セラレ　艦ノ操縦困難ニ至レルヲ以テ右錨鎖ヲ捨出　出港セントセシガ遂ニ蛎ノ浦島「オーカンネ」山南東海岸ニ擱座セリ（後略） #まとめ用

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昭和11年7月22日午後、「間宮」は連合艦隊の各艦とともに寺島水道へ出て錨地に投錨。13時33分、連合艦隊兼第一艦隊旗艦「長門」より「荒天ニ對スル準備ヲナセ」の指令を受け、「間宮」も各種の荒天対策を実施する。 #まとめ用

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18時以降、台風の接近とともに海は大荒れとなり、「間宮」でも艦長・副長・航海長らが艦橋に出て警戒に当たる。 #まとめ用

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7月23日に日付が変わったころ、台風の中心が接近したらしく風浪強大。「間宮」の船体は大揺れし、甲板に波が打ち付け、艦橋でも激しい振動を感じる。 午前1時半、風速37メートル。気圧3.6水銀柱ミリメートル（4.68ヘクトパスカル）の急降下。 #まとめ用

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深夜になって風浪が強まる中、「間宮」では南側に居る「長門」と「那珂」の航海灯を目印に位置を保っていたが、午前一時にはあまりの暴風雨で「長門」の灯を見失ってしまう。 #まとめ用

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午前1時半、7番・8番ボイラーに急速点火を下達。 1時55分、右隣に居る「阿武隈」のほうへ艦首が傾いているのを認め、“走錨”しているのではないかと感じ、総員起こしを下達。「阿武隈」からも「貴艦走錨シツツアルガ如シ」の警告が来る。 #まとめ用

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嵐や潮流などで船舶が受ける外力が錨と錨鎖の抵抗力やプロペラの推進力を上回れば、錨が錨鎖と共に引きずられる。この時、錨が傾いたり反転現象によって把駐力が小さくなり錨が移動し続ける事を「走錨」と言う。 ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8C%A8… #まとめ用

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嵐などの荒天時では錨と鎖を引きずっているためウィンドラス（揚錨機）では引き上げられなくなり操船が出来ずに海難事故に至る危険性が非常に高くなる。 （Wikipedia「錨」－走錨）ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8C%A8… #まとめ用

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走錨と見た「間宮」では、「阿武隈」との衝突回避とこれ以上の漂流を避けるため、艦首を南（風上）に向けようとする。しかし「阿武隈」は回避したものの、風浪に煽られて舵と推進力が思うように効かず、艦は流されるばかり。附近の駆逐艦や潜水艦にも接近し、危険が強まる。 #まとめ用

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2時20分、一航戦の停泊している辺りから照射の光を見て、「間宮」が島の断崖絶壁に著しく接近しているのを感知する。 「艦尾附近に潜水艦がいて邪魔だった」みたいなこと書いてるけど、それは仕方ないだろ、潜水艦は外見えないんだし（苦笑） #まとめ用

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2時35分、走錨が止まらないので、ついに錨を諦めて切断（捨錨）。艦尾を風上に向けて「艦首」とし、陸地から離れようとする。 しかし艦尾附近には潜水艦がいて後進することができないので、やむを得ず断崖を避けつつ前進することに。 #まとめ用

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結果として、断崖への衝突は回避。しかし後ろには停泊中の各艦がいて、後進一杯をかけることもできず漂流。午前3時ごろ「微弱ナル振動ヲ感ジ坐礁ト認メ」、蛎浦島「オーカンネ山」附近の浅瀬で坐礁することになる。 #まとめ用

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（間宮漂流図）まぎらわしいけど、下が「北」で描いている。 #まとめ用 pic.twitter.com/aWTD5Kwh9V

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坐礁したものの大きな浸水はなく、水深にしても「高潮時」（満潮時）には自力で離礁できると見込まれた（結局ダメだった様だが）。 明け方の調査で、真水タンクの一部に海水が流入しているのを確認し、このタンクの水を廃棄。 #まとめ用

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台風通過後の23日午前、佐世保から港務部長が来て、午前11時の満潮時を狙って曳船で離礁・曳航することに。 12時、曳船3隻を使って曳いてみたものの失敗に終わる。 午後、第一戦隊と第三戦隊から作業員が来て、船体を軽くするため水・石炭・一部物資を船外へ搬出。 #まとめ用

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19時、佐世保軍需部の舟艇により、食料を積み出して艦隊へ配給。 24日に日付が変わる頃、艦尾の小型錨を使って引っ張ったり緩めたりしていたら、20回目に船体が動き始めたのを認める。 #まとめ用

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これに合わせて、曳船による作業を再開。深夜2時ごろ、ようやく離礁。夜が明けるのを待って、駆逐艦「春風」の護衛を受けつつ、自力航行で佐世保へ入港。 25日、佐世保第五船渠に修理のため入れられる。 #まとめ用

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その後、「間宮」が走錨時に錨を放棄したと思われる辺りで錨の捜索が行われたが、結局見つけることはできずに打ち切られ、「間宮」の母港である呉軍港で錨を作りなおすことになる。 #まとめ用

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「間宮」の具体的な修理について書かれている資料は見つけられなかったのだが、思いの外損傷が激しかったのか老朽故のガタが表面化したのか、これ以後ずっと佐世保滞在状態に。 一方、連合艦隊は7月28日には台湾へ航海に出てしまう。 #まとめ用 pic.twitter.com/OtHZLWNhjF

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10月、連合艦隊は大演習を実施。月末には神戸沖で大演習特別観艦式が行われるが、この時も「間宮」は佐世保に留まったままで、大演習・観艦式ともに参加していない。 #まとめ用 pic.twitter.com/Ldd1TvrbQY

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「間宮」が母港・呉に戻ったのは、シーズンオフの11月22日。 結局、この年の連合艦隊はほとんどの期間、「間宮」不在で遠洋航海や大演習をこなしていたことになる。 #まとめ用 pic.twitter.com/XirfrMuU6b

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結果論だけど「現に昭和11年夏季颱風による間宮遭難の場合艦隊は非常なる不便を感じたり」というのも、この台風事故が無ければ表面化せず、「伊良湖」建造も遅れに遅れていたのかもしれないな。 #まとめ用